今日のテーマは、『禁断の果実に手を出してしまったら、財政健全化は終わり』です。
先日の公式ブログでは、
『短期楽観・長期悲観という、自己中心的なシナリオ』と題して、
債券市場の現在の状況から、『人間の本質的思考法』についてご紹介しました。
少しだけ振り返ると、
現在、世界中で高値圏を推移する『株式市場』と並行して、
『債券市場』にも、投資家による大規模な資金流入が続いています。
本来、
この『2現象』は、同時並行では発生しないはずなのですが、
市場に『相反する意見』を持つプレーヤーが同数いる事から、
歴史的な『異次元現象』が起こっていると言えます。
また、
『債券市場』に注視してみても、『スティープ化』という現象が予測されており、
『短期金利』『長期金利』の金利差は、来年以降も拡大傾向だと言われています。
要約すれば、
『短期:楽観・長期:悲観シナリオ』と表現できますが、
これこそが、『自己中心的な思考法』だと、私が感じているところです。
ここ最近、
記事中で『債券』について触れる機会も多かった為、
今日も、もう1つだけ『債券』に関わるテーマの記事を書き進めたいと思います。
先日、
日本政府は『2020年:国債発行計画』について発表しましたが、
その中で、来年度の国債発行総額が『約153兆円』になる方針が固まりました。
もはや、『天文学的数字』の為、理解できません(笑)
単年度会計である『一般会計予算』充当分の『新発国債』は減少したものの、
既発債の償還資金となる『借換債』が膨張し、概算予算ベースで6年ぶりの増加。
現在、
償還期限まで『40年程度』となる『超長期債』の発行も増やしており、
『利回り』の観点で、市場参加者から求められていると言われるものの、
個人的には、相当『ヤバイ』印象を受けています。
何故なら、
安易に『超長期債券』の発行に舵を切り、それに慣れ切ってしまえば、
現状でも相当まずい状況にある、日本国の『借金体質』に拍車がかかります。
この辺り、
『個人レベル』も『国家レベル』も、真理としては同じだと考えていて、
『借金は、返済しないといけない』と、頭では理解はしているものの、
『でもそれは、今じゃない』となると、途端に怠惰な状況に突入します。
加えて、
過去にした『借金』の返済を、新たな『長期債』の発行により賄うのは、
『借金体質』を改善する意思すらなくなる『愚の骨頂』的手法ですよね。
少し想像して欲しいのですが、
『借金』の返済に、新たに『借金』をして賄う事ができる状況において、
『真っ当な感覚』『理性』を保ち続ける事ができる人間は、いるのでしょうか??
そもそも、
そのような『理性的人間』が存在しているのであれば、
現在の日本国のような、ここまで酷い『借金体質』には陥っていないと考えます。
その事実は、
既に、世界一の覇権国『米国』の国民が身をもって証明してくれており、
彼らは『借金』を『借金』で返済する『無限ファイナンス』に手を出し、
壊滅的被害を被っている人間も多数存在しています。
しかし、
その『愚行』を下支えしているのは、私たち『日本国民』であるという側面もあり、
2019年速報値で、日本は『米国債保有残高:世界一』をキープし続けています。
表向きは、
世界的な超低金利時代において、
比較的利回りの高い『米国債』の投資妙味が増していると言われていますが、
実際は、第二次世界大戦敗戦国が、共通で背負う『十字架』なのでしょうか。
米国債保有残高において、
『日本』と同等の保有額(約130兆円)を有する『中国』ですが、
こちらについては、『21世紀の覇権国』として発言権を持つ保有スタイルを貫いています。
舞台上では、
『米中貿易戦争』の上演が華々しく展開されていますが、
実際問題、どちらが交渉の『主導権』を持っているのか、
現状では、非常に疑わしく思えて来ました。
このように、
『債券』というテーマを1つとって見ても、その様々な『動向』から、
世界経済の動き・背景的状況等、多くの『情報』を読み取ることが出来ます。
皆さん自身の『資産形成(投資)』についても、
世界の『経済動向』を無視して取り組むことは不可能ですので、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太