今日は、すこぶる上天気。
こんな日は、キックペダルを踏み下ろし、
エンジンに火を入れる。
初冬の寒風に身をさらし、岬を目指す。
岬の灯台裏の浜の外れ、
花崗岩の大岩に身をまかす。
水平線の向こうから
コバルトブルー、セルリアンブルー、エメラルドグリーンの
諧調で波が寄せ、浜で泡に消える。
日がな一日、波の音の静寂に溺れ、
いつか、日は傾き、金波、銀波に浜があふれ出す。
ついに、日は没し、
空はトパーズ、アメジスト、サファイアに暮れる。
ラピスラズリが黒曜石となるころ、
プラチナの月は中天に。
そして、宙に消える。
そんな1日は、死ぬには良い日。