◇◇◇ ジャニーズ・宝塚・日大問題に共通点がある? ◇◇◇

最近の大きな事件を見ていると、ある一つの共通点が浮かび上がってくることが分かる。
例えば、
 ◯ ジャニーズ性加害問題
 ◯ 宝塚イジメ自殺事件をめぐる宝塚のパワハラ体質問題
 ◯ 日大アメフト部問題をめぐる一連の日大の組織問題
 ◯ 自民党派閥裏金問題
 ◯ 歌舞伎市川猿之助セクハラ暴露と両親自殺幇助事件
 ◯ 旧統一教会巨額献金問題と二世信者問題
などだ。
ジャニーズ・歌舞伎・宝塚は、「芸能界のJKT」と呼ばれ、芸能界において絶対に触れてはいけないタブーだった。

これら芸能界のタブーの崩壊や自民党・旧統一教会問題に共通しているのは、既存の権威や権力構造が崩壊して、その権威・権力下でどれほどおぞましい人権侵害や犯罪や悪事が横行し隠蔽されてきたかであり、その闇が暴露されて来ていることだ。

我々は、これらのおぞましい悪事の前に絶望してしまうかもしれない。
だが、我々が希望を持つべきなのは、これまで長年隠蔽されてきた強大な権力の秘密を保持することができなくなり、それが暴露されているという点である。

◇◇◇ 巨大権力が秘密を隠蔽できなくなった理由とは? ◇◇◇

なぜ既存の強大な権威・権力は、その秘密を隠蔽できなくなったのだろうか?
それは多くの人が気付いているとおり、インターネットとスマートフォンの普及である。

全ての人は、自分のスマホから世界中に好きな情報を発信することできるようになった。

また最近の大きな事件は、週刊文春などの週刊誌によるスクープが発端になっていることが多い。
文春などは、内部告発や暴露・スクープ情報を募集する投書箱をサイト内に設置しているところが一般的だ。
全ての人がスマホから情報を発信できるようになったお陰まで、それまで世の中に埋没していた情報を根こそぎ底引き網のように網羅的に集めて、選別して、記事にすることができるようになった。


◇◇ 全ての人が情報発信者になる革命 ◇◇◇

ネット・スマホの普及により、一部の権力や大手マスメディアに支配されていた情報は解放された。
それはまさに革命だった。

ネット・スマホによる革命以前の世界では、無力な民衆は、強大な権力や大手メディアから与えられる情報やニュースをありがたく受け入れるしかなかったため、無知蒙昧な大衆となっていた。

これまでは情報が流れる方向はピラミッド構造の頂点から下々へ流れると固定化されていた。
 (ここで言う「ネット・スマホ革命」とは、「IT革命」という際に情報技術・ネットが世界の経済やビジネスを変革するという側面ではなく、ネットやスマホが人類の社会構造や国家体制を変革してしまう側面に注目した言葉である)
 

ネット・スマホ革命によって、人々は世界中から好きな情報を手に入れることができるようになり、そしてここが1番重要な点だが、自分から情報を発信できる情報発信者になることができた。

 

マララさんやグレタさんのように一人の少女が世界に向けて情報を発信し、世界に影響を与えることができるようになった。


世の中の全ての人が世界中に情報発信できるようになったということは、言うまでもなく人類の歴史上、初めてのことである。
今、我々は人類の歴史の壮大な実験を開始した黎明期に生きている。


□ □ □ 絶対的な権力はもう無理?  □ □ □

これまで見てきたように、世の中の全ての人が情報と力を手にしたネット・スマホ革命後は、絶対的な権威や権力を維持することは難しくなる。
世の中の全ての人が権力を打ち倒す情報と力を手に入れたからだ。
(中国がAI時代に絶対的な独裁国家を維持しやすくなっている側面については別に論じる)
 

強大な権威や権力が崩壊した後の社会はどうなるのだろうか?
ピラミッド型の中央集権組織が崩壊した後には、ネットワーク型の組織や社会が必然的に出現するのではないだろうか?
それは世の中の人の全てが情報と力を手にした後には絶対的な権力は存立し得ず、お互いのアメーバ的・粘菌的なつながりに基づいた社会はネットワーク型にならざるを得なくなるからだ。

◇◇◇ 若者有利の時代 ◇◇◇

 

人類の悠久の歴史の中で、若者は常に絶対的な権威や権力に反発してきた。
これまでは若者が社会に出た際には、まず一旦は絶対的な権威や権力にひれ伏すしかなかったからだ。
しかし、今や人々は情報と力を手にした。
全ての若者は、自分の前に立ちふさがり自分を抑圧する権力者の闇を告発し、暴露し、引きずり下ろすことができるようになった。
これこそがネット・スマホ革命の真骨頂である。

しかし、ネット・スマホ革命は、いいことばかりではなく、負の側面があるのは当然である。
全ての人々が情報を発信できるようになったために、フェイクニュースや陰謀論が横行するようになった。
ネット・SNS上でバッシングされた人が自殺するのは珍しいことではなくなり、SNSいじめは、いじめ問題の解決?をより困難な方向に追いやっているようにみえる。

ネットワーク社会は薔薇色ではないのである。


◇◇ 絶対的権力を倒す夢を持ったかつての世代とは? ◇◇

1960年代のカウンターカルチャーのヒッピー達は、ドラッグや既存の権威を破壊するロックをこの上なく愛するとともにパーソナルコンピュータを偏愛していた。
それは、世界中の個人個人がパーソナルコンピュータを持てば、民衆が情報を持ち、既存の権威を破壊し、権力構造を転換することができると信じていたからだ。

このような夢を持ってビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズはパーソナルコンピューターの作成にいそしんだ。
60年代カウンターカルチャーが夢見たパーソナルコンピュータ(≒スマホ)による既存権力の破壊が今まさに実現しようとしている。
 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ 2023年12月31日追記 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

現在、お笑い界の頂点に君臨するダウンタウンの松本人志さんに対するスキャンダルが週刊文春で報道されています。

当ブログの本記事「ジャニーズ・宝塚・日大・自民裏金に共通するおぞましい共通点とは?」では、今の時代、つまり世の中の全ての人がスマホなどの情報発信手段を持ってしまった現代は絶対的な権威や権力が成立しない時代になってきているのではないかという仮説を論じています。

この仮説に照らして考えてみれば、長年、お笑い界の頂点に君臨した王様に関する絶対に触れてはいけないタブーが暴かれてしまうのは時代の必然なのかもしれません。

もちろん、今回の事案に関して、本当に性加害があったかなかったかは週刊文春の第二弾以降や法廷闘争に持ち越されるので、その行く末を見守るしかないのは言うまでもありません。