暑いね…暑い。
でももうすぐ2時間過ぎちゃうから、急がないと。
子どもの手を引いて歩きます。街にはずいぶん浴衣姿の人たちが増えて、お祭りの様相。
ただメイン会場は川沿いなのか、屋台が出ているわけでもなく、混雑していると言うほどでもありません。
サクサク歩く。
…あ、ちょっと目眩するかも。
やべ。水分とってなるべく日陰を歩こう。
神社の石段の前に着きました。
神社の石段は…229段。
ちょっと怯む。
でも、登り切ったらあとは車で移動するだけだから。
大丈夫大丈夫。
大丈夫じゃありませんでした。
階段を登り始めて数分。
やばい。目眩がやばい。
子どもはもう先に行ってしまったので、休み休み登る。
足元だけを見て登る。
ちょっと…ちょっと待って。
ついに石段に座り込む。ぐるぐるまわる世界。
少し落ち着いたらまた立って少し登る。
また座る。
やばい。
子ども大丈夫かな。
お祭りだからか、人は結構います。混雑していると言うほどではありませんが、スイスイと何人もの人が私を抜かしていく。
ーすみません、上に子どもがいるのでちょっと待っててって伝えてもらえますか
…と伝言を頼もうにも頭があげられない
半分ほど登ったところで、ついに動けなくなってしまいました。
子どもたちが降りてきて、腕を引きます。
待って待って…タイミングがあるんだタイミングが。
すれ違った女性が水をくれました。
通りすがりの若い男性が保冷剤をくれたので、首を冷やします。冷たい。
それでもなかなか動けません。
無理に歩こうとすると吐く。植え込みに吐く。何も食べていないので出てくるのは水のみ。
先ほど水をくれた女性が下まで行って冷たいスポーツドリンクを買ってきてくれ、階段を駆け上ってきてくれました。
それでも遅々として進まず、気がついたらたくさんの方に囲まれています
「あと少し階段登ったら、上にベンチがあるから」
「他に大人の人いない?」
「どうやってきたの?」
若い女の子が冷タオルを開けて首につけてくれました。肩と腰を支えられながらラストの30段ほどを登り、ベンチで横になります。
冷たい水のペットボトルを首や脇につけてくれ、何人かの子がハンディファンで冷やしてくれました。
涼しい。
冷たい。
「救急車呼びましょう」
「大丈夫です、駐車場に車停めてるので、クーラーガンガンにして休めば…」
「誰か迎えに来れない?お母さんとか、旦那さんとか」
「おとーさん釣りに行ってるよ。マグロ釣るって!」
「釣りかぁ笑。じゃあ海の方…遠いよね」
「たぶん…まだ船の上かと…」
「電話できる?無理そうならやっぱり救急車呼んだ方が」
「電話します。大丈夫です」
夫に電話したものの、案の定、出ない。
救急車乗るのはほんと、洒落にならない。
助けてくださってるみなさんはきっと熱中症だと心配してくださってるけど、私にはわかる…
これは
貧血………
カロリー不足と、暑さと、疲れで起きた貧血。
頭痛はない。冷や汗もない。動悸もない。
ただ目眩で歩けない。気持ち悪い。
でも涼しくしてくれて、横になると急速に回復していくのがわかる。
横になったことで頭に血が回っていくのがわかる。
起き上がって歩く。今度はスタスタ歩ける。
この隙にッッッ
車まで一直線ッッッッッッ!!!
どうにか車に着き、助手席に横になる。
エンジンをかけてもらい、エアコンをガンガンにする。
横になると、いろんな人が買ってきてくださったたくさんの冷たい飲み物で身体を冷やしてくれる
できるだけのお礼を伝えて、目を閉じる。
な…情けない…
あと少しで40にもなるくせして
食欲ないけど痩せるかも〜くらいのノリで朝ごはんを食べず、たくさんの人に迷惑をかけてしまった…
恥ずかしくて穴に入りたい
夫が帰宅するのは夜だから、なんとか車が運転できるようになるまで回復しないと。
花火が始まっちゃったらきっと混雑する。
見晴らしのいい神社だから。
その前になんとしても帰りたい。
でも事故ったらマジでシャレにならんから体調の見極めはしっかりしないと。
横になると目眩は消えて、頭痛もない。
よし。
まずはトイレだ。
実はさっきまでかなり我慢していた。
なぜならお腹を下してる予感がある。
人前で尊厳を失うわけにいかない。
幸い駐車場にトイレがある。
トイレに駆け込む。
あ、始まってる。貧血だったのはこれのせいもあるな。
全部のタイミング悪すぎる。役満じゃん。ダメな方の。
だいぶ体調も復活したので、無事に帰宅できました。足利の方には本当にお世話になりました。
今度は花火大会じゃない日にリベンジさせてください…
はーーーー
ほんと…
子どもが迷子にならなくてよかった
救急車呼ばれなくてよかった
人前で尊厳を失わずに済んでよかった
無事に帰れてよかったーーーーーー
でもたくさんの人にご迷惑をおかけしてしまってスライディング土下座しかありません
ありがとうございました
願わくば、子どもたちが今日助けてくださった方ちちのように、困っている人に手を差し伸べてくれるような人になってくれますように。







