イスタンブールもアテネもすっ飛ばして、たくさん飛行機を乗り継いで到着したのはトルコにほど近くエーゲ海に浮かぶ面積843km2人口5万人のヒオス島という島です。

何でここ?と言うと、行先選びのためにネットサーフィン検索中にすごい情報をゲットしちゃったからなのです。

そういえばずっと前に確か「イッテQ」で見たことあるかも!? 毎年復活祭(イースター)の前夜の深夜から未明にかけて行われる有名な「ロケット花火祭り」とか。

やったー!飛行機を乗り継いで行けば2023年に行われる4月15日に間に合っちゃうじゃないですか!

宿泊も特にハイシーズン料金でもなくお手頃価格で予約でき、週末なら島内バス移動も難しいらしいというので車より安かったバイクもネット予約しておいたので準備万端です。

フライト疲れと時差ボケのせいでぐっすり眠った翌日、早速明るいうちに火祭りが行われるヴロンタドスという町に下見に行きました。

曇り空で気温16℃くらいですが、風が冷たいです。

皆さんしっかり着込んでますが、冬服を持ってきてない私たちは薄手の下着やシャツ類を重ね着してから薄手のジャケットで着膨れしています。笑

ちょっと高台から見えるキレイな聖マルコ教会と、

谷を挟んで400mほど離れていて中央右よりに見える同じ町のパナギア・ エリツァーニ教会がお祭りの舞台です。

それぞれの教徒たちが反目し合い、それぞれの鐘楼をめがけてロケット花火を打ち合うというちょっと私たちには意味がわかりませんが、遥か昔のオスマン帝国の時代からあって、以前は花火ではなく大砲を撃ち合っていたというのは驚きでしかありません。

レンタルバイク屋さんはこの日だけは島がとても混雑する事、警察官がたくさん街に出ている事などから、安全第一で必ずヘルメットを着用し、ゆっくり走行しなさいと繰り返し説明してくれました。

英語ではRocket Warと言いますが、それは夜11時スタートらしいのですが、良い場所を見つけるためには1、2時間前に陣取るといいよ、と宿のおじさんのアドバイスにしたがって夜9時頃から活動開始です。

車ではなくバイクを借りたのは大正解でした。

協会⛪️の周りは細い路地がいっぱいの住宅街で住民以外の車は入れず、みんな大通りに駐車してからゾロゾロ歩いてます。

辿り着いた聖マルコ教会の周りはロケット花火から守るために金網でしっかり保護されています。

思ったほど人は多くないです。

まだまだ始まってないはずなのに頭上にいっぱい飛んできます。

驚いて安全地帯に走ったらオーストラリアから来たというお兄さんがくっついてきました。笑

いつの間にか3人行動になり本格的に始まる前に発射台付近に行ってみます。

何が何だかよく分かりませんが、ちょっとありえない風景です。

見ているだけでも大量の火の粉と煙がすごくてまともに立っていられません。

その上、ロケット花火だけじゃなく、轟音が響く爆竹の大きいのみたいなのが、周りの民家からもボンボン上がり、人々は興奮し、ペットの犬たちは恐怖の叫びをあげ、まさにカオス状態です。

観客の中には地元の子供達もたくさんいて盛り上がっています。

よく見ると5、6才の小さな男の子が大人に手を引かれてロケット花火に着火体験までしてます。

女の子の子の集団に持っていた飴を配ったら日本人に会った記念に食べないで取っとくって、のど飴なのに💦

私たちは火遊びするとおねしょするからやめなさい!と不思議なお説教をされた昭和の人間ですが、ここヒオス島では常識が違うみたいです。(笑)

地元の人に聞くと10:30から30分「休戦」するのでその間に移動するといいよ。と教えてくれました。


こんな爆音の中人々は教会に入り復活祭のミサが厳かに始まるのです。

ミサが終わったあとに中を見せてもらいました。



ロケット花火だけじゃなく、普通の花火もそこかしこから絶え間なく上がります。

日付が変わった頃、教会のお祈りの鐘と歌とロケット花火の音がピークに差し掛かりいったいいつ終わるのぉ?


さすがに寒さもピークに来て人々が帰り始めたときにその悲劇が起こりました。

ロケット花火の1本がなぜか私の右足首近くに命中!

ぎゃああああ!!!!

幸い火🔥が付いてる方じゃなく棒っこ側が当たったのですが、パニックの私は痛みと恐怖で逃げ回り、周りにいたお姉さんがライト🔦で傷口を確認してくれました。

大した事ではないようでやっと私も落ち着いて、でも激しく痛いし💦念のため待機していた救急車に助けを求めます。

日本でも乗った事が無いのに、ギリシャで救急車(笑)



救急救命士のおじさん(多分)が優しく消毒して包帯を巻いてくれました。

傷口の応急処置はしたけど、ぱっくり切れているので明日になっても塞がらなかったら病院で2針ほど縫ってもらったらいいよ。ってうそでしょう??

お礼に私が彫った日本とギリシャの国旗デザインのチャームをあげたらめちゃくちゃ喜んでくれました。

ちなみに傷口はすぐに塞がり病院行きは免れました。

翌朝ロケットの残骸を確認しに行きました。

かわいそうに大量の松ぼっくりも被害に。


⬆️これこれ!私に向かって来たヤツ!

ヒオス島のロケット花火祭りは本当に危険ですよ〜

後で調べたらロケット花火の本数が年々増加して危険なので、ここ数年は規模を減少させていたと言うのですが、いやあ、とても楽しくて、危険な体験でした。

この後も旅を続けられることに感謝感謝です。