"災害保存食って美味しくなってきてますよねぇ" | michi の ひとりごと

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優しい春のような そんな気持ちで 過ごしたい ・・・

大きな災害が起こった際に余儀なくされる避難生活・・・そうした状況を実際経験したり眼でみたりしたこともあって非常食が注目され、近頃ではスーパーでもそうした商品を見掛けるようになりました。お湯を入れればすぐに食べられるアルファ米や缶詰のパン・お菓子など、保存食としての機能性ばかりではなく味にもこだわった災害保存食が登場しているようです。

例えばアルファ米の場合、白飯は勿論ですが五目ご飯・お赤飯・きのこご飯・白がゆ・エビピラフ・ドライカレー等々バラエティに富み、味も防災訓練の際食べさせてもらいましたが、とても20分(熱湯)くらいでできたものとは思えずなかなかのものでした。(価格はメーカーや販売店舗にもよりますが300円前後が多い気がします)

$michiのひとりごと-アルファ米

そして、恐らくスーパーで最も眼にする機会が多いのがお菓子の保存缶です。中でも人気と思われる(だいたい何処へ行っても陳列されている)のはグリコの「ビスコ保存缶」とナビスコ「リッツ保存缶S缶」でしょう。

$michiのひとりごと-ビスコとリッツ

ビスコの缶の中には、5枚入り個包装パックが6個入っていて5年間保存が可能です。価格は400円弱くらいで

$michiのひとりごと-ビスコ保存缶02
$michiのひとりごと-ビスコ保存缶03
(グリコのビスコ保存缶)

リッツの方は、13枚入り個包装パックが3個入っていて、こちらも5年間保存が可能です。価格は300円前後でしょう。

$michiのひとりごと-リッツ保存缶02
$michiのひとりごと-リッツ保存缶03
(ナビスコのリッツ保存缶S缶)

恐らくこうしたお菓子の保存缶は脱酸素剤を使ったタイプが多いと思いますが、チョット注意が必要です。ビスコとリッツの場合、通常の製品と違い "脱酸素剤の効果を高めるた為内袋に小穴が開けてある" のです。従って開封したら通常商品のように内袋状態で長く保存することはできず、また缶は缶切不要方式なので(樹脂で出来たフタはついてますが)再び密封することはできません。その為一度開けたら早めに食べきるようにしなければなりませんので、ひとりでこっそり食べるのは止めた方がいいかもしれません(笑)

次にパンの缶詰ですが、こうしたパンは阪神・淡路大震災の折の経験から開発・製造が始まったとされ、製パンメーカーのパン・アキモトが先駆的存在で、2004年の新潟県中越地震ごろから知名度が上がり次第に出回るようになったようです。製法としては、スチール缶に入れたカップケーキ状になったパン種を缶ごと加熱して殺菌・焼き上げた直後に脱酸素剤とともに封入、密閉することで雑菌の繁殖を抑えるというものです。

$michiのひとりごと-アキモトパン缶詰01
(パン・アキモトのおいしい備蓄食シリーズ)

パン・アキモトでは、色々な味が楽しめるようにと種類も多いですが、保存期間37カ月と最も長いのが "おいしい備蓄食シリーズ(1缶100g)のレーズン・ストロベリー・オレンジの3品で、価格は1缶400円前後です。

$michiのひとりごと-アキモトパン缶詰02
(おいしい備蓄食シリーズのオレンジ)

何となくオレンジが美味しそうだったのでPhotoはオレンジを使いましたが、残念ながらまだ試食の機会がありません。食べた方の感想としては "開缶前にお湯等で温めると焼きたての風味が楽しめる" とのことです。

さて、ご飯・お菓子・パンと紹介しましたが、実はありそうでなかったのが即席麺です。元々即席麺は長期保存ができるものなのであまり注目されなかったのかもしれませんが、日清食品が18日から防災備蓄用のインスタントラーメン「チキンラーメン保存缶」「カップヌードル保存缶」の予約受付を開始したというニュースを聞き、ようやく一般でも手に入るようになったのだなと知りました。というのは、災害発生時支援活動として昨年8月に神奈川県横浜市、東京都新宿区、大阪府池田市の3自治体へ合計50,000食(25,000缶)を既に寄贈しており、9月には「カップヌードルミュージアム」「インスタントラーメン発明記念館」ではテスト販売を行っていたからです。

$michiのひとりごと-日清保存缶

缶の中には、麺・かやく(スープ)パック・紙カップの他に "折りたたみフォーク" を各2食分と脱酸素剤入っていて、通常のチキンラーメン(袋麺)の賞味期間は6カ月、カップヌードルは5カ月ですが、缶の中を無酸素状態にすることと吸湿を完全に抑えることで、3年間の長期保存が可能になったとのことです。

$michiのひとりごと-カップヌードル保存缶
(カップヌードル保存缶)

ちなみに、18日からの「チキンラーメン保存缶2缶+カップヌードル保存缶2缶 計4缶セット」予約受付は公式オンラインショップ「日清e-めんShop」で行い価格は3,500円。数量は600セット限定で、1人1セット限定。商品は4月4日以降の発送となるそうです。そして、4月1日から「カップヌードルミュージアム」「インスタントラーメン発明記念館」で販売を開始すると発表されており、こちらは1人各1缶限定価格は各780円だそうです。

ここまで何回となく脱酸素剤という言葉が登場していますが、災害保存食などに限らず食品の劣化を防ぐ目的で脱酸素剤は多く使われています。恐らく最も多く使われているのは "エージレス" と呼ばれる三菱ガス化学が世界に先駆けて開発したものでしょう。(よく見掛けるコレです)

$michiのひとりごと-エージレス
(脱酸素剤エージレス)

"鉄は錆びる時に酸素を吸収する" そして "酸素をゼロにして酸化を防ぐ" という単純な原理を応用したものですが、このエージレスは密閉容器内の酸素を吸収して酸素濃度0.1%以下という脱酸素状態にすることが可能で、今では医薬・医療品・化粧品などの劣化防止、衣類・寝具などの防ダニ・防カビにも幅広く使用されているものです。そういえば "その昔カビなしカステラは、衛生的な工場を持つ文明堂の専売特許だったけど、今では街のケーキ屋でも長持ちするカステラを作れるようになった。これはエージレスのおかげなんですよ"・・・なんて話を聞いたことがありました。


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