・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・









M「二人でゆっくりしてたら良くなると思うよ(笑)
じゃあ何かあったら連絡して」




松潤は笑いながら帰っていった




「ハニー、大丈夫ですか?!」




それは体のことか、それとも




「まったくもうっ!松潤さんったら!」




まだプリプリと怒って、松潤に対してなのか





いずれにしてもくすぐったい気持ちになった




『あぁ、大丈夫だよ……///』




未だキツく抱きしめられているこの腕の中はとても暖かく、言葉なんてなくてもこんなにも安心できてるんだから




そしてその腕を少し緩めて顔を覗き込んで来る目は優しいんだから




そう思ったら体も本当にラクになってきたみたいで




「あっ、ホントだ……あんまりホカホカじゃないです!」




おでこ同士をピタリとくっつけ確認してくれるが、その近さに別な熱が上がってしまいそうだ







『随分といっぱい買ってきたんだな……』





床に散らばるプリンはどれ一つとして同じものはなく




「とろふわがなくて……ハニーが良くなるやつがわかんなかったんです……」




超デッカいやつや3連タイプもあって




「どこに行ってもないから、全種類買ってきました!」




俺のためにコンビニをハシゴしたのか……




健気だな、そう思ったら愛おしさがこみ上げた





「あぁっ?!グチャグチャになってしまいました💦」




そりゃあんな風にぶちまけたらなと、でも




『味は同じだよ』




翔みたいな優しい味がするはずだ




『これ、一緒に食おっか……///』




俺に食欲が出たから安心したのか、翔はニコニコしながらスプーンを用意して




「ハニーはどれがいいですか?」



『翔はどれがいい?』



「ハニーの為に買ってきたんです!」



『わざわざ買いに行ってくれたんだから!』



「ハニーからです!」



『翔からだ!』





こんなくだらない言い合い、松潤がいれば



M「夫婦喧嘩は犬も食わないらしいよ(笑)」



そう言って笑うだろう






結局は、せーので一個ずつ選んで




それだってお互いを気にして一口ずつ食べさせあったり、大きいやつは二人で分け合ったり




「ハニー、顔色よくなりましたね♪すごいです!」




プリンのおかげだと思ってるみたいだけど、間違いなく翔のおかけだ






実際のところ、少し熱っぽさはあるけどツラさはなくなっていて



それはきっと心が軽くなっていたから




病は気から




まさにそんな感じなのかもしれない









臨時休業の張り紙を見た常連さんが何事だとチャイムを鳴らすことはあったけど、翔はそれに丁寧に対応してくれて




結果、青果店からはフルーツ、惣菜屋からは弁当類、様子を見に来てくれた相葉ちゃんからは試作品だという新商品などがお見舞いの品としてやってきた





『ありがてぇな……ちゃんとお返ししなきゃな』




「ハニーが元気になって、お店を開ける事が一番のお返しですよ♪」




『そうだな……二人で店に立ってお礼言わなきゃな』




「はいっ!」









夕方には松潤からも連絡があって



M「ちゃんとゆっくりしてるだろうな?」




それはどういう意味だろうと思ったけど、さっきはすっかり忘れてしまったお礼を松潤にも言うと




M「おー、いい顔してんな」




メッセージなのに顔見えるはずねぇだろ(笑)
でも、これが松潤なりの心配や気遣いなのかもしれない





M「それから体のこと、病院なら付き合ってやるから」




不動産屋ならではの広い顔、知り合いの医者を紹介してくれるらしい




M「まずは検査してみたら?」




それが一番な気がする




M「斗真のとこじゃ買いづらいだろうから、俺別のとこで買って持っていってやるよ」




なんて男前な奴なんだ




『松潤はいい奴だなぁ……』




思わず口から出た言葉に反応したのは翔




「ハニー……やっぱり松潤さんのお世話の方がいいですか……」




泣き出しそうな顔、その手にはお見舞いでもらった林檎、剥かれた皮はまな板の上で立つんじゃないかってくらいの厚さで




不器用なくせに一生懸命な翔




『ふふっ、翔はそばにいてくれるだけでいいんだよ……///』




いつもキッチンに立つ俺に翔がするみたいに、その背中にぴたっと抱きついた




そして




『翔……俺はお前が好きだよ……///』




きっと松潤がいたら顔が真っ赤だと揶揄われたことだろう



でも溢れてしまったから



素直にその言葉がでてきた







ドキドキがくっついた背中から翔に伝わるんじゃないかってくらい大きくなって、恥ずかしくなって背中に顔を擦り付けてみたけど




「……」 




やっぱり好きという言葉を知らないのか、翔からの反応は全くなかった