犬好きの私には偶然入ったホテル近くのカフェに置いてあったこのパンフレットがすぐに目につきました。

タイでは犬が路上にゴロゴロいて、時には寂しそうにちょっと離れたところから、食事中の私達を見ていたりします。

毎回悲しい気持ちになるんだけど、このパンフレットを見て、ここでもわんちゃん、ねこちゃんの保護活動をしている団体があるんだ!って嬉しくなって行ってみたらびっくり👀のお話です。

早速宿に戻って場所を検索してみたら、近いし、無料見学ツアーもあるって書いてあります。

たまたま翌日に得意の路線バスを乗り継いでカオラック(Khao Lak)というプーケットから1時間くらい北の海岸沿いの町に移動する予定だったので、即、寄り道ができるタクシーに予定変更です。

普段はせこーい私ですが、わんちゃんのためならお金も使うのであります。

さて、到着した施設の入り口の写真は撮り忘れたけれど、かなり広大な敷地です。

最初にパソコンで自分たちの情報や目的などを入力してから、南米からふらっと来てもう6年間ここの仕事をしていらっしゃるというスタッフ(シルビアさんだったかな?)から説明を受けながら施設を見学します。

日本にもたくさんあるNPO法人のひとつのような施設だと思ってたら、ものすごく大きな民間の財団でした。


全身のみならず刈り上げ頭にまで、くまなくタトゥーだらけのお姉さんは見た目怖め😱でしたが、すごく優しい人でした。

ちなみに彼女の足元にあるケージは2014年まで、タイで捕獲された大量の野良犬達がぎゅうぎゅうに押し込められていたケージで、理由は食用肉としてベトナムに売るためでした。

この団体の働きかけにより今は法律で禁止されています。

この団体はお仕事を早期退職してプーケットに移り住んだイギリス人夫婦により2003年に設立されました。

その翌年にたくさんの方が亡くなったスマトラ島沖地震によるインド洋大津波や、奥さんのジルさんの敗血症(犬保護活動中に感染)による両足切断などのアクシデントがあったにも関わらず2023年現在までに、なんと100万頭以上の犬猫に避妊去勢手術を行ってきたといいます。

これまでの彼らの活動において現在はタイ全土の約80%の犬が避妊去勢手術とワクチン接種済だそうです。

なので最近は猫の保護が断然増えているそうです。

SOIDOGはアジア最大規模の病院併設の施設で、現在約800匹超の犬猫が保護されています。

そして、彼らの活動はタイだけにとどまらず、アジア各国に拡大されつつあるのです。

色々な場所から運び込まれた犬猫達は最初に健康診断を受けてから避妊去勢手術、ワクチン接種を受け、身体的に問題がない個体は保護した場所に戻されますが、怪我や皮膚病など何らかの治療が必要な個体は施設に残り回復してから里親を募集します。

里親を待つ間、わんちゃん達は体重や性格などを慎重に考慮され、いくつかの犬舎に振り分けられます。

お散歩用の広いお庭もあります。

約75名のスタッフがいますが、全ての犬の散歩は出来ないので、常時ボランティアさんを募集しています。

以前日本人の遠藤みどりさんという方が1週間ほど来て下さいましたと聞きました。

機会があったらお会いしてみたいです。

途中から見学希望者がどんどん増えてきました。

フィンランド、デンマーク、シンガポールなど世界中からいらっしゃってます。

こういう場所は、お子さん連れなら最高の教育施設だと思います。

入所者(?)のほとんどは治療が必要な患者さんなので、この子のように歩けない子もいれば、3本足で飛び跳ねてる子、皮膚病治療のため毛を剃られている子、目の病気治療のため眼球摘出されてじっとしている子など様々です。

施設内の木陰が心地よい一角に、この財団を立ち上げたイギリス人のジルさんの銅像がありました。

彼女は2017年にガンで亡くなりましたが2020年にMBA(大英帝国勲章)を授与されています。

彼女が抱いているクリスティポロという名の犬は餓死寸前に彼女が保護し、今もイギリスの家庭で元気に生きているそうです。

そして彼女の左足にじゃれているコーラという名前の犬は生後まもなく隣家の住人の靴を噛んだ罰として、刃物で両手を切られましたが、ジルに保護されて、再び人間を信頼できる犬に変わり、この施設で最初に義足(義手)を付けてもらった犬になったそうです。

もう話を聞いてるだけで涙が止まらず大変でした。

中型犬が集まっている犬舎です。

中には喧嘩っぱやい子もいますが、監視カメラで24時間チェックしているので問題はないそうです。

チビ犬達のお部屋です。

たまたま私、サンドレスみたいなのを着て行っちゃって、バッグのベルトもぶらぶらしてるし、大失敗!

ヒラヒラ、ぶらぶら揺れる物を見たら、そりゃあ引っ張りたいよね。(笑)

ついつい連れて帰りたくなる気持ちをグッと抑えます。

みんな元気そうに見えるけど、よく見ると治療されている子が多いです。

こちらは小型犬の犬舎です。

タイの野良犬(ちゃんと飼い主がいたりする)はだいたい15〜20kgの中型犬がほとんどですが、日本で人気の小型犬もたくさんいるのですね。

みんなそれぞれの理由でここに連れてこられているんでしょうけど、君たちはこっちに来ることができて良かったね💕︎

最後に猫ちゃんのお部屋にもお邪魔しました。

病気治療中でお薬投与の時間だったようです。

SOI DOGのSoiはタイ語で小さい道、つまり路地です。

路地犬、つまり家のない犬という意味です。

犬だって、猫だって、人間と同じようにどこで生まれようが、幸せな犬生、猫生を全うする権利があるのです。

彼らが頼れるのは人間しかいないのです。

そう、この子達は人間によってケアされるべき愛玩動物なのです。

人間がこの子達の責任を放棄しちゃったらいったい誰が責任を取ってくれるというのでしょうか❓

1時間くらいで一連のツアーが終了しましたが、寄付を要請するようなお話は全くありませんでした。

連れて来てくれたタクシーの運転手さんが待っているので急いで、

夫用のランニングシャツとウオーターボトルを買って施設を後にしました。

金銭的には微々たる額かも知れませんが、SOIDOGの商品を購入し、ちょこっと寄付もして、犬や猫が人と共に「生きること」について多くを学ばせていただいた一日になりました。

家でお留守番している元保護犬達に早く会いたいな〜