・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・








花火がよく見えるポイントは既に多くの人が集まっていて、ゆっくり座れる場所はなかった



元々は男5人の予定で、地べたにドカッと座っても構わないと思っていたけど



《えぇ〜?!浴衣汚れちゃう💦》



女の子たちはそうはいかないらしい



M「(ボソッ…)うっせぇな……」



さすがに松潤も抑えたようだけどその不機嫌そうな声は俺にはしっかりと聞こえた




A「立ち見が辛かったら、あっちの公園の方なら離れてるから空いてるかもね
座れる場所もあるかもよ?」




一見優しそうで、でも一緒に移動しようとは言わない辺り、雅紀だってこの状況に納得はしてないのかもしれない




結局、ブツブツと文句を言いながらも始まるのを待ち



《うわぁ〜、キレーイ♪すごーい♪》



1発目こそそんな声を出してはいたけど、それもわざとらしく聞こえた







智くんだったらどうだっただろう


帰り道で見られただろうか?


ずっと俯いたままだったけど、空を見上げられただろうか?





隣の女の子にずっと話掛けられていたけど、頭の中は智くんの事ばかり考えていた






『や〜まや〜♪だっけ?』



「何それ、た〜まや〜♪でしょ?」



『えぇ?!僕ずっとやまやだと思ってた!』



「ははっ♪智くんって面白いね(笑)」



『そもそもたまやって何?』



「あぁ、それはね江戸時代の花火師の屋号で、かぎやってのもあってね……」



『翔くん、それ難しい話?』



「いや、別にそんな難しいことでは……」



『やまやじゃなくて、たまやだってわかったからそれでいいや 
一緒に叫ぼうね♪』






そんな風に話していたのに……







俺や松潤の反応が悪いからそのうち女の子も飽きだして、雅紀が一人で相手をしてくれていたが、それだっていつもの雅紀からは考えられないくらいの塩対応




打ち上げは1時間くらいで終了となって



《えっと、この後って……///》



何かを期待してみたいだけど



M「相葉くん、翔くん、行こうぜ」



当然のように帰ろうとして、それどころか送るつもりもない松潤にはムカついてるようだった




誘った手前


「じゃあ気をつけて」


俺も一応そう声は掛けたが、連絡先を聞かれたりまた今度も何て言われなかったところを見るとやっぱり向こうも怒っていたんだろう、結果的にはそれでよかったんだと思う








彼女たちの方を振り返ることなく会場を後にして、人混みを避けながら足早に歩く俺たちにまともな会話はなかったけど




A「ニノと大ちゃん……ちゃんと帰れたかな」



M「子どもじゃあるまいし……でも、花火見られたかな……」




独り言のようなそれぞれの言葉は、俺に向けられてる気がして胸にチクリと刺さった






ニノへは雅紀がメールをするだろうけど、俺からは智くんにしなくてはいけないと思っていた



勝手に彼女たちを誘ったこと

一緒に花火を見られなかったこと

一緒にたまやと叫べなかったこと




謝らなければならないと思っているのに



焦りや嫉妬のせいでしてしまったことだけに、この期に及んでもどこか恥ずかしさや見栄みたいなものが邪魔をして素直に謝れない俺は本当にガキで



家に帰ってきてからも

お盆休み明け部活が再開されてからも




結局、メールの1本も送れずにいた





あの時俺がすぐに謝ることができていれば



『僕こそごめんね』



そう言ってふにゃんと笑ってくれたかもしれないのに




「お詫びにどこかに遊びに行こうよ」



そう言って誘う事もできたかもしれないのに






どこまでもヘタレだった俺はそれができないままただ時間だけが過ぎて



あんなにワクワクとしていた夏休みは終わろうとしていた





やまの日から一週間
未だ終わらないお話に、カバー画とハッシュタグを使わせてもらうのは申し訳なく
何とか8月中には終わらせたいので頑張るしかない
夏休みもあとニ週間
娘たちの宿題、課題は終わったみたいでホッと一息
でも最終週は義実家へ帰省
一番疲れるやつ(›´ω`‹ )