夏の終わりに君が教えてくれたこと
「今日、一緒に飲もう」
君からのメールに、短く「OK」と返事を打ち、まだ暑さの残る街を足早にいつもの店へ向かう。
この店は、ハイボールが絶品で料理もうまい。だから通う理由は十分にある。
でも、一番の理由は――メールをくれた君だった。
初めて見たとき、モデルみたいに少しきつめの顔立ちと、
すらりと伸びた脚が強く印象に残った。近寄りがたい人だと思った。
それが、何度か隣り合わせて話すうち、気さくで、時折見せる笑顔がとても可愛いことを知ってしまった。
ある日、僕のハイボールを「ジジ臭い」とからかってきた君に、この店のハイボールの良さを熱弁した。
サントリー角瓶のウイスキーと炭酸のバランス、一振りのライムが作る最高の一杯――。
君は興味深そうにグラスを奪い、一口飲んで大きく笑った。
「本当だ!」
その笑顔が、僕をもっと惹きつけた。
それ以来、顔を合わせれば隣に座り、やがてメールで誘い合うようになった。
「今日こそは、店以外でデートしようって言わなくちゃ」
そんなことを考えながら、店の扉を開ける。先に来ていた君の背中を見つけ、僕は笑いながら隣に座った。
「とりあえずハイボールね!」
乾いた喉にハイボールを流し込んでいると、君が覗き込むように言う。
「ねえ、ハイボールもいいけど、この季節にぴったりの飲み方、知ってる?」
「うーん、水割りかな?でも薄いんだよね。パンチがなくて」
そう答える僕に、君は唇を近づけて囁いた。
「そしたら、教えてあげる。――私のよく行くバーで」
待ち望んでいた言葉。頷くしかない。
その瞬間、君は笑顔になり、いきなり僕の首に腕を回した。
「良かった。断られたらどうしようって思ってた」
香りに包まれ、心臓が跳ねる。
気がつくと、目の前に大ぶりのグラスが置かれていた。
「今日は特別に“角”で作ってみました」
君の馴染みのバーのマスターがそう言って差し出したのは
――氷で満たされたウイスキー・ミスト。
ロックより柔らかく、水割りより力強い。
氷が溶けるたびに味わいを変え、ゆっくりと時間をほどいていく。
君と過ごす夏の終わりの夜に、こんなに似合う一杯があるなんて。
「残りの暑さを、この飲み方で一緒に味わいたい」
そう言う僕に、君は微笑んでグラスを重ねた。
――氷の音が溶けるたびに、君の笑顔が深く染みていった。
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普段手に入らないようなお酒が、目の前にある時、どうする?
安い居酒屋で、僕らはチューハイ片手に話していた。
テーブルの上には、ソースにどぼんと浸かった揚げたての串カツ。
そんな中、僕の頭には君の顔が浮かんでいた。
珍しいものやおいしいもの、素敵なことやちょっと変わったこと――
そういうのに出会うと、君と共有したくなるんだ。特にお酒はその代表。
最近手に入れた「AMAZONAS OCUMARE LIGHT DRY RUM」、ヴェネズエラのラムもそう。
ボトルのラベルに描かれている爬虫類を「ヤモリかな?」と思って調べたら、まさかのサンショウウオだった(笑)。
それを話すと、親友はホッピーを一口飲んで、急に真顔になった。
「お前、その子と結婚すべきだよ」って。
理由を聞くと、彼は熱っぽく語りだした。
人が打算や計算なしに誰かのために何かしたいと思うのは、
同性なら親友
子供なら親
異性なら連れ合い
将軍なら家来
「同性の親友ってのはさ、利害とか損得じゃなく、ただ一緒にいたい、共有したいって思えるんだよ。お前とこうして飲んでるのもそうだろ?」
そう言いながら、彼は笑った。
「大名と家来ってのは、仕事や趣味に近いんだ。金が絡むように見えるけど、本物はプライドに関わるんだよ」
串カツを口に運びながら、また熱く語る。
「子供ってのは、もう打算抜き。愛しかないんだ」
最近子供ができた彼は、幸せそうにそう言った。普段の顔とは全然違ってた。
そして彼が言うには、この中で一番共有が難しいのが「異性」。
そこに欲望を絡めず、ただ何かを共有したいと思える相手は、本当に貴重で、大切な存在なんだそうだ。
「しかも、連れ合い相手ってのはさ、油断するとつい自分の感情を押し付けちゃうんだよな」
そう語る彼を見て、僕はちょっと羨ましくなった。
嫁も子供もいて、僕の知らない世界を知ってる彼が、少し眩しく見えたんだ。
でも、僕にもある。
君に飲ませたいお酒が、どんどん棚に溜まっていく。
君と一緒に飲んで、驚いたり笑ったりする顔を思い浮かべると、それだけで幸せを感じるんだ。
「結局さ、愛のため、なんだよ」
親友がそう言った。
素敵な言葉だと思う。
居酒屋のBGMは、偶然にも奥田民生の「愛のために」。
できすぎた夜だな、と僕は笑った。
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四つの薔薇の話
その人は、少し照れくさそうであり、悲しそうであり、
でも、誇らし気に、薔薇の花束を持って入ってきた。
「長い間、会社勤めご苦労様でした。」
そう言いながら、マスターはマンハッタンを、スっと彼に出した。
その人は、緊張しながら少し落ち着かな気に、
店内を見まわし、ホッとしたように笑顔を浮かべて、
薔薇一輪をシッカリと持って、
少し不安そうにしている女の子に向かって駆け寄って行った。
「素敵な時間をお過ごし下さい」
バーボンソーダをテーブルに二つ置いて、マスターはそう言った。
少し疲れたようだけど、
本当に幸せそうにお互いを見つめあっているカップルが、
大きな薔薇の花束を持って、僕の隣にすわる。
「おめでとうございます。ハネムーンはどちらまで?」
バーボンのミルク割を二人の前に出しながら、マスターはそう尋ねた。
「たまには顔をあげて下さいよ。」
ハッと見上げる僕の前に、
フォアローゼズのロックをそっと置いて、マスターが微笑んだ。
気がつけば、店内はもう僕ひとり。
グラスの薔薇のラベルが、かすかに揺れて光る。
マスターはカウンターの奥で、黙ってグラスを磨いている。
その背中に向かって、
僕はゆっくりとバーボンを傾けて、静かに言った。
「ありがとう」
マスターは答えず、ただ一度、深くうなずいた。
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