≪  次の該当者は、退出してください。  ≫

①21歳以下の方
②未婚の方
③未経験の方

理由、『想像力MAX』でお願いしたいので。


画像は、中国ドラマ『三生三世十里桃花』よりお借りしました。


夜華君が白浅上神を九重天の天宮に連れ帰り、洗梧宮で婚前(婚約中)同居を開始してから、すでに222年が経過していました。


時が経つのは早いものです。



東天に太陽が上がると、夜華は紫辰殿で1日中政務に励み、白浅は長昇殿で洗梧宮の差配と青丘の諸事をこなします。


太陽が西天に傾き始めると、紫辰殿に詰めていた伽昀星君(文官)と天枢星君(武官)をはじめとする諸官は、仕事の切りが良いところで太子・夜華君に退出の許可を願い出ると、帰路に着きます。


最近、夜華君の勤務時間は『日の出から日没まで』と、規則正しいものになっていました。


それには理由がありましたが『表立ってはいけない』ため、皆が目配せして、夜華君にばれないよう(十二分にばれていましたが…)に気を使っていました。



まもなく季節は冬、寒い12月を迎えます。



『狐の恋の季節(12月から翌年2月)』です。



夜華は今年、白浅と普通の狐族が過ごすような『恋の季節』を過ごしたいと、1年前から準備をしてきたのです。



夜華が非常に楽しみにしていた季節、『冬』。


これだけ寒ければ、今夜は東荒に雪が降るかもしれません。たくさんの雪が白浅の『家』に。


一面が雪に被われて、真っ白になると良いなぁ。でも、浅浅は寒がりだからと、夜華は思いました。




九尾白狐の白浅は寒がりなので、上布団だけでは足りず、夜華の懐に入りたがるかもしれません。夜華の衣の紐を解いて、あの白い手で…(夜華君がいろいろ想像中)。


真っ白いモフモフの毛で、「寒い寒い。」と夜華の温かさをもとめて抱きついてくれるかも?と期待をしつつ、執務机を片付け始めました。


綺麗好きの夜華の机が散らかる事など無く、ものの1分もあれば、片付け終わります。


諸官が退出した後の紫辰殿がいまのように静かで、執務室以外の灯りが消えるようになったのはここ数年のことです。


それまでの220年間はまるで『不夜城』のようで、『紫辰殿』が『黒龍殿』の異名で呼ばれていた程です。


夜華は今夜、青丘の若者のように、白浅に『告白』する予定です。

「青丘帝姫の白浅、私の妻になり、子狐を生んでくれないか?」

「はい。」と、白浅は返してくれる。


きっと頬を、真っ赤に染めながら。



夜華は上衣の袖から『贈り物』を取り出し、祈りを込めました。


狐族は『求婚』の際に、夫が妻に『爪切り』を贈ります。

「三日三晩、三昼夜、貴女と愛し合いたい。」

そう言って、お互いの『武器』でもある『爪』を切り、信頼と愛情を示すのです。


夜華君のお手手は『黒龍の手』ですから、もう『爪切り』は済んでました(笑)。


白浅、頑張って。




本話をアメンバーさんに贈ります。元気出してください。