こんばんは、ミチコです。


過去記事でイイネとフォローして下さった方、本当にありがとうございます!


公開当初からずっと目をつけていた映画「窓ぎわのトットちゃん」を観てきました!




参照先:公式のXとInstagram
(閲覧日:2024/01/27)
URLは文字数の関係で省略します。

以降画像は同参照


終演間近の滑り込みセーフ!


せっかくなので、ブログで感想を語ろうと思いますチュー


⚠️映画「窓ぎわのトットちゃん」のネタバレにご注意下さい。



映画感想の前に…… 


私は高校生位まで黒柳徹子さんを、世界不思議発見と徹子の部屋での活動しか知らなかったので、タレントだと思っていました。




その後、母から黒柳徹子さんは、女優であり、TV司会やユニセフでの活動など、芸能活動や福祉活動に大きく貢献している方だと聞きましたびっくり


また、彼女が発達障害を持つ(自身の著書で告白)成功者であると母は続けました


映画「窓ぎわのトットちゃん」は、映画館で置いてあったビラで公開前から存在は知っていましたが、原作は知りませんでした。


(映画公開の話を母に振ると、なんと母は原作本を持っていましたびっくり)


そんな中、この映画は非常に評判が良いとの情報をキャッチウインク


せっかくなので、予告編も一切見ずに内容を知らない状態で鑑賞をしました。



今の時代だからこその映画 


あー楽しかった!で終わらない、考えさせられる作品でした。


感動よりも悲しさで、かなり泣きましたえーん


これが実話だと思うとより泣けてきます。



このお話の前提から。


映画「窓ぎわのトットちゃん」は、今から約80年前の第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景にした、黒柳徹子さんの幼少期を描いた作品です。


初めは明るい日常、それがだんだん雲行きが怪しくなっていき、そして、このお話は疎開するシーンで終わります。


ここで終わりなのか……


それが映画を見終わって最初に思った感想です。


黒柳徹子さんの人生が続いていくのは分かっています。


そして成功者としての体験もあるはずです。


しかし、ハッピーエンドという終わり方ではありませんでした。


それが、作られた物語ではなく、黒柳徹子さんの経験に基づく、リアルな物語であるとより感じます。


そしてこの物語の先、黒柳徹子さんがどの様な人生を歩んできたのか気になる作品でもありました。



この作品が今の時代だからこその映画と思ったのは、「戦争」と「ポリティカルコレクトネス(通称ポリコレ)」の二つの主軸を感じれたからです。


先ず「戦争」について。


戦争の足音を表現する手法は素晴らしかったです。


一番分かりやすかったのはトットちゃんの両親です。


物語の序盤、母親は華やかで高級なワンピースやお洒落な色鮮やかな洋服を着ていました。




それが徐々に暗い色になり、最後は野暮ったい服になっていきました。


また母親の顔は、ふっくらと健康的で若々しかったのですが、物語の最後では痩せこけて、時間経過以上にやつれていました。


父親は有名なオーケストラのヴァイオリニストで、コンサートマスターでした。




そして、稼ぎが良かったのか、序盤はとても裕福な家で、幸せな家族生活が描かれています。


しかし、戦争の足音が大きくなるにつれて、職が無くなったのか家にいる様になり、最後のシーンでは一切出て来ず、どうなったのか語られずに終了します。


それから、学校の様子や街の様子からも徐々に戦争に向かう恐ろしさが分かります。


トットちゃんが通学する電車で、毎日挨拶する駅員のおじさんがいました。



ある日、その駅員のおじさんが女性に代わります。


また、学校では「海の物と山の物を持って来たか?」と聞き、足りない子供には食べ物を追加して、海の食べ物と山の食べ物を両方食べられる様に配給していました。



しかし、戦争が本格化すると、それもなくなります。


そして、トットちゃんのお弁当が質素な物になり、最後には卵ボーロの様なほんの少しの食べ物になります。


さらに、元気よく響いていた歌が聞こえなくなり、好きな絵を描いていたのが、軍隊の絵一色になります。



映画では、空襲の様子が描かれて、大切な学校が崩壊はしてしまいますが、直接の戦闘シーンはありません。


しかし、身近であるものがちょっとずつ変わっていく様は、恐ろしくて、民間人から見た戦争の悲惨さを表現しています。



次はもう一つの主軸である「ポリコレ」について。


ポリティカルコレクトネス、通称ポリコレとは、差別的な表現を排除し、中立的な表情を用いる事を言います。


近年ではアニメや漫画、ゲーム等でも話題になっています。


特に最近、ポリコレを意識するあまり、評判を落としてしまっているのがディズニー作品です。


ここでは具体的な作品や内容について控えますが、ディズニー作品のポリコレ配慮は押しつけがましさがある為、「夢を見る」魔法にかからず無理が生じてしまい、物語として破綻してしまう結果となりました。


しかし、映画「窓ぎわのトットちゃん」は違います。


トモエ学園では、それこそ色々なハンデを抱えた子供や様々な個性を持った子供達が登場します。




しかし、当然ながら実話なので、無理が全くありません。


ハンデを背負った子供達が、他の学校の子供達に虐げられるシーンもあります。



子供達がハンデを負い目に思うシーンも描かれていました。



ハンデを背負った子供達の苦悩を真っ向から描くと同時に、それでも逞しく元気に過ごす子供達、それをフォローする大人の姿を描いています。


私はこの映画を観て、この作品に出てくるハンデを背負った子供が、可哀想で泣けてくる……なんて事は全く思いませんでした。


だからこそ、この映画が真の「ポリコレ」作品だと思えました。





世界的には戦争が勃発していますが、日本では戦争体験者が減っている現代と、ポリコレが大切であると言う風潮が広まりつつあるこの時代。


今の時代に上映される意味がある作品だと感じました。



アニメーションの力の見せ所 


この映画は実話で原作小説がある作品なので、基本的なストーリーが決まっています。


それをどの様に表現するか、それがこの映画で力を入れた所かなと思いました。


私がこの映画で一番好きなシーンは、トットちゃんが初めて教室に入って机に座ったシーンです。


すごく嬉しそうに机を撫でて、頬を擦り付ける仕草。



ただそれだけの、なんて事ない仕草なのに、映像だけでトットちゃんの気持ちがとても伝わってきました。


このシーンを見た時、この映画のアニメーションは他の作品には無い素晴らしさがあると思いました。


そして、アニメーションの感動ポイントは続きます。


イラストの使い分けをしており、気合いの入ったアニメーションだと感じました✨


基本は私好みの、柔らかい色合いのテイストの表現です。




しかし、トットちゃんが学校の電車で冒険する空想シーン、



友達の男の子がプールに入った時の、彼の気持ちを表すシーン、




トットちゃんと男の子が雨の中をはしゃぐ時のネオンが灯るシーン、





男の子と約束をして別れた後のトットちゃんの夢の中のシーンでは、




どれもテイストが全く異なるイラストで、一発で空想の世界観だと分かる上に、その時の感情が伝わってくる様な、観ていて飽きないとても素晴らしい表現でした照れ



そして、洋服で様々な情景を表す工夫も感じられました爆笑

母親の服装は既に述べた通りですが、子供達の服装も個性を表現していました。

トモエ学園の前の学校では、トットちゃんは明るい服を着ていましたが、他の子供は似た様な暗い服を着ていました。



これは、トットちゃんを目立たせる効果と、個性の無さを表しているのかなと思いました。

一方、トモエ学園の子供達は違いました。




勿論トットちゃんが一番目立ちますが、色とりどりで、自由を象徴する様に、視覚的に差を出している表現かなと感じました。

あと、やたらと洋服の破れや、



汚れに注目や取り上げているシーンが多かったです。



そして、洋服が変わる事も良かったです。



のび太君の様にずっと同じ服を着ていないので、ノンフィクション感が良く現れました。



映画ならではの良さが際立つ音楽 


劇中曲や劇中歌が非常に良かったですおねがい


子供達が歌う歌や学校でのピアノの音を劇中歌としてうまく取り入れているので、無理矢理感が無く、BGMにもならずに非常に良かったです。




また、トットちゃんの父親がヴァイオリニストである事も活きていました。



劇中で流れるオーケストラは素晴らしく、映画館で聞いて良かったと思いました。



映画鑑賞後に調べた所、NHK交響楽団が演奏していました。




そして、自分のヴァイオリンで軍歌を弾きたくないと言った父親に、理解を示す母親とトットちゃん。

それよりも前に描かれた家族愛溢れるシーンの数々と合間って、より一層の感動を誘う演奏となりました。

ご覧頂き、ありがとうございました。

ではでは、また次回も是非お越し下さい!