・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・





寝てしまった智くんをこのままにしておくわけにもいかず、声を掛けてみたが起きる様子は全くなかった


「ビール一杯でも酔うくらい疲れてるんだよな……」

無理に起こすのが可哀想で、抱き上げて運んであげることにした

膝の下と脇から背中に腕を回しいわゆるお姫様抱っこで持ち上げるととても軽く、客間に敷いてあった布団へは楽に寝かせてあげることができた


リビングに戻りコップなどを洗い、残った料理はラップをかけて冷蔵庫へ片付けて
玄関の戸締まりを確認し電気を消して部屋にいくと、智くんはスースーと寝息を立てていた


「無邪気というか無警戒というか……
少しくらいは危機感持った方がいいんじゃないの?」

俺への信頼か、それとも全く意識していないのか

残念な気もしたが、寝顔があまりにも穏やかで可愛かったのでそれを見られただけでも良かったと思うことにして俺も眠りについた




その日はとてもよい夢を見ていた


満開の桜の木の下でレジャーシートを広げ、美味しそうな弁当を並べ

『今日は全部僕の手作りだよ』
「うん、全部美味いっ!」

たくさん食べて二人で寝転んで青空を見上げて

『あっ、髪に花びらついてる
やっぱりさくら先生だね、んふふ♪』
「智くんにもいっぱいついてるよ(笑)」

なんて笑って

お互いのを取り合ってるうちに視線がぶつかって、そのまま顔を近付けていって

唇が触れそうなところで、何やら声が聞こえてきた

どうやらそこはいつものスーパーの駐車場、買い物客の見世物になっていたようで

智くんを守らなきゃっ!

そんな意識が働いて胸にぎゅっと抱きしめて周りから隠してあげると

『さくら先生、あったかいねぇ♪』

呑気に擦り寄ってくる智くんを更に強く抱きしめた


この辺りで夢だとは何となく気がついて、でもあまりにも幸せだからこのままでと思っていたが


A「智っ、さくらさんっ、起きなさいっ!」


突然の大声にびっくりして一気に目が覚めた


大声の主は相葉さん、枕元に仁王立ちしてこちらを見下ろしていた


A「二人で何やってんの?!」

そりゃ寝てたに決まってるでしょうと言いたくなったが

A「離れなさいっ!」

どうやら夢と同じように智くんを胸に抱いて同じ布団で眠っていた


「わっ!えっ、うそっ?!智くんっ?!」

『んん〜〜〜っ……なにぃ……?』

俺たちの大声にやっと目覚めた智くん


『あ、さくら先生……おはよ♡』

「おはよ、じゃなくて!何でここに?!」


確かに別の布団で眠りについたはず、何で俺の布団に入ってんの?!


『ん〜?寂しくなったからかなぁ?』

「寂しいって💦いつも一人で寝てるんでしょう?!」

『気持ちよかったよ♡』

「っっっ!な、な、なに言ってんのっ?!」

『先生あったかいんだもん♪』

「いやいやいやっ!」

『あれ、相葉ちゃん?何でここに?』

A「何でここにじゃないっ!迎えにきたのに電話しても出ないから!」

『あ、スマホ、リビングかも……』

A「あとでゆっくり聞くからとりあえず準備してっ!」

『わぁーーーっ!顔洗ってくるっ!』

智くんは慌てて部屋を出ていった



A「櫻井さん、これはどういうことでしょうか?」

飛び起きて布団に正座する俺


誕生日会があって、三人はお祖母ちゃんちに行って、俺は留守を任されて

それなのに寝坊させてしまったのか


A「何かあった時のためにユリさんから鍵を預かっていたので遅刻させることはないですけど……
いいですか、あの子達は今一番大事な時です!
調子乗ってるなんて言わせるわけにはいかないんです!」

はい、ごもっともです……


A「スタッフからの悪い評判なんて、あっという間に広まってしまうんですよ?!」

芸能界ってそういうものなのか


A「ユリさんに電話したら、櫻井さんがいるから大丈夫でしょうなんて言ってましたけど!」

ユリさんからの評判も悪くしてしまったかもしれない


A「それに抱き合って寝てるなんて!
誰かに見られたらどうするんですか?!」

家の中だ、誰が見るっていうんだよ?!
ツッコみたい気持ちはぐっと堪えて、申し訳ありませんでしたと頭を下げた



ふーっと一つ息を吐き出した相葉さん、お説教も終わったかと思ったが、さっきまでの興奮はどこへいったやら、急に真顔になった


A「智はアイドルです」

何を今さら?


A「多くのファンに夢を与えているんです」

アイドルとはそういうものなんだろう


A「この世界、足の引っ張り合いなんてよくあることです」

……何が言いたい?



A「大人の櫻井さんならわかっていただけると思いますけど?」


確かに俺は智くんよりは大人だ

だけど芸能界のことなんて何もわからない


それでも


A「うちの智に手を出さないでください!」


真剣な顔でそうハッキリと言われたら、何も言い返すことはできなかった