第一夜
霊の存在って信じられないかもしれない。
実際に霊の体験した方でも理解が出来ないことがあるんじゃないかな?
どうやら私と一緒にいると幽霊を見やすくなる...というか波長が合って見える人になるらしい。
ある日の夜、それは始まった。
彼女は今までに幽霊を見たことがなかった。
しかし、私と一緒にいたことにより見える人となってしまった。
彼女の家の前、車の中で話をしていた時に...
運転席に座っている私からは助手席に座っている彼女の背後に女性の霊が見えていた。
その霊は半透明で向こうにある壁が透けて見え、目がなく黒く穴が空いたみたいだった。
彼女を怖がらせないようにするために場所を移動したかったのだか、彼女は早く家に帰りたいと言ってたのでこの場所で話すことにした。
しかし、それは起こった....
「うっ、うっ....」
彼女の声ではない?女性のうめき声が聞こえた。
その声は運転席側から聞こえている。
彼女の顔を見てみる。
どうやら気づいてないみたいだ。
しかし、また
「うっ、うっ.....うっ、うっ....」
「えっ?」
彼女が女性のうめき声に反応した。
「女の人の声が聞こえない?」
「いや、何も聞こえないよ」
と私は彼女を安心させるため嘘を言った。
すると
「うっ、うっ....うっ、うっ....」
と、その声は聞こえた。
彼女は怯えていた。
怯えている彼女の背後には女性の霊がずっと立っている。
多分この女の霊のうめき声なんだろうけど、彼女の背後にいるのに運転席側から声は聞こえる...
私にも説明がつかない。
「怖い!この場所から移動して!」
彼女が怖がっている。
急いで車を走らせ、近くのドラックストア駐車場に停めた。
女性の霊はついてきていない。
どれくらいたっただろう。
急に彼女が起きあがって正面を見ている。
「何、あれ!?」
と言っている彼女を見ると、彼女の背後には背が丸まった老婆がこちらを見ていた。
彼女には、その老婆が見えていない。
この老婆も幽霊なのか?
しかし、彼女は正面を見ている。
彼女と私は違うものを見ていた。
「きゃー!」
「どうした?」
その時、自分には彼女が見ているものが見えなかった。
「正面からスーツ姿の男の人が早歩きで、こっちに向かってくる!」
彼女はそう言って震えていた。
「怖いから、この場所からも移動して!」
また、車を急いで走らせた。
走り出す際に、一瞬だがスーツ姿の男性の姿がフロントガラスに映し出された。
こいつか?彼女が見ていた霊は。
彼女の家まで行ってみたが、女性の霊が立っている。
場所を移動して、夜明けが来るのを待った。
明るくなり彼女を家に送り、自分も家に帰る。
彼女には本当に申し訳ない。そんな気持ちでいっぱいだった。
私といると霊が見えるようになるのだから。