欧州は、過去数百年の植民地支配について、謝罪や賠償をしたことがないことが人種差別問題の根底にあることをこれまで何度も指摘してきた。
こうした中、オランダの首相は、2022年12月19日、奴隷制について政府を代表して正式に謝罪した。
以下、産経新聞の記事の引用
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オランダ首相、奴隷制謝罪 「人道に対する罪」
2022/12/20 08:23 産経新聞
オランダのルッテ首相(共同)
オランダからの報道によると、同国のルッテ首相は19日、ハーグで演説し、オランダが過去に250年間にわたり奴隷制に関与したことについて「人道に対する罪」だと述べ、政府を代表して正式に謝罪した。
ルッテ氏は、60万人以上のアフリカ人がオランダの奴隷商人によって主に植民地だった南米スリナムに「家畜のように」運ばれたと指摘。「醜く、恥ずべきものだ」と訴え「オランダ政府は奴隷にされた人々と子孫が受けた甚大な苦しみに責任を負う」と語った。
奴隷制の問題に関する教育などのため2億ユーロ(約290億円)の基金を設立する予定だという。一方、子孫らへの賠償金支払いは否定しており「言葉だけだ」との批判も出ている。
欧州諸国では近年「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動などを受け、人種差別の上に成り立っていた奴隷制や植民地主義の歴史について見直し作業が進んでいる。(共同)
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2022サッカー・ワールドカップ・カタール大会では、移民労働者問題などでの批判に対して、FIFA会長が欧州の植民地支配を持ち出して反論した。
以下、BBC NEWS JAPANの記事の引用
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FIFA会長、カタール批判は西側諸国の「偽善」 W杯開催国の人権問題めぐり
BBC NEWS JAPAN

画像提供,GETTY IMAGES
画像説明,
FIFAのインファンティーノ会長
20日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催国カタールについて、性的少数者の扱いや人権問題などをめぐり、西側諸国から批判の声が上がる中、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は19日、西側諸国の批判は「偽善」だと非難した。
インファンティーノ会長はドーハでの記者会見で1時間近く異例の熱弁を繰り広げ、カタールとW杯を擁護した。
カタールでの移民労働者の死亡やLGBT(性的マイノリティー)の扱いなどの問題が、今大会に影を落としている。
スイス生まれのインファンティーノ氏は、欧州諸国はカタールの移民労働者の問題に注目するのではなく、自国の歴史の中で行った行為を謝罪すべきだと述べた。
インファンティーノ氏はこう切り出した。「私は今日、強い思いを抱いている。カタール人、アラブ人、アフリカ人、ゲイの人、障害者、移民労働者の気持ちを感じている」。
また、「私たちは欧米人や西側諸国から多くの教訓を学んできた。私は欧州人だ。我々は道徳について説教をする前に、世界中で3000年間やってきたことに対し、今後3000年間、謝罪し続けるべきだ」とした。
「もし欧州が本当にこの人たち(移民労働者)の運命を案じているのなら、カタールのように合法的なルートを作り、多くの労働者が欧州に来て働くことができるようにすればいい。彼らに未来と希望を与えるために」
「私は(カタールに対する)こうした批判が、なかなか理解できずにいる。我々はこれらの人を助け、教育を受ける機会や、より良い未来と希望を与えるために、投資しなくてはならない。私たち全員が、自分自身を教育する必要がある。完璧(かんぺき)でないことはたくさんあるが、改革や変化には時間がかかる」
「この一方的な道徳教育は、ただの偽善に過ぎない。2016年以降のここ(カタール)での進歩を、なぜ誰も認めようとしないのか」
「12年前の(開催国)決定に対する批判を受けるのは簡単なことではない。カタールは準備できている。史上最高のワールドカップになるだろう」
「私がカタールを擁護する必要はない。彼らは自分たちを擁護できるので。私が守るのはサッカーだ。カタールは進歩したし、他の多くのことも変わったと感じている」
「もちろん私はカタール人でもアラブ人でもアフリカ人でもゲイでも障害者でも移民労働者でもない。しかし、彼らの気持ちを感じている。外国で外国人として差別され、いじめられることの意味を知っているので」
「子どものころ、私は赤毛でそばかすがあった。そのせいでいじめられたことがある」
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