総選挙で第三位に浮上してからというもの右上がりに人気があがっている。
握手会でのファンの列もAKBトップクラスの長蛇の列である。
高みな
『このゆきりんの人気は何なのか?』
高みなはその理由を知りたくなった。
あくる日から、高みなはゆきりんウォッチングを始めた。
次の日も次の日も高みなは、ゆきりんをまるでストーカーの様に見続け、気になった点を小さなノートに書いていったのだ。
■ 前から帰るのは早いが、前以上に帰るのが早くなった。
■ 携帯なんてろくに弄らなかったのに、最近やけに弄っている。
■ ビアスや髪飾り、私服など前に比べてオシャレになっている。
■ 『だれでも作れる簡単レシピ』という雑誌をたまに読んでいる。
ある日、高みなはゆきりんが帰る後を追ってみた。
秋葉原駅から山手線に乗り込むゆきりん。
違う車輌からゆきりんをみつめる高みな。
ゆきりんとゆきりんママの住むマンションは◯◯区なので、△△駅で降りる。
だが、ゆきりんは△△駅ではなく、浜松町駅で降りた。
後を追う高みな。
浜松町駅でゆきりんはモノレールに乗り換えた。
高みな
『ゆきりん、何処に向かうんだろう?』
と思いながら、ゆきりんとはぐれない様にモノレールに乗り込んだ。
大井競馬場駅を過ぎ、ゆきりんは終点の一つ手前の羽田空港第一ビル駅で降りた。
高みな
『羽田空港?』
と思いながら少し距離を起きながらゆきりんを追う。
ゆきりんはエスカレーターを登り、スターフライヤーのカウンターで搭乗手続を終え、おみあげコーナーをみていた。
飛行機に乗るなんて思っていなかった高みなは財布の中を確認し、ゆきりんが搭乗する飛行機と同じ便の搭乗手続を行った。
便名 SFJ 045
区間 羽田ー福岡
出発時刻
19:40
ゆきりんと高みなを乗せた飛行機は福岡空港に向かい飛び立った。
20:58
福岡空港に到着し、ゆきりんは地下鉄空港線に乗った。
高みなは、また違う車輌からゆきりんをみつめながら
『福岡に何があるんだろう?』
何処に向かうんだ?何が待っているんだ?
高みなは何故かドキドキしてきた自分に気づく。
地下鉄空港線は『天神駅』に到着した。
ゆきりんは颯爽と地下鉄を降り、地上に出る道を進んだ。
高みなは疲れたのか目をつぶっていて危なく降り損ねるところだったが、間一髪間に合った。
21:15
地上に上がったゆきりんは携帯を取り出しメールをし出した。
疲れた高みなはキオスクでペットボトルのお茶を買い、口に含んだ。
しばらくして
21:25
ゆきりんは天神駅の柱の前で立っている。
高みな
『誰か待ってるのか?』
と思いながら離れた柱の影からゆきりんを見ている。
21:28
高みなが再度お茶を口に含んだ時!
ゆきりんの前に一人の男性が赤い自転車に乗って現れたのだ!
高みな
『誰だぁ?』
高みなが見た事のない男性がゆきりんと話している。
話している内容まではわからないが、雰囲気からして初めて会う様な感じではなく、親しそうであった。
しばらく高みなはその男性と話すゆきりんの顔に着目した。
高みな
『今まで見た事のない、いい顔をしてるなぁ。』
長年高みなはゆきりんを見てきたが、こんな表情は初めて見た気がした。
高みなは、その時悟った。
『彼氏』
だと。
『これが今ゆきりんがプラスに向いている理由なんだぁ。』
ゆきりんがプラスに動いてる間は、私の胸にしまっておこう。
そう誓った高みなは、一人東京に向け、帰路に向かって歩き出した。
その数日後、ゆきりんの『男の人って何を貰ったら喜ぶかなぁ~』事件が起きるのである。
みちすけ
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