上を向いて歩こう、と「上を向いて歩こう 涙がこぼれないように」と 昔 だれかがうたった 上を向いて こぼれんばかりの星が目にささる 上を向いて もっと涙があふれてくる 星を見て 想い出すあの人 上を向いていられない だから いっそのこと・・・と夕日に顔を向けながら 波しぶきに涙をからませる 海水も涙も 同じ味みたい 下を向いても 星がまたたいていた あの人をまた想い出しながら 夕日にだけ顔をむけた 乾かそうとしても むだだとわかっていたけれど (8月11日 城ヶ島)