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 おかげさまで「骨董亭如庵」第10回目になります。毎晩、30分ほどの時間をかけて、骨董にまつわる話を文章化するのは楽しいことです。もちろん、どなたかが、偶然、読んでくださって、批評してくれるともっと楽しいのでしょうが、それはそれ。私は書くことが好きですし、骨董もすきですし、ブラジル音楽もすきです。
 さて、今夜は、骨董市で出会った古本のお話しです。私は佐伯啓思さんの著書の愛読者です。彼を右寄りという方がいらっしゃいますが、そういうレッテル張りは安易ではないでしょうか。私が佐伯さんを面白いと思う理由は、物事を深く根本から考える、そういう姿勢です。去年の暮だったと思いますが、佐伯さんの本を読んでいたら、「私(もちろん、佐伯さんのことです)は奈良の出身だが、奈良からはたいした人物がでない。あえて言えば、奈良出身ではないが、奈良在住の方でいえば、数学者の岡潔さんくらいかもしれない」という趣旨のことを書いていました。佐伯さんが、そんな自虐的なことを書くのは、面白いと思いました。また、岡潔さんと小林秀雄さんの対談集「人間の建設」という本があるとも知りました。
 その本を読んだ週末に、東京の代々木公園の骨董市へ出かけました。ある業者が、古本を並べていました。私は骨董も好きですが、古本も好きです。古本を並べている業者がいました。骨董や美術関係の古本が多かったかのですが、ふと見ると、「人間の建設」という本があるではないですか。奇妙な縁を感じました。最初のページを読んでみると、小林さんが京都・五山の送り火をどう思いますか?と尋ねると、岡さんは、「私は嫌いです。環境破壊ではないですか」といったような発言をなさっていました。私自身、大文字の送り火は、京都に住んでいましたので、何度かみていますし、一度は、大文字山の頂上に上り、夜8時、たいまつに最初の火が点火された瞬間に、山を登ってくる途中、その日は最高気温37度を記録したほど、暑い日だったのですが、大汗をかいて、タオルは汗びっしょりでしたが、たいまつの火の暑さであっという間に、タオルが乾燥し、まつげが焼けるような体験をしていたのですが、この岡さんの発言には笑いました。「人間の建設」は二人の対談のかみ合わなさが面白いと聞いていたので、これかと思いました。即、購入しました。値段は500円ほどだったかと思います。
 この古本を並べている業者のところには、湯のみ茶碗にいい九谷の焼物が古本の傍らに、申しわけなさそうに置いてありました。1個、気にいったのがありました。口縁に小さな金繕いがしてありましたが、なんと100円だというではないですか。これもいただきました。今では、自宅で日本茶を飲むときに使っています。お茶を飲むたびに、「人間の建設」を思い出します。

 まあ、骨董というのは、こうした出会いや小さな楽しみもあるということで、お話ししました。

如庵