―前回からの続き― (重複あり)
はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、赤子鳴いてもふたとるな
九尺二件に過ぎたるものは、紅のついたる火吹き竹
どうやらご飯が炊けました。
私一人のものじゃない。日本だけのものでもない。アメリカ中の人たちにも、もはや受け入れられた人、どうぞ御身を大切に、と、作る料理に心がこもる。
そのうちイチロー起きてくる。我が愛しのご主人様にと料理作りにいそしむ妻に、感謝の気持ちと愛情がイチローの中に満ちてくる、そんな気持ちを察してか、「ご主人さまよ、旦那様、私があなたにかしづくその時に、お母さまより言われたる、『あなたが仕えるあの人は、日本中の希望の星よ、決してお邪魔にならぬよう、骨身削るをいとわずにお尽くしください、弓子さん』。
今日はあなたの晴れ舞台、日本中がアメリカ中が、いいえ世界の注目が、あなたに注がれおりますのよ、今日の一日は野球だけ、あの大観衆の渦のなか、想像ください、あなたの雄姿、そのことだけをかんがえて、私のことはおわすれに」、と、口でいさめてみるものの、目は訴えますOKと、女心はミステリー。
気分すっきりイチローが、東の空を見上げれば、五丈六尺櫓の上で、どどんかどんと打ち出す櫓太鼓にひかされて、アメリカ中から日本から、ヨーロッパからアジアから、続々集まる人の波。
「今日の試合、たとえ女房質に入れてでも、見なきゃならんわ、のう、ボブよ。シアトルっ子のメンツにかけて」「ほんまや、ほんまや、見なあかん。みんだらシアトルの名折れや、名折れや」
アメリカの大阪もんもやってきた。いやはや、まったくやかましい。
さあ時間。行ってらしゃい旦那さま。今日一日の安全祈願、カチカチカチと火打石、打って見送る弓子の顔は、晴れがましくも疲れ気味。
球場入りてのイチローの晴れの姿は皆様よ、すでに十分ご存じだ。後半戦も始まりました。・・・・・に続く
(おことわり)
これらはすべてブログ主の勝手な妄想による作文であります