畑と市場を結ぶ道で通行困難なところは自分達で直し、作った園芸作物をより多く市場へ出せるようにしよう、運送費を低減させたいというねらいがある。
①園芸作物生産からの収入を向上させたいと活動する事業対象農家グループが、市場へのアクセスで問題となっている箇所を地方自治体が認識する仕組、
②そして地方自治体が安価で有効な対応(農家グループやコミュニティの動員、適切な改良方法(道路排水処理、土のう工法)の提案、必要資材の調達、実施)を取れる体制
に導くことが課題だ。
地方自治体所属の農業土木技術者が、適切な改良法提案から実施までできるようになっているか、確認のためのデモを行った。

農業土木技術者から、対象箇所の様子、対応策について説明を受ける。谷筋に続く緩やかな勾配の未舗装道路の深い路面浸食のある部分が対象となった。

次の日、農業土木技術者が普及員とともに、測量をしながら必要資機材量を算出する。地域の方への聞取りから、主な交通はバイクや乗用車程度らしい。

ある箇所では谷側に地すべりがあって、道路幅員が狭くなっていた。この箇所のために、7トン車クラスのトラックが通れなくなっていた。

約4m下の原地盤から土のうを積んで擁壁を作り、幅員を広げることにした。地すべりあとのゆるい土を取り除き、斜面を段々状に整形した様子。


土のう積、締固め、近くの山斜面を削って得た土砂の運搬、裏込め、裏込めの締固め、と作業を繰り返す。1メートルの高さで踊り場をつくり、また土のうを積む。路面の高さまで、十分な幅員が確保されるよう土のう壁の設置を目指す。
村人のやる気、地方自治体農業セクター職員のがんばりで日没まで作業が続けられ、ほぼ完成した。