風の盆恋歌/高橋治 | のろのろ読書

風の盆恋歌/高橋治

風の盆

なんだか久々の恋愛もの。

OL時代からの友人絶賛につき仲間内で回し読み中の小説です。
学生運動全盛期をともに過ごした男女が時を超えて
互いの気持ちを確認し、しかしながらその気持ちを抑えに抑え、
年に一度「風の盆」の数日だけ
若い頃交わせなかった気持ちを存分にあふれさせる
切ない切ないお話です。

だれしも
「あの時の言葉はそういう意味でいったんじゃないのよ!」
とか
「あなたはあの時どう思っていたの?」
とか
タイムマシンに乗って行って
言い直したいこと、聞き直したいことってある・・・
この主人公のえり子は何十年もたってそれを全部やりのけてしまった。
実にすっきりなはず!!
そりゃ不倫だのなんだので苦しいだろうけど
積年の思いがかなえば、若返りもするわよね・・・
えり子と都築が結ばれようとすると必ず廻りに傷つく人がいる。
それは学生の頃も、熟年になっても相変わらずで
そういうご縁の組み合わせってあるんでしょうね。
「結婚した人は一番好きな人ではないけど決して不幸ではなかった」
と言っているえり子さん。
思いはかなわずとも無難な人生を送るか
不幸になってでも思いを叶えるか・・・どっちが満足度高いかしら? 
失楽園的な不倫モノはホントは苦手なのですが
この物語はちょっと別な気がしました。

この作者は映画監督もされた方で、富山県のお祭り「風の盆」に
相当熱をあげていたらしく、美しい映像が浮かびそうな程
詳しく祭りの風景を描写しています。
恋心がわかる脇役のおばあちゃんがいい味を出しているあたり
映画的な演出だなと思います。
どんな映画をとった人なんだろう・・・、と
検索してみたら、あらびっくり。
俳優さんだったという私の元ボスのお父上が
登場する映画の監督さんでした。
すごい遠いけどちょっとつながって嬉しいにひひ