酒のこと
ご覧いただきありがとうございます。
グラフイックデザイナーをしている「道」といいます。
このブログでは、お酒に関する話題と、お酒をテーマにした作品を発表させていただいてます。
主にお酒の絵と写真です。また、お酒の絵や写真の制作も承っております。

制作ご希望の方や作品にご興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

※お酒やお店の情報も載せておりますが、個人的な意見です。


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氷山のようなロックグラスの上で、白熊が笑った

 

日曜日の朝。

お酒の残る頭でぼんやりしながら、テーブルに置かれたラムの瓶を眺めていた。

 

3年前に突然「バイバイ」って言って、オーストラリアに行った君が、昨日ふらっと訪ねて来て置いていったボトル。

「私の、今、一番好きなラムなんだ」

そう言って、今どうしているのかをたずねると、君はにっこり笑って、何も言わずにそのまま帰っていった。

 

シロクマ印のラム。

オーストラリアでは誰でも知っているお酒らしい。

「オーストラリアのラム」という響きが妙に気になって、瓶をしげしげと眺めながら、すっかり健康そうに日に焼けた君の顔を思い出していた。

相変わらず、毎晩のように酒場をうろついては、昼間の太陽を避けるように眠る僕とは、まるで対照的だ。

 

フルーツピッキングで知られるバンダバーグのラムで、“バンディ”の愛称で人気なのだと、いつものバーに持っていくとマスターが教えてくれた。

ついでのように、「昨夜、碧い目の旦那さんとみえられましたよ」と、個人的な情報まで。

 

毎晩のように夜通し飲み歩き、明るくなると逃げるように寝床に入る。

3年前と変わらない生活を続ける僕には、まぶしいほど“向こう側”へ行ってしまった君の姿が、なぜだかとても安心できた。

 

マスターと二人で、氷山の白熊よろしく、ゴツゴツの氷が浮かぶ大ぶりのロックグラスで乾杯する。

氷山のようなロックグラスの上で、白熊が笑ってるみたいだ。

澄んだラムの味わいが、君の今を物語っているようで、胸の奥がじんわりとあたたかくなった。

 

少しだけ、遠くなってしまった気もするけれど、

氷の音と一緒に、僕も小さく笑った。

 

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ギネスの泡の時間

 

ギネスの泡が好きだ。

最近、会えない君とのコミュニケーションは、いろいろな絵文字が使えるショートメールばかり。

朝はコーヒーを飲みながら、夜は君の大好きなギネスをちびりちびり飲みながら、

スマホに向かってプチプチと打ち込む。

 

少ない言葉と絵文字でつながるたびに、もどかしさを感じる。

そんな時、ギネスの泡がゆっくり落ち着いていくのを、ただ眺めている。

 

本当は毎日、君の声を聞きたいのに。

でも甘えから出る言葉が、お互いを傷つけてしまう。

同じことを直接会って話せば、表情が見えて、なんてことない内容なのに。

 

そんなやり取りが続くうちに、いつの間にかメールが日常になった。

遠い場所ではできないこと――「ふざけてじゃれ合う」こと。

それでもやっぱり声が聞きたくて、たまに電話をする。

けれど甘えてしまい、結局気まずく切ってしまう。

 

情けない気持ちでスマホを見つめていると、

「早く会いにこい😊」君からのメール。

少しぼやける液晶を見ながら、

「✈️👨‍🦱👩❤️」と返す。

 

泡が落ち着いたグラスを見つめながら、

次に君と乾杯できる日を、楽しみにしている。

 

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ケーキとマッコリ

 

そろそろ日も沈みそうな夕方のこと。

今日は、朝から何も食べていなかったことに気がついた。

 

冷蔵庫の中には、

「マロンガトーショコラ」ひと切れと、

「マッコリ」。

 

その二つをテーブルに並べて、

しばらくぼんやりしていた。

 

三日前、君が教えてくれたマリアージュ。

 

だいぶ暗くなった部屋の中で、

「君はあちらでどうしているかな?」

そんなことを思いながら、

ケーキをマッコリで流し込む。

 

やさしい甘さとチョコレートの香りが、

空腹をゆっくり、静かに満たしていく。

 

氷がカランと鳴って、

甘さの余韻が静けさに変わっていく。

少しだけ切なくて、心地よかった。

 

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