【 先代が農薬を使わなかった理由 】
先代が農薬を使わなかった理由
・・・なあんて書くと、とっても素晴らしい伝統を守り続けている農家のように誤解されるかもしれません。
あるいは、エノキアン協会のような老舗??なあんて勘違いされるかもしれません。
http://forbesjapan.com/summary/2014-12/post_1253.html
それは、貧乏で農薬を買えなかった、ということかもしれません。
昭和30年代、農薬を使うことは新しい時代の幕開け、でした。
それに乗ることが出来た農家は、まあわりと御殿のような家に住むことができました
・・・・奇跡のリンゴ の木村秋則さんがその著で書いておられるように、農薬を使わない農家は、貧乏のどん底に落とされることも少なくなかったようです。
いわば、悪い連鎖が貧困と農薬の間に在ったんでしょうね。
それでも、母の口癖
『農薬は、どうも好かん。気持ち悪くなる』
という動物的感覚もあいまって、使用を避けることができたのかもしれません。
ひとつ気になるデータがあります。
佐賀県が作成したデータだったと思いますが、かつてのミカンどころだった佐賀県で、ミカン農家が農薬を使い始めてからの農薬使用量と、農家で発生する異常分娩の推移の相関図です。
農薬を使い始めると、その量の増加に比例して農家の異常分娩が、見事におなじペースで増え続けています。
もしかしたら、その怖さを両親とも肌で感じ取っていたのかも。
一昨年他界した父が生前口癖としていたのは、
土がだめになったらすべてがダメになる
という一言です。
この場合、土には微生物や様々な植物の種子が存在するのですべての根本だ、という意味です。
この言葉を、高度成長真っ只中の昭和40年代初めには言っていたことを思うと、
それなりに考えていたんだろうなあ、と思いますし、いやはや、どうりで変人として周りから扱われていたわけですよ・・・・・
この時代は、合成洗剤一辺倒の流れから脱してたった5人で石鹸を作り始めた『シャボン玉せっけん』の天然石鹸としての創業期と一致します。
つまり、今でこそ見直される価値観を持った人間が変わり者として存在した時代だったんでしょうね。
その父の実家には、推定樹齢200年ちかいアベマキとヤマモモが数本あります。
木なんて邪魔なだけだ、と、屋敷林がどんどん切られてゆく中で残った、いまでは貴重な屋敷林です。
案外、そうした自然の風景が父の心象風景にあって、そしてそれが農薬を遠ざけていたのかもしれません。
すみません、取りとめもない内容になりましたが、
農薬に肌で危険性を感じる人たち
増えてほしいです。