シリアで戦闘再開 停戦の当日には米露とも空爆実施

引用元:http://thutmose.blog.jp/archives/59793814.html


▲住民や監視団体は、一日も休まず空爆は行われていると証言した。
引用:http://www.newsweekjapan.jp/stories/2016/04/19/reuters/2016-04-19reutes845akf.jpg


シリアでは2月末に米露が主導して停戦合意しましたが、実際には米露シリア軍とも一日も停戦していませんでした

イスラム国は停戦数時間後には村を襲い、ロシア軍の戦闘機は停戦当日に空爆を行っていました。


◆停戦という虚構

シリアでは米露の停戦合意とロシア軍撤退で戦闘が終わった筈ですが、実際は一日も休まず戦闘は続いていました

2015年にロシア軍がシリア空爆を開始したが、16年2月に米露が停戦に合意し、2月27日に停戦が発効しました
3月14日にはプーチン大統領が主力部隊撤退を表明し、翌日からシリアから引き上げ始めました
だが良く考えてみるとこの「停戦」は肝心なところが抜けていたので、停戦になっていませんでした。

まずシリア危機は2013年にオバマ大統領が中東から米軍を撤退させた事に、端を発しています
最大の敵だったアメリカ軍が引き上げた後、アルカイダはより過激な「イスラム国」となって急回復しました

米軍が引き上げたイラクやシリアは、あっという間に元通りになったと言って良く、イスラム国とシリア政府に戦闘が起こりました

これに反政府武装組織や、親政府武装組織、親アルカイダや反アルカイダ、親欧米武装組織が加わって大混乱に陥りました。

欧米は再びイラクやシリアに小規模な部隊を派遣して、次第に戦闘が拡大していきました。

つまり戦闘の大元はアルカイダやイスラム国なので、米露とシリア政府が合意しても、停戦にならないのでした。
2月27日に米ロとシリア政府は攻撃をやめたが、イスラム国やアルカイダの知った事ではないので、戦闘は続けられていました
27日0時の合意発効から数時間後には、北部のアビアドを攻撃しています。

つまり停戦など無かったのでした。



◆停戦は一日も実行されなかった

逆にシリア政府の攻撃がやんだ事で、対イスラム国との形勢は不利になり、勢いづかせる恐れがありました。

欧米の取材では、停戦後もシリア北部では米軍機とロシア軍機が連日空爆を行っていました

ヒルブナフサという場所では、停戦後の最初の4日間だけでシリア軍が40回、ロシア軍が20回の空爆を行いました

停戦前に比べて空爆の頻度は減ったが、一日も休まず続けられていると住民らは証言しています

現地で活動していた監視団体によると、ロシア軍機の空爆は99%が誤爆で、米軍機は90%が誤爆だった。

アメリカの爆撃精度はロシアの10倍も高いのだが、犠牲者を調べたら90%が民間人でした。
ロシアに至っては村ぐるみ丸ごと、無差別爆撃していたのが分かっています

戦争犯罪として禁止されている「クラスター爆弾」を使用したのも確認されていて、最初から無関係な人を標的にしたのです
クラスター爆弾は親爆弾の中に無数の子爆弾が入っていて、地域全体の「人間」を対象にした爆弾です。

アメリカ軍も東京大空襲で似たような物を使用したが、彼らは下に居るのが敵かどうか、などどうでも良いのでした。

4月に入ると撤退した筈のロシア空軍が、公然とシリア全土で空爆を再開し、アメリカ軍も無人機攻撃を拡大しています

それでいて米露とも「停戦を守れ」などと他の勢力を非難しているのでした。



◆混乱を作り出したのは誰か

ロシアはウクライナでやったように「停戦した」と言いながら、既成事実を積み重ねてシリアを支配しようとしています

アメリカも今や地上部隊の派遣を公言しており、空爆もますます強化するとしています。

シリア政府はロシアの支援を得て、欧米やイスラム国を叩き出したいと考えている


アメリカはシリアのアサド政権が「民主的でない」と非難して政府を崩壊させたがっています

アメリカがシリア政府を弱体化させるほど、漁夫の利を得てきたのがイスラム国で、奇妙な事にアメリカがイスラム国を助けている

国民の半分が難民になったシリアで、民主化したから良くなるとは思えないが、オバマ大統領は民主的な選挙をすれば、全て解決すると言っています

停戦とは要するに、マスコミの目をシリアからそらす為のショーだったとすら思えます。



オバマ大統領が中東の平和を取り戻すには「3年は要する」、アジア・太平洋の平和維持は日本の責任となる

元記事:http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/de37041e991f8bbecee805411c31d64aより一部引用

米国オバマ大統領は(2014年)8月上旬から米空軍にイラク空爆を命令し、以後、空爆を続けてきたけれど、9月22日(シリア時間23日)、シリア空爆を初めて命令、友好国と共同で実施した。シリア領内にいるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を殲滅させるのが目的だ。

オバマ大統領は、ノルウェーのノーベル賞委員会から、「核なき世界」に向けた国際社会への働きかけを評価されて、2009年12月10日、オスロでノーベル平和賞を受賞した。このため、オバマ大統領は戦争ができない大統領となり、2011年11月のオーストラリア訪問時に、リバランス政策(再均衡政策の意、世界戦略を見直して、その重心を中東地域からアジア・太平洋地域に移そうとする軍事・外交上の政策)を発表、2012年にはイラク駐留米軍を完全撤退し、事実上、イラク戦争の敗北を全世界に印象づけた
 ところが、イラク駐留米軍を完全撤退したことにより、中東地域内での軍事バランスが崩れて、治安が悪化、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の台頭を許す結果を招いてしまった
(後略)

※関連
難民は誰が作ったか? 中東の宗派対立こそが、欧米の中東利権を生み出す

シリアの現状 誤爆と飢餓 米露爆撃の9割が住民対象

シリアのテロ組織を育てイスラム国を育成したのは米国 米議会調査局

アメリカ軍がイラク駐留再開 中東は元の木阿弥へ


(私の感想)
最初の記事で2013年になってますが、
オバマがイラクから完全撤退したのは、2012年のようですね。
そして、2014年に再びイラク空爆したようです。

シリア米露の思惑のせいで、ぐっちゃぐっちゃにされてしまってますねΣ( ̄ロ ̄lll)

アメリカは第二次世界大戦で日本に対してそうしたように、割り当てた予算は使い切る必要あるので軍事を停止させないですし、
ロシアはシリアも絶対支配下に置きたいですよね。

一体、人の命をなんだと思っているんでしょうか?(#`皿´)

シリアや中東関連の記事は、本当に酷い内容で、非常に胸糞悪いです(ノ_・。)

日本がそういうことをしない国だということが、せめてもの救いです。