立派なクリスマスツリーがお庭に!
実はクリスマスツリーには
一切興味が無くて、
イタリアに来てから
ツリー飾った記憶がありません。
来る前も。
子どもの頃にはあったね。
出すのも片付けるのも面倒くさい爆笑
世界一ずぼらな私です。

さて今日は、
声楽を始めたきっかけ
ロマーノさんの場合。

小さい頃からクラシック音楽が好きで、
オペラ好きなおじさんに連れられて
オペラを観に行ってた少年、
10歳にもならないうちから、
お小遣いを貯めて、
マーラーやシューベルトのLPを
レコード屋さんに買いに行く。
想像するだけでも顔がほころびます。

中学生の頃、
自宅でレコードをかけて、
一緒にガンガン歌ってた彼。
もちろんオペラアリアです。
ある日近所のおじさんが戸を叩く。
ひえ〜苦情言いに来たのか〜!
恥ずかしい〜!
と静かにしていたら、
「オタクの息子さんオペラ好き?」
いや〜すいません、ご迷惑おかけして。
うるさいですよね〜。
これから音量に気をつけさせますので。
「いやいや。
僕、趣味で合唱団入ってるんだけど、
一緒に来ないかなと思って。
息子さん、
なかなかいい声じゃないですか」
と合唱団へのお誘いでした〜!
その合唱団、
なかなか本格的にやってて、
週一でソルフェージュのレッスンがあり
練習は週に二回。
しょっちゅうあちこちでコンサート。
ある日ソロを歌わないかと言われ、
歌ったら大好評!
合唱団の先輩で、
その頃デビューしたばかりの
バリトンのお兄さんが、
「お前、本気でやりたいなら
俺がレッスンしてやるぞ」
と言ってくれてレッスン開始。
合唱団の先輩で兄貴みたいなもので、
「レッスン代なんかいらないよ。
俺も教えるなんて初めてだし。」

お家はお金持ちでも無く、
高校も卒業しないで働きだして、
家族を支えていた長男の彼。
昼間は工場で働いて、
夜は歌いに行く。
若くてカッコいいし声もいい。
あちこちからお声がかかって、
引っ張りだこ。

アンサンブルでCDを出したり、
地方公演でイタリア中を旅したり。
仕事と歌の両立が難しくなってきた頃
フィレンツェ歌劇場の合唱団から
お声がかかり、
倍率もレベルも高い難関を難なく通り
即採用となりました!
相変わらず人気者で、
あちこちからお声がかかりますが、
安定した生活のため
合唱団の仕事を優先しています。

声楽を始めたきっかけ?
好きで歌っていたら、
「いい声だから歌いにおいで」
と誘われて、
歌いに行ったら
「本気で歌手になりたいなら
教えてあげる」
とただで教えてくれる人が現れ、
あれよあれよという間に
声楽を始める事になった。
歌手になりたいというより
歌手になれと引き上げられた感じ。

望まれて歌手になった人。
ただひたすら歌が好き、
オペラが好き、
いい演奏がしたい、
表現したい、
と黙々と才能を磨き上げ、
望まれて歌いに行く。
謙虚で真面目でプロフェッショナル。

きっかけというより、
そうなるべきだったからそうなった。


声楽って高級感あるけど、
私もロマーノさんも超庶民。
とりあえず生活のために仕事を持ち
ソロの歌手として歌の仕事もする。
でも出発点がかけ離れてて面白い。