コンクールは手段 | 東京都 板橋区 道下ピアノ教室のブログ♪

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東京都板橋区 道下ピアノ教室 道下果奈のブログです。
音楽のこと、日々のことを綴っていきます♪

ずっと前に、

他の教室の生徒さんの保護者様が、

このごろピアノを弾く気持ちが

薄れてしまって

どうしたらよいかという

ご相談をしにこられました。

 

その時は、

私も若く、

私自身も言語化できておらず、

うまく答えれませんでした。

 

私は、小さなころ、

ピアノにものすごく憧れをもつ母によって

ピアノ教室に入会し、

音楽の世界で生きてきました。

 

そんなふうに

お子さんが小さなころに

保護者さんが良かれと思って

子どもにピアノをやらせるというのは多いかと思います。

 

家での練習には、

親御さんもがんばって

練習につきあいます。

 

子どもって、

思った以上に

親の期待に応えよう、

喜んでもらおうと

がんばります。

 

心配なのは、

保護者さんが、

ピアノを上達させるのに真剣になって、

お子さんが、必死でそれに応えて

練習をがんばり、

たとえばコンクールで賞をとっても、

その時はとてもうれしいですが、

そのあと、

燃え尽き症候群のようになったり、

なぜピアノをやるのかわからないという

状況になることです。

 

たしかに、コンクールは、

出ることにより、

上達しますし、

モチベーションもあがりますし、

他の人の良い演奏に刺激を受けます。

 

しかし、コンクールというのは、

1つの手段であって、

 

決められた期間の中で仕上げていくこと、

競うことでよりがんばれる

上達していくことに注力、

1つの目標に向かって

没頭する時間を持つ

という本当の意味があり、

コンクールがゴールではありません。

それを大切にしなければならないと思います。

 

また、コンクールは勝つか負けるかの世界で、

その時その時で結果は違うし

どの世界でも

自分より上手な人はいます。

 

なので、

子ども本人が

常日頃から

自分が主体で音楽をやっている意識をもつこと

自分がピアノを弾きたくなる感覚を感じること

自分が音楽的に何かわかった、つかめた、成長したと感じられること

自分が弾いていて、その音楽にとても入り込んでいる状態を感じること

 

そんな瞬間が多ければ多いほど

幸せに長期的に一生、

音楽と向き合えるのではないかと思います。

 

本人が本人の感情をみつめる機会がないと、

別に自分がピアノを弾かなくてもいいじゃないか

という気持ちにさえなってしまいます。

 

保護者様は

お子さまの一番の応援団・環境づくり・

気持ちに寄り添ってあげてください。

 

コンクールで賞をとることは

大きなモチベーションにつながりますが、

 

なぜピアノをするのか、

どんなときにピアノが弾きたくなるのか、

ピアノを弾いている本人の感情がどんな状態か

ということにも目を向けて

 

お子さまの人生が

長期的に

音楽によって

より豊かになることが

保護者様も望まれることだと思います。

 

お子さんも

ピアノが楽しいと感じる瞬間は

あると思いますが、

 

保護者さんが全部決めてしまって、

保護者さんのペースでされていると

お子さん本人の感情を置き去りにしてしまいます。

 

ピアノをやってるからと

他にやりたいことを制限することは

よくないです。

 

とてもピアノが上手なのに

ピアノが本当に好きかわからない

という人もいました。

 

たとえば

お子さん自身が興味のある曲を

遊びで弾いててもいいし、

生の演奏会にいって新しい刺激をいれたり、

家からでて、違う体験をしてみたり、

全身を使ったスポーツでリフレッシュしたり。


頭が疲れているときは、

体を動かすと疲れがとれるともいいます。


何がきっかけになるかわかりませんが

一見遠回りかと思われる視野も必要かもしれません。

 

人は感情を味わうために生きています。

音楽は、

ダイレクトに感情に作用します。

そして、弾きたい感情が、

行動をつくって

ピアノを弾くのです。

 

それを味わう喜びを知ったら

生涯、ピアノを弾くことを大事に思えて、

長期的な幸福が感じられると思います。

 

是非、

見えないですが、

日々の練習の中にも、

保護者様が音に感動したり、

楽しんだり、ほめたり、

自分の感情、お子さんの感情に

目を向けるという視点をプラスしてほしいです。