化石採集記 +α

化石採集記 +α

お医者さんを目指して修行中のおいしやさんです

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皆様明けましておめでとうございます。久方ぶりにひっそりと更新します。
昨年の春で二年間住んだ気仙沼を離れ、仙台にほど近いとある病院に産婦人科医として赴任しました。
慣れないことだらけではありますが、どうにかやっております。

化石の方はと言いますと、休日の当直などもあり、遠方には中々出かけることのできない日が多かったのですが、それでも近場を中心に月に1,2回ほど出かけることが出来ました。
今まであまりやらなかった新生代の化石などちびちび集めたりもしていましたが、今回は古いものを紹介します。
昨年の5月1日、そう令和の初日に採集した化石です。この時は遠方からのお客様にお供させていただいての北上巡検で、ジュラ紀の産地を何か所かご一緒させていただきました。
そのうちの1か所、細浦層の産地での収穫物です。長年東北に住んでいながらも行ったことのなかったポイントで、実はまだ持っていなかったトメトセラスやホソウレイテスを手にしたいなと思い描きながら現場に入りました。割り跡はそこかしこにあるのですが、よくこんな硬い石を叩くよな…と感心しつつ、剥がしやすそうなところをひと割り。するとアンモナイトの断面が見えているではありませんか。どうやらここでよく出るホソウレイテスのようです。カチンカチンの石ですが、クリーニングできれば大き目のしっかりとした標本になりそうです…しかし、下手に叩くと泣き別れてどうにもならなくなりそう。
お客様にも持っていただき、どうにか車に持ち帰ってくることが出来ました。

そして、クリーニングをお願いして帰ってきたのは、予想以上に立派なホソウレイテス、しかも密巻きのアンモナイト?オウムガイ?が横に並んだ素敵な標本でした。

Hosoureites ikianus φ13cm

Nautiloidea? gen. et. sp. indet. φ8cm

 

硬くて分離の悪い、大きな母岩をこのように仕上げるのは、どれほど大変だったことでしょう。お願いした方の技術と根気には、本当に頭の下がる思いです。

どのくらい時間があるのかわかりませんが、今年もフィールドに出て、たまには生存報告が出来たらいいなと思っています。
それではまた、お会いしましょう。今年もよろしくお願いいたします。

こんにちは、ryoheiです。

すっかり外も涼しくなり、急激に秋めいてきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

先月までは忙しめの科をローテーションしていたので中々巡検に出られない日々が続いていたのですが、ひと段落ついてようやく巡検できる環境になってきました。

そんな秋の巡検で得た化石を2つほどご紹介しようと思います。

Tainoceras sp. φ4cm

宮城県気仙沼市産 落合層 古生代ペルム紀

小さいながらも久しぶりに棘の生えたオウムガイを採集することが出来ました。

もう少し保存が良ければ言うことは無かったのですが….残念。

Bellerophon sp. φ4cm

産地・時代は同上

ぱっと見二枚貝や腕足類と見間違いそうな形ですが、よく見ると巻いており、この仲間の特徴のスリットバンドや、広がった殻口部が見て取れます。

 

地味な化石も多いですが、またその内コソっと更新します。

こんにちは、ryoheiです。

 

今回は大船渡の有名な採石場での収穫物をご紹介します。

東北の古生代では数少ない黒く硬質の化石の産出する産地ですが、腕足類ばかりで三葉虫や頭足類には中々出会えず昔から苦手意識の強い産地でした。しかし、年明け~春にかけて何度か足を運んだところ、多数の腕足類に混じり頭足類の化石も幾つか手にすることが出来ました。

 

そんな中でも最も欲しかったのが、写真のゆる巻きのオウムガイの化石。角張った肋と細かな条線を持つ、この産地ならではのオウムガイです。今までほとんど見ることが無かった化石ですが、偶々少し多いところを削ったようで、これを採集した日は周囲でも何個体か採集されていました。

この標本は斜め方向に潰れており、真上から圧がかかったものと比べると決して見てくれは良いとは言えないのですが、少し化石の厚みが残されていて背中に溝があることを確認でき、元の姿を推測するという点では価値のある標本かなと思います。

 

Vestinautilus sp. φ4.5cm

岩手県大船渡市 日頃市層(古生代石炭紀ビゼニアン)