一応見ておきました。
映画としては、よくできていたし、見てみたらとお勧めはできるのですが。
映画館では、若い女子がポロポロ泣いていて、「泣ける話なの?」と違和感があった。
職場で若い子で見て、感動しましたと、無邪気に言われて「?」な感じ。
いやいや、これそんなに感動、お涙頂戴の映画ですか?
私自身は、今回の映画で父母がゾロアスター教徒で、ザンジバル生れ であることを知りました。
難民状態で、イギリスにたどりついた父母を持つイギリス国籍を持つものの生きづらさ。
その上に、ゲイであることの意味あいを考えると、どうみても体制側の人間ではありません。
ロックン・ロールという音楽ジャンルは、基本的に反体制なものと思っています。
体制にどっぷりなロックミュージックなんて、ロックじゃないでしょうなので。
アウトサイダーのフレディーが、ロックスターとしてメジャーとなっていく一方で、
ツアー と どんちゃん騒ぎ の一方で、
錆のようにたまる疲労、メンバー間の軋轢、
挙句に、薬物 と 性的放縦。
ロックは、プロテストソングであり、ティーンエイジャーミュージック の側面は否めない。
その祝祭の中で、ロックスター は自らを生贄に捧げる構図。
何度繰り返されてきているのだろう。
そうとしか生きられなかった者の、それでも命を燃やし尽くすことを求める観客。
それ故に輝く光。
ロックミュージックの特殊性、あの時代の空気、
それらをすっとばかした、感動映画 的なとらえ方は、居心地が悪いのです。
ありゃーーどうしようもない奴だけどさ、、、
でも、歌は凄いんだよ、ついに死んじゃったけどさ、、らしいんだよ。
それが、フレディーなんだよ。
と、年寄は思うのです。
ジム・モリソン、 ジミ・ヘンドリックス、 ジャニス・ジョップリン、 マーク・ボラン、 カート・コバーン、
墓碑銘を思いながら。
ちなみに、バンド・エイド 自体、ロックミュージシャン が? って微妙な気分でした。
WE ARE THE WORLD 嫌いやったし。
歌謡曲なので、売れてなんぼなのですが、その一方で”魂”を求められるジャンルでしたから。
今は、ロックもそうじゃなくなっているのでしょうし。
まあ、そんなことは若い人は知ったことじゃなくて、映画の作りに忠実に反応しているのでしょうが、
そうして、消費されていくのだなあ、、、と思うと、、、。老兵は去るのみなのでしょうか、、。