･･･✤BLを含む完全妄想のお話です✤･･･
一人きりになってしまった部屋は怖いくらいに静かだった
元々TVもそんなに見る方じゃないし、音楽を掛けて賑やかにしていたわけでもない
少し前まではこれが当たり前だったはずなのな……
ぺたんとその場に座り込み、力なくそのまま床に横になると、気を失うように眠りに落ちていた
その時見た夢は、灰色の世界に俺が一人ぼっちで立っているだけのもの
見渡す限り一面何もなくて
楽しさはもちろんのこと、寂しいとか苦しいとか、そんな感情を一切持たない世界
ただそれだけだった
そのまま寝続け、目覚めた朝は普段アラームが鳴る一時間も前
肌寒く感じたのは布団もなくリビングの床の上で寝ていたからだけではない
いつも隣にあった翔のぬくもりがないから
消えてしまうのを何もできないまま見届けるくらいなら、元気な姿で魔界へと送り出す
翔の為にと自分で選んだはずなのに
『会えない事には変わんねぇじゃん……』
翔の想いを知ってしまった以上、二度と俺の前には姿を見せることはないだろう
いや、消える事になるんだ、来てはいけない
タツヤが全力で止めてくれるはず
そう考えたら悲しくて苦しくて
「ハニー、どうしましたか？！」
「わー！わー！どうしましょ？！」
「泣かないでくださいっ！」
「私まで悲しくなります……ｸﾞｽｯ……」
この場に翔がいたらこんな感じだっただろうと想像すると少し笑えたけど
今日までの楽しかった事などを一つ一つ思い出しながら声を上げて泣いた
ひとしきり泣いて
魔界から見ててくれるかはわかんねぇけど、俺がいつまでもこんなんじゃ翔が心配するかもと思って
『……よしっ、働くか！』
もう涙が溢れないようにと上を向いて気合を入れて動き出した
体自体は驚く程軽かった
ここ数日の不調なんて最初からなかったかのように
それが何なのか、今となってはわからないけど
『きっと翔が大事に……』
最初からぺたんこだった腹を撫でながら、そう願わずにはいられなかった
厨房で仕込みをしていると、外から足音が聞こえてきて相葉ちゃんが配達に来たことを知らせてくれた
そういえば翔の事は何と言ったらいいか考えていなかったな……
俺以上に感情移入しやすい相葉ちゃんのことだ、消えてしまうなんて話をしたらわんわん泣き出すに違いない
ニノなら、そうですかくらいに言って興味ないフリして実は寂しがるかも
松潤は……怒りだすな(笑)
とりあえず今日のところは里帰りしてるということにして、折を見てキチンと説明することにしよう
A「大ちゃん、おっはよー！」
朝から元気いっぱいの相葉ちゃんの声に俺も何だかホッとする
A「元気になったみたいでよかった♪またお店開けられるね」
『相葉ちゃんにもお世話になったね、あんがと、助かったよ』
A「水臭いなぁ、困った事があったらいつでも言ってよ？」
『あぁ、うん……それでさ、翔のこと……』
A「うちは家族一緒だからいいけどさ、一人だと寝込んだ時大変だよね」
『えっ……？』
A「やっぱりお嫁さんっての？
そろそろ考えた方がいいかもね……///」
『相葉ちゃん？何言って……』
A「大ちゃんの美味しいパンを並べて、いらっしゃいませーって言ってさ？
笑顔が素敵な人がいいよね♪」
可愛い子がいい？それとも綺麗系？
相葉ちゃんは一人ニコニコしながら話し続け
A「そんな人、現れたらいいね♪」
俺のとこにもだけど、なんて笑って
A「じゃあ今日も美味しいあんぱんよろしくお願いしまーす！」
元気いっぱいに帰っていった
……
………
どういう事だ？
まるで相葉ちゃんの記憶の中には翔という存在が最初からなかったみたいじゃないか
もしかしてタツヤが消していったとか……？
『だったら俺のも消してけよ……』
そうすればこんなに苦しくならなくて済んだのに
空に向かって恨み節を吐いてはみたものの
でもどうしようもないし、それはそれで寂しいし
『……今日のあんこもいい出来だなぁ、さすが雅庵だ さっさと包んで焼かなくちゃ！』
一人黙々と作業を続けた
なかなか出せなくてごめんなさい💦
忙しいわけじゃないけど
春休みって何か落ち着かなくて
一定期間お休みしてまとめて出すのと
不定期にぽつぽつ出すの
どっちがいいのか……
多分michaさんのやりやすい方で！
と言ってくれるのはわかってるけどね
とりあえずは書ける時に書きます←当たり前www