入院生活が続く中、私はずっと入院したままの母をなんとか一度自宅に帰してあげたい気持ちが強かった。


ちょうど冬休みに入り、子供たち3人を連れて実家に帰省してきたのでこのタイミングなら母を家に連れて帰れるんじゃないかと考えた。


そして私は母に、家に帰りたいか?と聞いた。

母は


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そりゃ帰りたいよ!帰れるの?


と答えた。


私は医師に、在宅酸素を借りて外泊できないか質問することにした。

医師は、今の状態での外泊は少し心配のようだったが娘が看護師ということで許可をだしてくれた。

母はとても喜び、外泊を心待ちに毎日治療を頑張っていた。

毎日のように


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今、孫たちがかえってきてるの!

今度久しぶりに家に帰るの。
楽しみ!
娘は看護師だから安心なの(^^)


と、医師や看護師に嬉しそうに話していたようだった。


外泊は2泊の希望を出したが、
1泊しか許可が出なかった。

それほど母の癌は日に日に進行していて
油断できない状態だった。

時々胸水もたまるので、胸水をぬく処置をしてもらっていた。

胸水をぬくと、一時的に楽になったと喜んでいたが、またすぐ貯まり、一喜一憂の日々だった。


そして年末年始を母に一緒に過ごしたいと希望し、2018年12月31日私たち家族は母を自宅に連れて帰ることにした。


これが、私たちが母と過ごした最後の夜だった。