長男の授業で、水泳が始まりました。
プールが学校にあるわけではなく
予約したバスに乗って10分のところまで
行くのです。

気候もそうですがなかなかプールが
身近な存在では無かった長男にとっては
服を脱ぐことがとても抵抗があるようでした。

小さい頃は何度も室内プールに連れて行ったり
したのですが、小学生になってから
以前から仲良くしていた友達が
A君を指差して
「あいつ、ちょーデブだよな」
と言ってるのを聞いて
自分も同じように笑われるのではと
思ってしまいました。
当時、長男は幼児体型だったので
お腹がポコッと出ていたこともあり
急に気にし始めてしまうようになったのです。

それもあってそれ以降、水に入るときは
必ず上も着たがっていて海や庭でも
Tシャツは脱ぎませんでした。
プールなんて絶対に行きたがりませんでした。

昨年の夏に日本へいく予定だったので
誰も知らない人たちの前なら裸になっても
大丈夫だと安心したのか水泳の夏期講習を
受けて一週間みっちり教わろうという計画に
本人も意欲を見せていましたが、予定は崩れ…

あと、お風呂文化で育った私と違い
大勢の人の前ですっぽんぽんになる機会も
全然無かったので、
(物心ついた頃には
日本の温泉経験も忘れてしまったみたい)
家族以外の人前で下着を脱いだり着替えたり
するのを嫌っていたのもあり
初の水泳の授業が近づくにつれ
とてもナーバスだったのか前夜はベッドで
泣いていたのです。
理由を聞いても
「わからないけど涙が出る」としか
伝えてくれず。
嫌だったら嫌だとハッキリ言う子なので
理由がわからないけど泣くというのは
きっと水泳を超えてしまうほどの
大きな不安が押し寄せてきてしまってるんだと
本人が「行きたくない」と言うまでは
見守ることにしました。

担任も前日のホームルームで人間の体型の
違いなどを説明し、自分と周りが違って
当たり前なのだと熱量がこもった話をしたようで
それがかなり長男には響いたようです。


当日の朝、息子は少しお腹を下していました。
きっとストレスを感じてるんだ…と
わかっていたのですが、息子がどうしたいか
言うまでは通常通り登校の流れでいました。

まだ暗い道を長男の登校に
付き添いあるきながら

「ママ、アンタがお腹にいたときに
妊婦スイミングで今日使うプールまで
毎週行ってたんだよ〜。
無料で受けられたから毎週行ってたんだよ〜。

プールにはトイレもちゃんとあるから
お腹痛くなったらすぐにトイレにいくんだよ!

シャワー浴びるとき裸にならなきゃ
いけないけど、嫌だったら水着はいたまま
シャワー浴びて、タオルを腰に巻いて
スカートのようにして水着脱いでパンツ
はけばいいよ」

と伝えると

「ママ、シャワー浴びるときは水着を
脱がなきゃいけないんだよ。
先生が言ってたもん」

と強く言うので、よっぽど覚悟してるんだなと
受け止めました。

水泳後、バスで小学校に戻ってきたら解散
だったのですが、私は気になって気になって
久しぶりにこんなに息子の帰りが待ち遠しい
ことはありませんでした。
なので予定より帰りが遅い息子に早く
会いたくて学校へ向かい歩き出してしまいました。

ちょうど帰路の真ん中辺りで息子が見えたので
大きく手を振ると、息子も大きく手を振り返し
走って私の元へやってきました。

「どうだった?大丈夫だった?楽しかった?」

と聞きたいことが溢れでて止まらない私に

「うん!すごく楽しかったよ! 」

と笑顔で、
水泳を習っている友達にシャワーの使い方を
教えてもらったとか
プールでは沢山潜ったとか
バスの座席はどうだったか
水泳帽被ってた男子は僕一人だけだったから
次回は要らないとか
(学校からは持参するよう義務付けられている)
と、楽しかったことが裸になる不安を上回ったようで良い経験をしてホント良かったあ…と
心配要素が消えました。

あのとき息子が 行きたくない と言えば
私は彼の気持ちを尊重したと思います。
でもストレスを感じていても勇気を出して
向かうと決めた結果、新しい世界を見た彼が
とてもたくましく見えて嬉しくてたまらないです。