東京藝術大学美術館の大吉原展


本当に良かった。

勉強になったし美しかった

 

 

まずね、実は吉原の事何にも知らなかったなってことを知った。

無知の知よ(*≧∀≦*)

 

時代劇や歌舞伎や落語

色んなメディアから吉原について知っていた気になっていたけど

それこそ「学校では教えない歴史」

 

それを学術的に分かりやすく展示する

美しい浮世絵・錦絵とを鑑賞する

写実的に・芸術的に作り上げられた遊郭と遊女の人形たちが理解を深めてくれる。

 

 
 
この大吉原展
企画段階から相当炎上したさそうな
そりゃそうよね
人権否定 人身売買 女性の搾取 
今考えたらとんでもない世界
(私だって東京藝術大学で大吉原展!
って最初びっくりたまげたわ)
 
でもその一方で江戸の粋を集めた美学やら文化やら
浮世絵だって吉原抜きには考えられない
落語の廓ものも歌舞伎にも吉原抜きには・・・
 
吉原は開幕で人口が急増した江戸の治安を守るために
楼主たちが幕府の許しを得て作り上げられた街
 
つまり今風に言えば
暴力団が風俗店にみかじめ料を取り立てたり
払わないとごろつきが嫌がらせしたり
暴力団が女の子をうまくだまして風俗店に売り飛ばす
 
って状態を改めて、江戸中の遊郭を吉原に集め
客の連泊を禁じたり
親による娘の身売りを禁じたり
幕府のもと楼主たちの一種の自治組織?
だったのかと思う。
 
だからって人権意識を持った現代人が見たら
許されないことよね
 
でも現代人の価値観からしては
ありえないことばかりの世界の歴史
 
でもそこに住んでいた人たちは
その中で必死で生きてきたのよね
 
 
今風に言えば接待の場として、あるいは情報交換・宴会の場として
吉原には幕府の要職につく武士や、旗本、大名の上屋敷に勤める武士
更に大豪商や有名どころの役者…
そういう客ををもてなすために
吉原の花魁は高い教養・芸事を身につけたプロであって
 
そうした人気の花魁やその町並みをを描く浮世絵も数々生まれ
特有の音曲も生まれ
ま、繰り返しになるけど
江戸の粋もあつめ、そして江戸の文化のゆりかごになっていったのよね
 
だから、吉原の美術・文化を正しく知らないでは
江戸時代・そして近代日本の文化を半分しかわからないことになる
 
だから、とっても良い企画だったと思うのです。
 
言わずもがなの追記ですが
明治維新で「芸娼妓解放令」が出るのですが
あくまで西欧諸国の批判に対応するためのもの
「解放」された花魁たちは呼び方を変えただけで
公娼制度は変わらず
大正時代も続きます
第二次世界大戦中は流石に下火になりますが
GHQの公娼廃止令が出れば
今度は赤線になり
貸座敷はカフェーとなり娼妓は女給
ドラマなんかに着物にエプロン姿
髪はパーマ…って感じの女給が出てきますが
今のカフェと当時のカフェーは全く違うわけです。
 
そして、昭和33年になってようやく
「売春防止法」によって赤線も廃止されます。
落語で廓噺のまくらでよく話される
あの昭和33年の売春禁止法ですね爆  笑
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

念に