理事長で京都大学木村亮教授が、ABE initiativeで日本で勉強する留学生に途上国における未舗装道路整備に関する講義をしたところ、ルワンダからの留学生が大いに関心を示した。
そこで、出身国ルワンダで、彼の現地でのネットワークを活かしNPO自己資金事業として、ワークショップ、デモを行った。2014年の10月のことである。

2014年10月道路整備前の様子

デモの様子
この時、道普請人のケニア事務所のケニア人エンジニアも、ルワンダ入りしワークショップ、デモの準備、運営を補助した。
ルワンダ人の問題意識と要請に日本のNPO(大学教授である理事長の指示のもと)が応え、ケニア人職員とともに現地活動を行った。アフリカの問題をアフリカの人々が解決する、ことを少しずつ具体化している。

デモ終了時の様子
この実績もあり、2015年度には日本国際協力財団の助成を受けて、ルワンダで農道整備、環境保全型農業振興事業を行う。
この事業を行うため、今回のルワンダ入りとなった。ケニア事務所駐在の喜田副理事長、ケニア人職員も同時期に現地入りしともに活動した。
新しい国、活動先で仲間と活動できるのは、なんとも心強い。

2015年8月末の、昨年10月にデモを実施した箇所の様子
乾季の状態であるが、雨季を経たあとも補修効果があることを確認できた。

昨年以来、連絡をとってきたインフラ省道路部門部長らと協議。これまでの活動実績と喜田副理事長の話術のおかげで、1NPOでも行政官と協議する場を持つことができた。土のう工法をどうルワンダ国で展開していくか、議論した。まずは行政官、エンジニアに理解してもらうこと、現場を見てもらうことが必要。

活動地域の市長による現場視察。約束の時間に遅れてしまうのは仕方のないことか。あきらめて帰ろうとしていた時に現れ少し慌てたが、現地地方行政のトップの現地視察は大きな意味をもつ。

続いてインフラ省のエンジニアたちが来てくれた。あるエンジニアはこの方法は生活道路整備によい、という好意的なコメント。別のエンジニアは20人で一日20mの進捗は遅すぎるなど後ろ向きな意見。エンジニアの中でも賛否両論に分かれる形となったが、土のう工法の住民参加でできる道直しの利点を繰り返し説明した。

突然、インフラ省が引渡式をした方がよい、と言い出した。彼らの段取りに従うことにし、インフラ省、道路公社、市の代表が再度現場に集まった。

ここでは皆が、コミュニティワークでの道路整備をより効果的にする工法で、今後も土のう工法が運用されるとよいとの意見を述べた。工法のコンセプトがようやく理解されてきた。
継続して情報交換をすることを約束した。可能な範囲で現地活動を計画し、資金を獲得してルワンダでの活動を続けていく。
ケニアからも近く、アフリカ広域展開の絵が具体的に見えてきた。