NHKスペシャル「“トランプ大統領”の衝撃」(11/12)は素晴らしかったです。

 

特に、イアン・ブレマーやジャック・アタリのインタビューが良かったですね。

 

「Gゼロ世界」を提唱したイアン・ブレマーは、「“アメリカによる平和”(パクス・アメリカーナ)は2016年で終わった。アメリカはもはや世界をリードしない。トランプはアメリカ第一主義だから世界にリーダーシップを取る国はなくなる。アメリカの価値観も広めない」旨述べていました。

 

イアン・ブレマーは、すでに2012年時点で「Gゼロ世界」を提唱し、現在の情勢を予測していたので、彼の言葉は今後の世界を知る上でこれ以上参考になるものはありません。


ジャック・アタリ(フランスの経済学者、「欧州最高の知性」?)は、「自国第一というのは自滅そのものだ。自国第一や保護主義が資本主義自体を崩壊に向かわせている」「世界のグローバリゼーションは、今、逆戻りをし始めている。過去には内向きになったが故に大恐慌や世界大戦が起きた」旨述べていました。


番組も、「反グローバル化で経済への影響は」との見出しを掲げて、「反グローバル化」が今後、世界経済に影響を与えることを懸念しています。

 

 □ □ □ ヨーロッパの極右政党へ連鎖現象 □ □ □


トランプが勝利したことを、ヨーロッパの移民排斥を訴える排外主義的な極右政党・保守政党が大変喜んでいるそうです。

彼らはトランプ旋風を自国でも起こしたいと考えているそうです。


イタリア「五つ星運動」は、「世界は目を覚まし、別次元の論理で回り始めたのです」と主張、12月の憲法改正の国民投票で否決されれば首相は退陣を表明。

フランス・マリーヌ・ルペン党首の「国民戦線」は、来年春の大統領選挙に向け、フランスでも同じことを起こすことを狙っている様子。

「ドイツのための選択肢(AfD)」も、来年秋、連邦議会選挙がある。

オランダ「自由党」も、来年、議会選挙を控えている。


番組も、「世界に拡散 自国第一主義」との見出しを掲げて、「自国第一主義」が世界中に広がっていることを示しています。


 □ □ □ 「最も危険な政治フィクサー」 □ □ □


 トランプ次期大統領の、選挙対策本部の最高責任者(CEO)は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長です。

 このスティーブン・バノンは、

 ○ 「かつて『米国の最も危険な政治職人』と認識された」

 ○ 「最も危険な政治フィクサー」

 ○ KKK(クー・クラックス・クラン)とつながりがある。

 などと言われている人物で、トランプ大統領の首席補佐官になる可能性が高いそうです。

 どおりで、トランプが勝利するやいなや「これからは白人至上主義の世の中だ」と言って人種差別事件が起こっているようです。

 

 世界同時右傾化は、予想以上に進んでいるようです。

 

 このままでは終わりそうにありませんね。

 

 □ □ □ □ □ □ 追記 □ □ □ □ □

 

 その後、トランプ次期大統領は、首席補佐官にラインス・プリーバスを指名しました。共和党主流派で、無難なところにひとまず落ち着いたようですね。

 

 しかし、「最も危険な政治フィクサー」とも称されたスティーブン・バノンは、首席戦略官・上級顧問ですから、要注目です。