サントゥスタッシュ教会はパリで最も美しい教会といわれている。え?ノートルダムじゃないの?という向きもおありでしょうが、美の基準はいろいろですからね。


女優の杏さんの本にもパリで一番好きな教会と書いてあって、私も街歩きで疲れた時などに、幾度か使わせていただいた。美しさはモチロンだけど、入りやすくて、すごく落ち着く場所。


ゴシックとルネサンスが融合した独特の建築美だといわれる教会内も素晴らしいけど、後ろにある見事なパイプオルガンの存在がずっと気になっていた。

ある日曜日の午後、そのパイプオルガンの音が鳴っていた。中央の通路に設置されたオルガンを弾く人がいて、あの後ろのパイプオルガンの音が響いている。


彼の横に貼られてるチラシには17時からパイプオルガンコンサートがあると。無料ですか?!ならば、ならば、ぜひ参加せねばー。
で、それからは、日曜夕方に恒例で開催されるコンサートの常連に。コンサートの時間はだいたい30分から40分ぐらい。それまで閑散としてた教会が開演30分前ぐらいになると、じわじわと人が集まり、最終的には用意した席がほとんど埋まる盛況ぶり。


そして、ふとある疑問が浮かんできた。なぜ、弾く人によって音色がすごく違うの?なぜ、パイプオルガンなのに、こんなに聴衆の近くで弾いてるの?(普通、パイプオルガン弾く人は、すごーく遠くない?)
帰国して、この疑問を深掘りしたくなって、東京芸術劇場で開かれているパイプオルガン講座なるものに参加した。

この講座、もう99回目ということで、平日のマチネだからか1500円とすごくお手頃。そして、講義のあとの1時間にわたるパイプオルガンの演奏で、私的には大発見があったの。
9000本のパイプを有する東京芸術劇場のパイプオルガンは、実は1つではないのね。
3分間の自動回転で、それまでのパイプオルガンがゆっくり動いて、後ろにあったモダンパイプオルガンが登場した時は、びっくり!
モダンパイプオルガン゙があるということ知らなかったのよ。無知もいいとこだ〜!

早い話がモダンパイプオルガンであれば、オルガンの演奏台をパイプオルガンから離すことも、さまざまな音色にすることも可能だったということ。
で、謎は解けた訳です。サントゥスタッシュ教会のパイプオルガンは、老朽化が進んだため、1989年に作り直しされ、モダンパイプオルガンになっていました。

外観は、19世紀の木製の美しいオルガンケースのままだったから、わからなかったのよ〜。パイプオルガンに詳しい人なら、通路にオルガンが置いてある時点で、あ、モダンパイプオルガンになったな、とわかるんだろうけど、素人はなかなかね。でも、楽しい経験でした。
サントゥスタッシュ教会のパイプは8000本。ふいごてはなく電気的な力を借りて風をパイプに送るとしても、教会全体が大きな共鳴体のようになるあの場所で聴く音色は、やっぱり荘厳な響きに満ちて、天国に一番近い風が吹く場所だわ。いつかまた、聴きにいきたいな。天国にいけるとしたら、その前にね。
