ついに約3年間使ってきた仕事用リュックがその生涯を終えた。
もはや元の形状が曖昧。

かなりしっかりとした作りだったと思うのだが。
酷使に次ぐ酷使によりその輪郭を失ってしまったノースフェイスのバイトシリーズ。

その大容量と耐久性でこの3年間を耐え抜いてくれた。

最期はファスナーが逝き、表面のコーティングも映画『ダイハード』シリーズ、終盤のブルースウィリスのようになってしまった。
(大体服も身体もズタボロ)

よく働いてくれたと思う。
ノースフェイスの使い心地、取り回しの良さは忘れない。

あわよくば次もノースフェイスでと思ったのだが、ここで一つ季節が僕に語りかける。

冬です…
スーツにコート…
リュックは見栄えが少し劣ります…
ブリーフケースタイプを…
選ぶのです…

そうなのだ。
僕がスーツに合わせて着ているコートは後ろに謎の紐が装備されている。
(使い方不明)

それがリュックに絡んでくるのだ。
完全に輩である。

両手を空けることにこだわってきた僕もそのストレスの小さな積み重ねには思うところがあった。

何よりブリーフケースタイプでも大体はショルダー互換の肩掛け紐がついてくるので両手が空くではないか。
(本末転倒)

今回はリュックではなく、ブリーフケースタイプでいこう。
しかしノースフェイスはそうなると少しパンチが弱い。

アウトドアメーカーのリュックという強固なアイデンティティに価値を見出していたわけだから、ブリーフケースタイプとなるとやや簡素さが目立ってしまう。

一体何を買えばいいのだろうか…

一度基本に立ち返ってみよう。
自身が長い時間を共にする物を選ぶ際に大切にする要素は何か。

圧倒的な要素が一つあるではないか!
そう!

『耐久性』

これ以外にないではないか。
過去にもその点は財布で散々言及してきた。


ルイヴィトンは超高級ビニールプールなわけだから、それはそれはもう壊れない。


中性洗剤で洗えるというもはや財布とは思えない耐久性。

もう皿じゃん。
食洗機かけれるじゃん。

仕事用のカバンにも同じような耐久性を求めたい。
それと同時に財布同様、使っていてもある程度ナメられない、それでいてユーザー層も多い
『あーそれいいよねー!』
この程度の空気感を醸し出すことで場を乱さないブランドをチョイスしたい。

プライベートに関しては攻めの姿勢を追求する僕だが、仕事に関しては波風をたてずトコトン平和に凪で生きていきたいタイプなのでそのあたりの空気感は大切にする。
(目立ちたくない)

そうして悩みに悩んで購入したのがこれだ。
背伸びしちゃった…
(お小遣い制限界突破)

知る人ぞ知るビジネスバッグブランドTUMI。
今まで僕はTUMIに対してこう思っていた。
『仕事カバンの分際で高くね…』
(悪意の塊)

TUMIは基本僕がそこまで重要視していない仕事に使うカバンでありながら10万近い金額を叩き出し、その10万を稼ぐのにどれだけの苦労があるのかという現実に直面させる、携えるだけで精神的疲労が溜まる呪いの装備のようなものなのだ。

そう思っていた時期が僕にもありました。
(余裕の笑み)

基本縁を見出せていなかった価格設定のTUMIだが、たまたまアウトレットで見かけた時に思った。

『TUMIってアウトレットだといくらぐらいになるんだろう?』

この時点で買う気はない。
価格設定に興味があるだけである。

興味には逆らわず従うがモットーなので入店する。

すると店員が話しかけてくるではないか。

店員
『本日は何かお探しですか?』

『ビジネスバッグを探しているのですが、耐久性あって使うのに楽なものとかありますかね?』

店員
『定番人気ラインだとうちは防弾チョッキにも使われるような素材を使っているので…』

『ぼぼぼぼぼ防弾チョッキ?!』

この時点で僕は冷静さを保っていない。
すごく欲しい要素が出てきてしまった。
中性洗剤で洗える財布の次は銃弾さえ通さないカバンである。
(振り切れる誤解のベクトル)

もう頭の中は防弾チョッキでいっぱいになっている。

『防弾チョッキですか(笑)』

もはや僕の満面の笑みすら変態のそれでしかない。
デュフデュフ言っていたと思う。
耐久性オタクという新ジャンルの扉が開く音が聞こえた。

店員
『そうなんですよー!だから耐久性高いですし、10年とかだったら普通に使えると思いますよ!』

えっ。
10年いけるの?
ノースフェイスも耐久性がウリだったけど3年で力尽きたよ?
でもこれ10年いけるの?

ここで初めて価格を見る。
7万近くしていたが、アウトレット価格で5万近くまで値下げされていた。

10年使えるなら1年で5000円じゃん。
安物じゃん。
(錯乱)

ノースフェイスに換算しても10年の間に3回は買うことになるわけだから、7万近くはかかるだろう。

もうTUMI10年使った方が安いじゃん。

ものすごい速さで脳が計算をしていたがその周りをずっと回っているのは防弾チョッキというワードのみである。

もう一周回って武器じゃん。
防具超えてるじゃん。
物騒な世の中だ。
カバンも多少の銃弾は通さないぐらいがいいだろう。
いざというときに構えて突進しても強いと思う。
カバンであったとしても男の子的には戦闘力が低いよりも高い方がいい。

気付くと僕はレジすら終え自宅にて新品ほやほやの防弾チョッキを開封していた。
スタイリッシュな防弾チョッキ。

ポケットが多いのが気に入った。
A型のお手本のような僕だ。
決まった位置に決まった物を決まった向きで揃えて入れたい。

このポケットの多さは整理整頓欲を大変に刺激し、どこに何を入れてやろうという想像力をかき立ててきてとても楽しい。
裏面にも収納スペースが。

とにかく入れられる部分が細かくたくさんあっていい。
こういう細かい仕分けに喜びを感じるのがA型の生態だ。

そしてTUMIといえばこれだろう。
TUMIのアイデンティティ。

この四角いタグがついているとそれはもうTUMIに他ならない。

この四角いタグのことをTUMIと呼ぶ。
TUMIは概念。
逆にこの四角いタグがないものはTUMIではない。
TUMIの概念を失っているのだから。

しかし僕が注目してほしいのはこんなタグではなく、生地の強そうな感じのみだ。
(ハリがすごい)

そして収納スペースも見ていこう。
手前の中でさえこのポケット数。

むしろ細かすぎるポケットには何を入れればいいのだろうか。
今のところミンティアとクリップぐらいしか思い浮かんでいない。
(一箇所あるあまりに小さなポケット)

仕分けのしがいがありそうで大変よろしい。
そしてメインの荷室がこれだ。
ここもまたポケットが…
そして広い!

余裕持ってサウナセットとか入れられそう!
(当たり前のように仕事度外視)

一応肩掛けの紐も連携しておいたので、様子を見ながら使っていこうと思う。

リュック通勤が長かったので違和感については不安だが、きっといいカバンに違いない。

唯一の不満はこのカバンが中性洗剤で洗えないことだけだ。
(ルイヴィトンという皿)