酒のこと
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グラフイックデザイナーをしている「道」といいます。
このブログでは、お酒に関する話題と、お酒をテーマにした作品を発表させていただいてます。
主にお酒の絵と写真です。また、お酒の絵や写真の制作も承っております。

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ペンギンズ・バーへようこそ ― こんな缶ビールあったよね

 

久しぶりにこの街に戻ってきて、かつてよく通った店の扉を押したとき、

ヘッドフォンから「スウィート・メモリーズ」が流れてきた。

見慣れぬバーテンダーの中に、昔からの顔をひとつ見つけて、

少し安心しながらカウンターに腰を下ろす。

「久しぶりですね」

注文を取りに来て、それだけ言うと、彼はまた静かに奥へ戻っていった。

余計なことを訊かないところが、あの頃のままだった。

常連たちの姿は今日はなく、

グラスを見つめていると、この街で過ごした時間が、

淡いフィルムのように頭の中でめくれてゆく。

(泣かないけれどね)少し、胸の奥がほろりとしたとき、

ふと浮かんだのは、あのペンギンの缶ビールとコマーシャル。

どうしてペンギンだったのだろう。

ビールとペンギンなんて、まるで接点がないのに。

思い返せば、ペンギンダンスみたいなCMもあったし、

「ペンギンズ・バー」と名のついた飲み屋もあった気がする。

この店にも立ち飲みスペースがあって、

遠目に眺めれば、酔っぱらいたちが群れる姿は、

どこかペンギンの群れにも見えてくる。

滑稽で、そして少し愛おしい光景。

そんな取りとめのない思いの渦の中、

視界の端に懐かしい顔を見つけた瞬間、

ようやく「帰ってきたんだ」と実感して、肩の力が抜けていった。

そろそろ常連たちが顔を見せる頃だろう。

グラスを飲み干し、現実の時間へと自分を戻す。

 

……でも、やっぱり、なぜペンギンなんだろう。

あの頃の僕たちみたいに、

立ち飲みスペースで、音楽に合わせて軽やかに揺れる女の子たちをぼんやり見ながら、

また、遠い記憶に沈んでいくような気がした。

 

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浪的声音

 

歩いて渡れる島のある町に来るのは、ずいぶん久しぶりのことだった。

 

思ったより早く終わった用事に、手持ちぶさたになって、島の反対側まで行ってみることにした。

酒屋で、この辺りの名前がついた青いボトルを手に入れて、元気よく橋を渡る。

 

ところが反対側までの道のりが、思いのほか長い。――いや、きっと僕が年をとっただけだ。

 

岩場に腰をおろし、潮の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、一口。

 

「そういえば、君と海で飲んでいたのは、いつだったろう?」

 

そんなことを思い出して、青いボトルを透かして海をのぞいてみる。

そこには、磯を遊び歩く君の姿が揺れていた。

 

あの頃の笑い声まで、波にまぎれて聞こえてくる気がする。

酔いにまかせて、僕はあの世界へ引き込まれたようだ。

 

少し酔ってしまったようだ。――でも、もう少しだけ。

 

君の懐かしい笑顔を見続けたくて、そっとボトルに手を伸ばした。

 

 

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三重の焼酎だったんだね

 

人見知りの僕は、あまりあちこちで飲むことがない。

それでも、近所にあった小料理屋にはよく通っていた。

 

可愛いおかみさん(綺麗なおねーさんね)が、一人できりもみするお店。

 

おねーさんはいつも笑顔で迎えてくれて、料理もおいしくて、

そこで過ごすひとときは、僕の小さな宝物だった。

 

しばらく仕事で足が遠のき、

久しぶりに暖簾をくぐろうと向かったら――

 

お店はもうなくなっていた。

 

あの温かな時間と一緒に。

 

何年か後、仕事で三重を訪れた夜、

ふと立ち寄った店の棚に、見覚えのある陶器のボトルを見つけた。

 

STELLA。

 

あのお店で、いつも飲んでいた焼酎だ。

 

すっかり忘れていたはずなのに、

ひと口ふくむと、やわらかな甘みが広がって、

あの頃の空気と笑顔が、胸の奥にそっと戻ってきた。

 

…気づけば、目の奥が熱くなっていた。

こんなふうに、記憶はお酒に宿るんだね。

 

 

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