休日の午前中、サキくんに会ってきました。


サキくんは顔のよくわからない写真をプロフィールに使っていたので、数回のやり取りの後、直接メールで別の画像を送ってもらっていました。

新しくもらった画像が結構まともだったのでお会いすることに。


待ち合わせ場所に来た彼は、最初の写真と後の写真の間を取った様な風貌で、写真よりも本物のほうが良かった!!

思わず笑みが零れてしまうようなタイプのお顔でした。


話している最中も、今時の男子って感じで話しやすく、特に欠点も目に付かず、もっと仲良くなりたいな~って感じでした。


ランチをしながらちょっとずつお互いの話を深めて、二時間くらいしたのでお店を出ました。

カフェランチというのもあったけど、私がコートを着ている間にサキくんは支払いに立ってくれてスマートなお会計。


「家が近いから、今度はお酒のみにいこうよ。っていうか、また会ってもらえるかな?」って言われて、次回の約束。

帰り道、一緒に歩いていたら、

「また、ホントに会ってもらえる?大丈夫?」って聞かれました。

日程は未定だけど、私もユウくん以外でここまで気に入った人はいなかったので、快諾しました。

痛手を負うとしても、心のままに飛び込みたい恋を選んではダメなんだっけ?


この所、そんなことを考えたりもするのです。

ユウくんはハズ候補になりえない。

でも、彼が好き。

彼といる人生を味わってみたい。


美味しいものを美味しいと知らない人生を送ったとして、それは幸せなことなのかな。


とか。


TRに則った出会いでTRに適う男性を選ぼうとして、その中の誰にも『好き!』って執着できないから、こんな風に迷うんだと思う。

言い方を変えると、TRで上手くいかないから心に迷いが生じている。


でも、ユウくんが私に惹かれてくれたのは、TRの効果に影響されての事だとも思う。

特別な女性らしく。

ミステリアスに。

彼への興味は最低限に。

等々。


私は結婚する事も、それによって最後の恋に踏み込もうとしている事も、まだ全然覚悟が出来ていなかったみたい。

結婚に焦っているけど、まだ恋愛をしたい。




…それにしても、何でユウくんはキープしつつ、ちゃっかり他のお魚さんもつなげようってしなかったのか!!!

今更気付きました。

TRを拡大解釈すれば、適用できた選択肢だったのに!


私はすごくユウくんに馬鹿正直に接してしまって、彼にプレッシャーをかけるような事もいっぱい言った。

黒か白かハッキリさせる以外に、もっと上手いやり方があったと反省しきりです。

「出張だからもう寝るよ。また週末に」ってユウくんからメールが来てから、

『週末にって書いてあるから、それまではメールしてくるな』って事なのかなあと思い、私からは何もせずに待っていました。

ジョン・グレイ風に、「彼が穴にこもって色々考えている」なら、無理矢理ドアを叩いても逆効果だし、単に距離を置きたがっている人を追い掛け回してはダメだろうと思って。

でも、土曜日になっても連絡は来ず、日曜日のお昼になっても音沙汰なく…。


追いかけたり、彼の穴ぐらのドアをこじ開けたりするのはいけないと分かってはいたのだけど、連絡を取らない間に彼の中の私に対する印象が、『結婚したがっている女』としてどんどん大きくなってしまうのが嫌で、また、自分の整理しきれない感情の中に、はっきり終わりにしたいという気持ちもあって、日曜日のお昼過ぎに私からメールを送りました。


「『俺と付き合ったことを後悔させない』っていう自信がないのなら、やめた方がいいと思う。時間を消費するのは別にいいけど、自信がない人はいや。でも、ほんのちょっと一緒にいただけで、びっくりするほどユウくんに惹かれてた。一緒にいて色んな話を聞いている時、すごく楽しかったよ。ありがとう」


彼からは返事がありません。




メールを送ってから、私はずっと自分の気持ちの整理をしていました。


終わりにしたかったの?

しがみつきたかったの?

何がなんでも、結婚したいの?

相手の人をこんなに好きになれなくても結婚できるの?

結婚できないのにユウくんと一緒にいたいの?

もう恋愛はこりごりなの?

それともまだ恋愛することに未練があるの?


考えはまとまらないままです。

TRをきちんと守って、完璧なハズを選ぶ覚悟に、迷いが生じています。


私はまだ、傷ついても恋をしたいのかもしれない。

ううん、時間を無駄にするのが怖い。もう結婚したい。

どっち?




私が思っていたユウくんは、「週末に」って言ってそのままにするような人ではなかったし、終わりのメールをシカトするような人でもありませんでした。

だからなんだか、彼はまだ考えている最中なのかなって思ってしまう。

人に言ったら、そんなの現実を見ていない希望的観測で、都合のいい考えに逃げているだけって思われるだろうけど、それは自分でも客観的には考えられるんだけど、それでも彼に実際に会って惹かれた私の心は、そうじゃないんじゃないかと思っている。


これで終わりになる気がしない。


心がぼんやりそう感じているので、無理矢理結論付けするんじゃなく、時と運命が流れるのを何も考えずに見つめていようと決めました。

まあ、ただ彼の連絡をひたすら待つ気はないけれど、気持ちの持ち方はそういう方向ってことで。

あんまり詳しく書くのがつらいので、手短に。


キスしたあとに、

「(付き合っても)いいよ」って言いました。

私が一番盛り上がるタイミングを逃した後にOKしたからか、ユウくんはそれほど反応はなく…。

それあとも二回くらいキスされたけど、すぐに止めてもらいました。なんだか心苦しくて。


それから程なくお店を出て、駅に向かいました。

私は手をつないで欲しかったけど、ユウくんは少し距離を置いたくらいで歩いていました。


手をつないでくれないの?

抱きしめてくれないの?って思った。


私が改札を通る時も特に何もなくて、付き合うことになったと言うのに、心は空虚でした。

『お互いの気持ちが同じ方向を向いていないから、この先は何度もこんな風に悲しい思いをするのかもしれないな』って思うと、一昨年の恋で味わった胸の痛みが甦るようで、悲しかった。

そんな想いで、階段を上がる前に振り返ってユウくんに手を振ったら、彼も少し元気なさそうに、手を振りかえしました。

それ以上は振り向かずに、帰りました。


家に着いて、ユウくんと約束していた通り、無事に家に着きましたメールをしたら、

「ちゃんと帰れてなにより。明日は早いだろうから、今日はあんまり余計なこと考えずに眠ったほうがいいよ」って返事がきました。


そして次の日は一日なにもなく、

『初日から放置?何考えてるの?そういう人なの?』と悩んでいたら、夜にやっとメールがきました。


「昨日の今日で何だと思うかもしれないけど、帰り際に水密桃ちゃんが振り返ったとき、なんとも言えないさみしい顔をしていたのを見て色々考えた。あの時の、先のことを見越して半ば諦めたような、泣き笑いみたいな表情がすごく気になって。俺は結婚とか考えられない人間なのかも。俺は君と二人で一緒にいたら楽しいだろうし、きっと一人でいるよりずっと素敵なことが起こるって思ってる。でもそれは俺にとっての楽しいで、水密桃ちゃんにとっては違うのかも。だからこれから先、君にまたあんな風な悲しい顔をさせてしまうのかなって思ったら、俺の我儘を押し付けるのはどうなんだろうって考えた。俺は君の顔が曇るのは見たくないのです。君には暖かい陽だまりのようにコロコロと笑っていて欲しい。でも、二人が一緒にいたら、これから悲しい思いやつらい思いをさせてしまうのかもしれないとしたら、自分の気持ちだけで走り出すわけにはいかない。今日は日がな一日そんなことを考えていました。水密桃ちゃんも少し考えてみてください。ごめんね。お休み」


何を言っているのかという感じでした。

全部、私がバーで予見して彼に話したことです。


「ライフステージが違うから、いつかズレの所為でつらくなるよ。好きになっていればいるほど、苦しい思いをするから嫌なの。始めたくないの。ユウくんもこうして私の希望を知ったし、年齢的なものも意識したら、重く感じるようになるよ」とも、バーにいるとき言ったのに。

それに対して、

「先のことは分からないから、今は一緒に居ようよ」って言ったのは誰!?


「一緒にいる間に色々考えていたけど、ユウくんに惹かれてどんどん考えがまとまらなくなって、もう考えても無駄だから、一緒にいたい、何も考えずにこの暖かい手にしばらくの間自分を委ねてみよう。心の声を聞いてみようって思ったから『いいよ』って言ったんだよ。それなのに、やっぱり色々考えた方がいいの?」

私は返事にそう書きました。


深夜でもないのに、返事はなく勿論電話もなく、次の日は一日待っても音沙汰なく。

このまま違反と言えば違反だけど、真のハズ候補でもないし、放置されるのは我慢ならんと思って昼休みにメールしました。

「ずっと色々考えているの?個人の問題でないことを一人で考えて決められてしまうのは嫌だなあ。一緒にいたら、楽しいことばかりじゃなく、悲しい事もあるかもしれないとは思ったけど、それでもユウくんといたら新しい世界が見られると思った。こないだの別れ際は心配させるような顔をしてごめんなさい。でも私はどんな結果になるとしても、付き合ったことを後悔したりしないと思ったからOKしたんだよ。惹かれて、ユウくんと一緒にいたいと思ったから」


彼の返事は夜に、

「結婚ということを最初から考えないといけない付き合いに乗り出すことになるからかも。俺は今まで結婚したいと思ったことがないし、子供を可愛いと思った事もない。そんな人間が、水密桃ちゃんのように、結婚をしたいと思っている相手を希望している人と一緒に時間を過ごすことに戸惑いがある。俺は一緒にいたいけど、水密桃ちゃんがいつか時間を無駄にしたと思う時がくるかもしれない。それを考えると自分の気持ちだけで走り出すわけにはいかないって思う。

今日は出張前なのに風邪をひいてしまったからもう寝るよ。また週末に。おやすみ」と。


結局、結婚のプレッシャーをかけたから、時間を置いたら腰が引けただけじゃん。

そう思うと愛想が尽きた気がして、

「もういいよ」って打って、終わりのメールを送ろうとしました。

でも、送信ボタンを押す指が動かないのです。

ほんのちょっと指に力をこめるだけだと頭は思っているのに、指がぴくりとも動かない。

画面の、自分で打った文字を見つめたまましばらく動けず、少ししてから諦めて作ったメールを捨てました。


「もう寝るよ」って書いて、私からのメールを拒否していると思った。

「出張だから」って書いて、仕事を盾に出してきたと思った。

「週末にまた」って書いて、週末まで話し合いを先送りにしようとしたいんだと思った。


ジョン・グレイ風にいうなら、男が穴にこもって考えこんでいる間は外からやいのやいの言われたくないはずだし、ここまで言われて追いかけるようにメールぜめにするのも癪だし、もう放っておこうと思いました。

追いかけるのはダメだし、自分自身もしたくない。

話し合いたいけど、話し合いたがらない人とは話したくない。

夜はそのまま眠りました。来ないメールを心のどこかで期待しながら。


どうしたらいいのか、どうすればいいのか分からないと迷いながら、朝起きて一日を過ごしました。

一日の間に何度メールを見ても、ユウくんからのメールはありませんでした。

「とにかく、週末までは連絡が来るわけないか…」
寝ようと思ってお風呂に入りました。

もうこれは終わりだと思った。

切ない文章を並べた所で、ただ結婚のプレッシャーに恐れをなしただけの男だ。

お互いの共通項が多すぎて、運命の片割れのような気すらしたけど、なんでもないただの男だ。

ユウくんと会ってから、私はオンラインサイトのプロフィールを非公開にしていましたが、お風呂で色々考えているうちにそれが腹立たしく思えたので、公開状態に戻すために五日ぶりにログインしました。

足跡と、ユウくんを含め、マサさん、サキさん、アラタさんの最終ログイン時間を見てみると、マサさんとサキさんはそれぞれ、七日前と五日前で、アラタさんは一時間以内、ユウくんは24時間以内でした…。


「出張なのに?風邪をひいたからすぐ寝るって言ってたのに?数日前に付き合うって始まったのに?」悲しい虚無が沸きあがってゆっくりゆっくり消えていきました。

一昨年付き合っていた人の浮気が発覚した時の気持ちに似ていました。

大事だって思っていた人が、大切に思うのに見合わないことをしていた時の失望。

悲しいはずなのに、笑いが毀れる。
会ったばかりの人なのに、まだ何も知らないのに、好きになってしまっていたのか涙がぽろぽろ出てきました。

心がキリキリと締め付けられて小さな悲鳴を上げました。


とにかくプロフィールだけは公開状態に戻し、現実から逃げるように眠って、朝が明けてまた一日経ったけど、ユウくんに失望して彼を見限ってもいるのに、反面、執着してもいます。



「いらないこんな人」


「あんなにも片割れのようにぴったり来る人とはもういないかも」


こんな思考を、ずっと行ったり来たりしている…。

正直、筆が進まなかったのだけど、先が少し見えてきたので書きます…。


お魚さんのうちの一人、同い年のユウくん。

デートゼロで会ったその日にお付き合いすることになりました…。

でも、既に問題ありだし、お魚さんから外そうとすら思ったから違反ばっかりなんです。。。

書きたくないなあ…。

でも未来の自分の為にも記録しておかないと!


ユウくんとは、私がプロフィールに書いたキーワードで盛り上がって、

「なんだか水密桃さんとは、実際に会ってお話した方が早そうだって初めて思いました」って言われ、私も同じ気持ちでした。

なんていうか、離れ離れになっていた子供の頃の親友を見つけたような不思議な気持ちだった。

二回目の漁業で仕込んだお魚さんの中で、一番最初に会うことになりました。


「水密桃さんにも僕にも合いそうな映画があるから見に行きませんか?そのあと珈琲の美味しいカフェにお連れします」って言われて、日曜日のデート。

私が支度に手間取って、映画だというのに三十分遅刻してしまったのだけど、その対応も迅速かつ的確で、出来る男の匂いを感じました。

結局、映画は狙っていた回が満席だったので、先にお茶する段取りをメールでやりとりして、駅の改札口で対面。


またしても、写真とイメージが違う人がやってきました…えっ

「写真だとタイプだったけど、実物はちょっと違うなあ…。映画見たら適当にあしらって帰ろう」とすら思っていました。


なので、最初から緊張ナシで、自分をよく見せようともせず、かなーり気を抜いて対応していました。

カフェで会話が途切れても、

「あー、黙っちゃった。まあいいか。困るならこの人がなんか考えて話し掛けてくれば良いんだし。それがTRだし」なんて考えて。

そうしたら、ユウくんに、

「俺は普段、こんなカンジでまったりしてしまうんだけど、つまらなくない?はきはき喋った方がいい?」と聞かれました。

今までの彼は放っておくと自分のことを勝手に色々喋り出し、私はそれに相槌を打ったり、質問をして話を深めたりするようなコミュニュケーションを取る人たちばかりだったので、あんまり話さない人は初めてだし、合うのか合わないのかわからないと思いました。

居心地は別に悪くないけど、未知数だと。

「うーん、別に平気ですよ。あんまりガツガツして色々聞かれる方が困ってしまうし」と答えておきました。


気になったのは、珈琲を飲みきってしまってから一時間くらいお店にいたのだけど、

「もっと何か飲む?」って言ってくれなかったこと。

空のカップとお水だけでずっと話しつづけていたのは不満でした。

支払いは彼が。といっても二千円程度だけど。


お茶の後は結構時間ギリギリでお店をでて映画館へ。

あんまりにもギリギリだったので、チケットはユウくんが取って置いてくれたので入場できたけど、席は離れ離れでした。でも、初めて会ったばかりの人がそばにいると緊張して集中できないし、却って良かったかもって思った。


映画はいい映画でした。

面白い!とか感動した!って言うのとはちょっと違うけど、見ておけてよかった。見る機会をもらってよかったなあと思いました。

ちなみに一応チケット代を払おうとしたら、いいですよ、って断られました。

私は映画とお茶だけのつもりだったけど、映画の回をずらしたことで劇場を出る頃には夜ご飯時だったので、ユウくんが

「ご飯どこで食べようか?」って言い出しました。

初回だし、

『どこで食べようか?じゃなく、ご飯も付き合ってもらえます?とかだろうが』って思ったんだけど、それ止まりで、それ以上嫌な気持ちにはならなかったのです。むしろ、ご飯も食べて帰りたいくらい気に入られたんだなって思ったら、ちょっと嬉しかったくらい。


いつからそうなったのか自分でも全然わからないのだけど、私はユウくんに対して、好きまでは行かないけど、もうちょっと一緒にいたい人だなって思うようになっていました。


「いつでも比較的空いているカフェがあるからそこに行こう」って言われて、駅から少し離れた場所を歩いていったのですが、お店は閉店でした…。それでユウくんが、

「じゃあ、何か軽く食べて、それからこの近くにあるバーに行くのでもいいかな?」って提案してきたので、それに乗ることに。軽くっていっているけど、この辺は定食屋とラーメン屋しかないけど…って思っていたら、目の前につけ麺のお店があって、そこに入ることになりました…。


『ラーメンは好きだし、寒いからあんまりうろうろしたくないけど、デート初回でラーメンってどうなの?支払いはどうするの?』って思いました。そして、食券形式だったので、支払いは自分持ち…。

更に、次に行ったバーもビール専門のバーで、支払いは最初にそれぞれ…。

イラってした。

こんな風に今後も割り勘にされ気味だったら、切らないとって思いました。


バーでは周りにあまり席のない、隔離されたようなスペースに座ったので、私達の他には隣にカップルが一組いただけ。

そんな状況でそれまでの流れのまま話をしていました。

ユウくんと話していると、その知識と経験に圧倒され、また行動力にも頼りがいを感じて惚れ惚れしてしまいました。一生一緒に歩いてくれるなら、人生のパートナーに欲しい、って思った。

でも、昼間行ったカフェでの話の中で、ユウくんはあまり結婚願望がないし、家庭と言うものにも興味ないって知っていたので、せいぜい本命のために気持ちを分散する目的のお魚にしか出来ないなあって思っていたのです。


それなのに、

『そろそろ帰ったほうがいい時間だな~。そもそも初回なのに三時間どころか、六時間以上一緒にいるし…』なんて考えていたら、ふとした弾みに、

「これからの事だけど、俺は水密桃ちゃんと付き合いたいと思っているよ」と切り出されました。


『気に入られているとは感じていたけど、それにしても今日言っちゃうの?』って戸惑い、また

『他に三人のお魚がいるから、この人と即座に関係を決定するのは不利になっちゃう』なんて計算しました。

大体、ユウくんは結婚したいと思っていない、ハズには不向きの人だし…。


「いや?」って聞かれたので、私が以前読んでいたRGさんのブログの台詞を拝借して、

「まだ知り合ったばっかりだし、お互いの事よく知らないじゃない?」って答えました。

そうしたら、

「人によっては、じわじわ関係を深めた方がいい子もいるけど、水密桃ちゃんの場合はそうじゃない気がする。踏み込まないと、この先四回、五回とあったところで、何も変わらないと思ったから、今日言ったんだ」と言われました。

それはそうだと思った。

私は違反ガールだった頃、好きになった人には一気に心を開いて急激に近寄っていたし、ミツルくんやユキヒロくんと三回目の約束をするまでになっても、嫌っていないのに心は全然開けず、彼らに去られていたから…。


「まだ乗り気じゃないっていうなら、今日みたいにたまに映画に行くだけの友達でもいいよ。それで週に一回会うのでも、月に一回会うのでも。それか最初のうちは様子見で、水密桃ちゃんが嫌だって思ったら、突然着信拒否とかして逃げ出すって形でもいい」とユウくんは言い、

私は、

「ユウくんにはもっと感受性の強い変わった女の子の方がいいと思う。私なんかではすぐに飽きてしまうよ。それに私は結婚したいけど、ユウくんは結婚したくないんでしょ?そういう人はいくつになっても変わらないし、付き合っても年齢的に、結婚したがっている私に重さを感じてしまうと思う。ユウくんには惹かれているけど、お互いのライフステージにずれがあると思う。だから好きになってしまったらいつか辛くなるんだよ。別れる時に好き過ぎてつらいのはもう嫌なの」と答えました。


いっぱいいっぱいだったので、違反とかTRとか考えられずに、自分の心を殆ど吐露してしまいました。


それでもユウくんは、

「困らせたいわけでも、無理強いしたいわけでもないから、水密桃ちゃんが嫌がるなら諦めるけど、でも今二人でフィーリングがあって一緒にいたいと思うなら、付き合おうよ。俺は今は結婚したいと思っていないけど、二人一緒にいるうちに自然とそういうことを考えられるようになるかもしれないし、先のことなんてわからないから、今悲観的な予想だけして踏みとどまるなんてしたくない」と言うのです。


男の人のテンションが高いのは最初だけ。

男の人が一番頑張るのは獲物を落とそうとする時だけ。


頭の中でそれらの言葉が繰り返し浮かび上がって来たのに、もう私は冷静に思考を働かせることが出来ませんでした。

悪く思っていない男の子から、強く求められることの恍惚に逆上せ上がってしまって、どんどんユウくんに惹かれてゆくばかり。

いつのまにか握られていた手を、もっとずっと掴んでいて欲しいと思ってしまって止まりませんでした。


そのうちに隣の席のカップルが帰っていったので、ユウくんが

「やっと邪魔者がいなくなった」と笑い、それ以前にも何度か言われていたんだけど、全然冷静になれなくて、困って口を尖らせていたら、

「ほら、もう、そんな唇したらダメだって言ったでしょ。キスしたくなっちゃうよ。意識してないんだろうけど、男の前でそんな口したらダメだよ」ってたしなめられました。

でも癖なんです。困れば困るほど、深く考えれば考えるほど、唇を尖らせてしまう。。。

それで、ユウくんが口説くと言うか、私の断り文句に反論してくればくるほど、困って口を尖らせてしまって、ユウくんには

「やめなさいって。キスしてもいいの?しちゃうよ」って言われる始末。

その頃には私はもう、言葉で付き合えないって言ってるだけで、心も身体もすっかりユウくんに捕まっていました。もっと手を握っていて欲しい。キスして欲しいって。


「しちゃダメ。そういうことは彼氏じゃない人はしちゃダメなの…」って言うと、

「だから付き合おう?」って、頬に、唇に触れられました。下を向いたら、私の髪の毛を触って、

「こんな風にちゃんと巻き髪にしてお洒落して来てくれたのは、それなりに俺に希望があるからでしょ?ちょっとは見込みがあるから、きちんと準備してきてくれたんじゃないの?」とユウくん。


バールで心の扉をこじ開けられている気がした。

そしてそれが嫌じゃない自分がいるのも分かっていた。


言葉や計算の結果とは裏腹に、ユウくんとキスしたいと思っている自分が恥ずかしくて、半分泣きそうになりながら下を向いていたら、

「こっちを向きなさい。ほら、顔を上げて」って頭をユウくんの両手で挟まれて、そのままキスしてしまいました…。


すっごく気持ちよかった。

気持ちが入りかけていたのもあるけど、単純にテクニックによる部分もあって、

『ちょっとキス上手すぎ!なんでこんなにキスが上手いんだこの人』って思ったら、危険な気がして慌てて唇を離しました。


もー、違反違反!!!

大体、付き合うまではキスしないって自分で決めたのに!!!

バカ!私バカ!!

バカバカバカバカ!

ユウくん

28歳、学年的に同い年。

私がプロフィールに書いていたキーワードでピンと来たらしく、その話題で盛り上がって、すぐに会う約束まで発展しました。

少し郊外に住んでいて、ご両親と同居。

製作・企画系のお仕事をしています。


マサさん

35歳。

写真のイメージだと、背が高くて少し外人っぽい顔立ちの人。華やか。

メールの雰囲気だと、若い気持ちを忘れないようにしている大人の男性、というイメージです。

仕事が出来そうだし、年収もそこそこ。

新しいお魚さんのうち、一番年上です。


サキさん

二つ年下の27歳。

プロフに写真を載せていたものの、下を向いているはっきりしない写りだったので、別の写真をリクエストしました。

そうしたら、元の写真と随分印象が違う人でした。

お魚さんの中で一番年下。

そして、ちょっと自信なさげというか、アプローチに慣れていない感じ。

年収はマサさんと同レベルなので、若いのにすごいなあってカンジです。

家が結構近く…。


アラタさん

32歳。

足跡から見つけた写真がタイプだった人。

彼のページを見に行ってから、別の日に足跡をもう一度探したらいなかったので、プロフィールを非公開にしてしまったんだと思っていました。別の女性と上手くいったタイミングに擦れ違ったんだな、って。

そうして数日後、来たメールを一つ一つチェックして処理していたら、見覚えのあるプロフの人がいて、写真を見つけた人だと分かりました。

私の足跡を見てメールをくれたのに、トップの写真を変えていたから気付かなかっただけだったのでした。

見直したら、足跡にもそのまま残っていました。

趣味が合いそうで、かつユウくんと同じように、私にとって特別な物のキーワードに引っ掛った人です。



今度のお魚さんはミツルくんの時の失敗を踏まえて、すぐにでも結婚を考えられる年収の人たち。

いい年の男性が、年収面で自信がなくてガタガタ言っているのはもう見たくないです。

あんまり頼りないと無駄にシロと比べてしまうし、将来性がある頭の良さそうな人を選びました。

年収面で見たらユウくんが一番低いけど、それでも同じ年代では成功組に入るレベルです。


これで経済的なことをあまり意識せずに、それぞれを天秤にかけられるでしょう。

去年の年末から交流のあったミツルくんは、ドライブデートに行く約束をしていたけど、向こうからすっかり連絡が来なくなってしまったので、イケスから逃げてしまったみたい。

年明けに帰京の途中でデートをした時は楽しかったし、もっと一緒にいたいと思ったから、少しさみしかったです…。

男の人に心を許すと、こんな風に手傷を負うから嫌だなあ。。。


それにしても、ミツルくんもユキヒロくんも、会っている最中はそれなりにいい感じで、また会ってくださいって言われて別れているのに、それ以降のメールのやりとりでフェードアウトになっているので、なにか問題があると思う。

知り合っているきっかけがオンラインサイトで、男女差があるとはいえ、お互いに他の人と出会う可能性はそれなりにあるわけだから、他の人といい出会いがあったのかなあと考えられるけど、なんだかそれだけじゃない気がする。

もっと、私自身の問題。


私が周りの友達に、よく言われるのが、

『隙が無い、固い、男慣れしてない』ということ。

確かに、周りの女の子のような、ちょっとした下ネタに上手く返す術や、女性らしい柔らかな話術は持ち合わせていないので、よっぽどこの人なら甘えても大丈夫って思える男の子じゃないと、同性かのような、自分が男であるかのような態度でシャキシャキ接してしまうのです。


自分の中の女性性と、未だ上手く折り合いがついていないのだと思う。


そういう部分があって、デートをしていても、嬉しいとか相手にそれなりの好意があるとか感じさせるような、女らしい可愛らしさに欠けていると思います。

礼儀正しくて、はずさなくて、また会いましょうって口にはしているけど、手応えの無いつまらない女。

自分に興味のない女。

お魚さんにそう思わせてしまっているのではないかと思う。


第一印象でそれなりに気に入られているのに、回を増すとフェードアウトになってしまうのは、その辺がネックになっているのかも。


どうしても壁を作ってしまうみたい。

『もうちょっと仲良くなりたいかも』って、相手に興味は持っているのに、男の人に対して壁を壊せずに接していると思う。


もっと柔和にならないとなー…。

好きでもない人すら勘違いするくらいに。


オンラインサイトで申し込みが来たうちから、七人にとりあえずメールをして、やり取りをしているうちから二人切り捨て。


残る五人とそれぞれのペースでやりとりしていましたが、そのうち一人は会う約束を切り出さないままメールアドレスを聞いてきたり、声が聞きたいからと電話番号を聞かれたりして、ちょっと距離感の取り方が他の人と違って変だなあと思っていました。

私は、会ってもいなくて、実際どんな顔かしっかりわからないあやふやな印象の人と長電話する気は無いのですが、その人はやたらゆっくり話をしたがって正直うっとおしいと感じました。

「もう寝るので」といって切ろうとしたら、

「じゃあ週末にでもゆっくり電話して話したいんだけど、いいかな?」と聞かれて、週末には五人のうち一番話の弾んだ一人と会う約束だったのだけど、それも昼に映画を見てからお茶をする程度だから夜なら帰っているかと思ってOKしました。

面倒臭かったけど…。

そして改めて電話が来て、ウンザリしつつもしばらく話した結果、せめて会ってから決めようという気持ちより、この人とは関わりたくないという気持ちが大きくなったので、この一人も切り捨て。


現在、新たなお魚さんは四人です。


後の日記で個別に詳しく記述します。



少し時間が空いてしまった日記です。


一週間ちょっと前の連休の終わりにシロに会いました。

年明けに会った時、お土産でもらった明太子があるから持ってくるって言われていて、彼が連休に会いに来るのを私はすごく楽しみにしていたんだと思います。

年明けに会った時、楽しくて所謂デートって感じで、今までお互いの家から殆どでない逢瀬とは違って、なんだか心が近づいてしまった。シロもいつもより優しくて、心地よさそうで、それにきっと実際にそうだったから、明太子が悪くなる前にとはいえ、一週間空けずに遊びに来る約束をして帰っていたのだと思う。


でも、連休のいつになるかもわからないのに、ただシロと会えるのを楽しみに待っていた私と、すぐに通常の生活に戻って仕事に浸かり、約束を果たすためだけくらいの意味だけで私の家に来たシロとは、その前と違って随分温度差がありました。


週明けにまた始まる一週間に備えて、徐々に仕事モードに入ろうとしていたシロ。

待ち焦がれていた空腹感と、次がいつになるか見えないからひたすら彼に縋り付いて甘えたい焦燥感を抱えた私。


特に何を言ったわけでもないけど、私が甘い時間を求めていたのを彼は察して、それに答える気が無かったのだと思う、いつもより早めに帰ろうとしました。

私もそれに気付いていた。

でも、自分の気持ちや欲望を抑制できずにシロに触れたがったので、シロは昔のように冷徹になって、振り払うかのように帰り支度を始めました。


帰り際、バイクで帰ろうとするシロに虚無感を感じて、声を掛けて呼び止めたのに聞こえなかったのか振り返ってくれなかったから、少し走って追いかけて、

「眠そうだから、本当に気をつけて」って伝えたら、

「わかってる」と、機嫌悪そうに言われました。



家の中に戻ってから、やってしまったと思いました。

シロは私のことを好きな彼氏ではない。

心地良さを求めて会っているだけ。

それは、都合がいいだけの関係と言い換えてもいい。

彼にとって負担になったらこの関係は破綻するのに、私は恋愛をしているみたいな逢瀬で浮かれて、分かっていたはずの距離の取り方を間違ってしまった。

シロはきちんと分かっていた私を好ましく思ったからこそ、そばにいてくれていたのに。


縋ったり執着したりは勿論反TRだし、単純に男の人が嫌うこと。

去年付き合っていた人とも、私のこういう反応で辟易されていたんだった…。

あー。あー。あー。


私ばか。


もうシロとは会えないかもしれないって思ったら、大きな虚無に襲われました。

その感触を感じて、去年の彼と終わった時の事を一気に思い出した。

心を許した人を失う感覚。

とても恐ろしい感触。


あー、私またやってしまった。

そう思った。


ただ、半日後にはそんな思いもすっかり消化していました。

これまでの一年弱、シロに依存するような生活はしてこなかったから。


突然シロと会えなくなったところで悲しくないわけじゃないけど、私の生活自体は大して変わらない。

教わりたいこと、一緒に過ごしたい時間はまだまだあったけど、これで終わりだというなら仕方ない、と。

この程度で切られる縁ならただそれまでの事。

初めてシロに会った頃、再会する前、再会した後、シロには本当に色んなことを教わった。

満たされなくても、足りないことはない。

だからただ、シロが無事に家まで帰って、この先一生会えないとしても、彼がこの世界のどこかで生きているならそれだけでいいと思いました。


それに一度うんざりさせただけで終わりではないかもしれないし、それなら時間を置いてクールダウンを取って、私は私の気持ちを整理して、これまでより更にコントロールできるように建て直しを図って、シロの機嫌が直った頃にふと連絡すればいいんだとも思ったし。


人生は生きている限りやり直しがきく。

隙やタイミングを窺って、何度でもチャレンジできる。

それが生きていると言うことだから。


生き続けていることで発生するチャンスだから。

ヨシミチさんに、

「もうお会いしません」とメールしました。

お返事はありませんが、これで終わりになったと思います。


ヨシミチさんはテンションが微妙に合わなくて、それを彼が察していない部分や、自分の予定を押し付けてくるところが心地悪いなあと気になっていました。

あと、一緒にお食事をしたときに二件目のお店で、バカスカ勝手に頼んだ上でお金を取られたのと、ご飯の食べ方が汚かったのが地味に気になっていて、

「土曜日空いてますか?」と聞かれたので、空いてますと答えたのだけど、

「映画でもいきましょう」と言われてから、

『微妙に合わない気がするのに、映画一緒に見に行くのって、一歩間違ったらすごく退屈そう…。食事代の上に映画代も割り勘になるのかなあ…』なんて考えたら、会うのがすごく憂鬱になった自分に気が付きました。


好きな人だったら、どんなに節約してでもお金を作ってデートしたいって思うし(TRでは違反ですが)、一度でも憂鬱に感じてしまった人は無理をしても好きになることはまずないって去年の夏に学んだので、自分を騙して心の健康を失う前に、手を切りました。


ユキヒロくんはお正月以降メールがないから、こちらは放流というより逃げてしまった感じです。

またお会いしましょう~と言われたまま、フェードアウトになってしまったので、他に女性がいっぱいいるんだろうなって思うだけです。

素敵なデートにわくわくはしたけど、信頼はできなかったなあ…。


ミツルくんだけ残っています。

でも会うたびに、年収面での不安を口にする彼はなんだか男気にかけるので尊敬できないなあ。。


新しい漁業にスパートを掛けたので、お会いすることになりそうな人が数人。


正直心が疲れています。


結婚に対する意欲が落ち気味…。


そもそも私、男の人好きなのかなあ、とか思ってしまう。