・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・
シャワーを手早く済ませ、ユリさんが用意してくれていた新品の下着とTシャツとジャージを借りて身なりを整えリビングに行くと、潤くんの寝かし付けに成功したお父さんも戻ってきていて、テーブルにはたくさんの料理が並んでいた
《おまたせしました、さぁ食べましょう♪》
みんなでグラスを合わせて乾杯、よく冷えたビールが喉をスーッと滑り落ちていく
きゅうりともやしのナムル、薬味がたくさんのった冷奴、トマトのサラダは酸味があってさっぱりとして、ジメっとする梅雨時期にはピッタリだ
《こんな物しかなくてごめんなさいね💦》
ユリさんは申し訳なさそうに言うけど、ジャーマンポテトや春巻きなどもあって、十分過ぎるくらいのご馳走だ
《夕飯の残りなんですけど、カレーもありますからね》
自炊もしないし、ひとり暮らしだからカレーなんてレトルトか外で食べるしかなくて
いたれりつくせり、最高かよ!
美味しい料理とビールをいただきながら、最初の話題は俺のことについて
お父さんとユリさんは、塾講師は生徒一人ひとりの人生に寄り添う責任ある仕事で、やりがいもあるだろうし素晴らしいことだと褒めてくれて
『さくら先生は何でも知ってるんだよ♪』
智くんは自分のことのように自慢げに話すから、くすぐったい気分になる
[じゃあ智も教えてもらうといいね]
勉強は嫌いだといっていたから、お父さんにそう言われるとそれはちょっと…と口をモゴモゴとさせていて、その様子に俺とユリさんは目を見合わせて笑った
気になっていたこの家のことについても、自然と話してもらえた
[智が今の潤くらいの頃、妻を病気で亡くしました 甘えたい盛りですよね、でもあの頃はシングルファザーとして必死で、智には随分寂しい思いをさせてしまいました……]
『そんなことないよ、僕、小さかったからよく覚えてないもん
それにじいちゃんとばあちゃんもいたし、父ちゃんも休みの日に色んな所連れて行ってくれたじゃん、楽しかったよ♪』
きっと多くの苦労があったはず、それでもお互いを思い合ってきたから今の二人からはそんな姿は見えなくて
素敵な親子だな……胸がじんとした
一方、ユリさんは旦那さんの不倫が原因で離婚したという
《潤の妊娠中によ?!
二度としないって泣いて縋るから一回は許したんだけど、その相手とはその後も続いてたの、信じられる?!
問い詰めたら今度は逆ギレしてきて、元々そういう性格だったんでしょうね、手を出そうとしてきて……
このままじゃ潤のことを守れないと思って、離婚を決意したの》
潤くんが6ヶ月にもならない頃だったらしい
ユリさんもまた大変な思いをしてきたんだな……
《ま、慰謝料は相手側からもたっぷりいただきましたけどね〜(笑)》
そしてなんとも逞しい
そんな二人の出会いは、お父さんの会社の取引先だった
《私の父は建設業をしてるんです
離婚後、私もそこで事務員として働いていて、そこに営業できてたのがこの人だったんです》
[社長から、今はお義父さんですけど、彼女の話は聞かされていて
私もシングルですからね、その苦労とかもよくわかって
でも、大変そうな顔とか一切見せないんですよ]
《会社ですしね、それに親に甘えてましたから》
仕事ができたお父さんは社長さんからの評判も良く、ユリさんの目にも好印象だったらしい
《父はお節介なんですよ、いい人はいないのか?うちの娘なんてどうだ?とか言い出して
子持ちバツイチの娘ですよ?失礼ですよね(笑)》
[私の方こそ40を過ぎた男ですよ、申し訳ないじゃないですか💦]
しかし強引な社長に自宅に招待されて何回か食事をするうちにお互いを意識し合うようになって、お付き合いを始めた
智くんとユリさんもお互い好感が持て親しみやすかったようで
《何より、人見知りの潤が智くんにすごく懐いて、智くんも可愛がってくれて
あぁ、この親子となら幸せな家庭が作れるんじゃないかなって思って再婚を決めました》
人と人の出会いって、本当に縁だよな……
二人とも苦労や大変な思いはあったはずだけど、今こうしてここにいる家族は幸せそのもので
本当に素敵な家族だ
俺がこの場にいられること、これもまた智くんとの出会いからなる縁で
いや、運命かもな…なんて
いつか俺も家族の一員としてここにいられることを願わずにはいられなかった
さと島オープンまで5日
人間 大野智
まさにその通りだなと
まだまだちょい見せ
これから先、どんなことを見せてもらえるのか
とりあえず黒スーツの智くんは爆イケでした(*´艸`)