2019/1/5から1/27東京芸術劇場プレイハウス
音楽詞脚本 デイブ・マロイ 原作トルストイ 戦争と平和
ピエール:井上芳雄 ナターシャ:生田絵梨花
第一報で「グレート・コメット」というタイトルを聞いて、19世紀の話らしいというので
きっと彗星が来て地球の酸素がなくなるっていうあの騒動に恋愛を絡めたコメディなミュージカルかなーなんて思っていたんです。ところがだんだんと情報を聞いているとトルストイの「戦争と平和」の話、しかも出演者の恋愛模様は結構ドロドロ・・でも海外でやった舞台はステージにお客さんがいてお酒飲んでて
なんだかウェーイ
って感じにみえる・・・軽く混乱しつつそのステージ上のコメットシート を一度は体感してみるか・・と応募したら当たり。行って来ました。
内心「なんでこれをミュージカルにしたかなー」ってツッコミを入れなきゃいけないかなと思いつつ。
私のコメットシートは当日引き換えでした。
コメットシート は荷物検査もありでドリンク付き。(カップがあれば有料でさらに追加できるそうです)
リサーチによると卵型のシャカシャカ「エッグシェイカー」を買った方が楽しそう。ということで購入
ついでにピロシキも食べてみました。(運が良ければシェイカーとかピロシキとか幕前にキャストの方が配ってくれたりしてもらえるとか)
コメットシート はゴージャスな椅子4つにひとつくらいの感じでランプが乗った机が付いてます。知らない人と隣り合わせであいさつしつつ誰のファンかなどと聞いたりして、それもまた楽しいです。
舞台途中私の辺りにはキャストが一緒に座ってオペラ観劇したり、妻の候補としてひとり連れ去られそうになったりしました(その方にはおわびのチョコがピエールから来ました)
そんなこんなでなんだか思いのほか楽しかったです。
さて肝心な「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ1812」(長い・・)ですが主役のピエールという男(井上芳雄君)がほぼ引きこもりで舞台の前方の部屋にずっとおります。
王子を封印して猫背の冴えない男(でも金はある)という役回りです
舞台にいるけどあまり他の人とからまない。斬新すぎる・・・
彼の周りでどんどんいろんな思惑やら恋やらが進んでいきます。
どうやら彼の心は傷ついて死んだようになってしまってるみたいです。
でもこのまま死んでしまうのは嫌だというピエールの歌「塵と灰」がすごいです。これがこの話の核なのかも。
この歌を聴いた後だと、不貞とか、不倫とか、不道徳とかありつつも真剣に人を愛してしまったり誰かの迷惑になろうが生きたいように生きられる人生というのもありかな・・なんて思えてくるのです。
まあそれでもやはり安らげる場所に私はいたいけどね。
ピエールはそんなドロドロな中で他の人にとっては安らげる人なのかも・・・と思われます、最後はその彼の心が動きはじめグレートコメット の浮かぶ空に希望の光という感じの幕がおります。
なんだか楽しかったです。いきなりコメットシート だったからかもですがワクワクしてしまいました。
こんなに死にかけたり傷ついたりしてる人たちの話をみながらワクワクするなんて若干の罪悪感。
でもこれがエンタメ。みんなで楽しむ空間の究極か。とか考えて帰って来ました。
コメットシート 楽しいですよ。おすすめです。