・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・









夕方には体もラクになったので、味噌汁くらいは自分で作るかと言うと




「ハニー、大丈夫ですか💦」




キッチンに立つ俺からピッタリと離れない翔のその心配症にくすぐったくなったり




「相葉ちゃんのも美味しいですけど……やっぱりハニーのご飯が一番です♪」




おいおいと窘めつつも、味噌汁を美味そうに啜る音すら愛おしくなったり






さすがに風呂は別々に入った




「程々にしないといけないんです!」




相葉ちゃんの言いつけを守る翔は健気で、もちろん明日起きられないと困るからその方がいいんだけど




少しだけ寂しいと思ってしまったのは俺の方かもしれない




相変わらず2枚並べて敷いた布団




『寒いだろ?一緒に寝るか……///』




最初から抱き合って寝ることにして




「ハニー、おやすみなさい♪」




額に落としてくれたキスに物足りなさを感じつつも、ギュッと抱きしめられて穏やかに眠りにつくことができた









気持ちよく目覚めた朝、暖かい布団の中に充満する翔のニオイ




甘く、それでいて男らしいその香りは何やら刺激的だったけど




「ハニー……おはようございます……
今日も頑張りましょうね……」




寝惚けまなこをゴシゴシ、でも寒くて布団から出たくないとグズる姿は小学生みたいで可笑しかった





夜のうちにニノからラインが届いていた



おめでとうと、こちらからも程々にの言葉



相葉ちゃんから話を聞いたんだろう



恥ずかしさもあったけど、心配してくれてたんだとしたら有り難い





一方松潤からは、自分ならご飯作るまでセットでできるよと抜かりないメッセージ




あいにく間に合ってるので遠慮するし、翔が何も出来ないってとこまでが俺の中のセットなんだから






配達に来てくれた相葉ちゃんは、ちゃんと仕込みをしてるところを見て、我慢できたんだねと翔を褒めていた




むしろ我慢したのは俺だったとはさすがに言えなかった







子どもたちの冬休みも終わり、商店街は一気に静かになったが、元からここはこんな感じだったわけで




近所のお年寄りや、小さな子を連れた若いママさんや時々サラリーマンの姿





そんな中、うちにはいつもより少しだけ多いお客さんが来てくれて




相変わらず翔はモテモテで少し面白くないけど




「メロンパン、あと3つです!」とか



「食パンのスライスご注文です!」とか




翔の頭の中はパン屋を手伝うことでいっぱいらしく




「さすがハニーのパンですね♪」




厨房で追加でパンを作る俺のそばでニコニコ笑ってくれるから、俺もあまり気にならなくなっていた








やっぱり色々と歯止めが効かなくなりそうだったから、セックスするのは休みの前の日と決めた




その代わりと言ってはなんだけど、熱く何度もお互いを求めあって




意識を飛ばす日もそうでない日も、ギュッと抱き合って眠って



当然風呂も一緒に入るが、そこでもするかどうかはその時によって違うけど




俺は幸せを感じていた





店の方も最初の頃みたいなバカ売れはなくなったけど、その分、二人でカウンターに入っていられたし、翔に焼き立てパンを食わせてやることもできた








節分の日、鬼の格好をした店主がそれぞれの店にやってきて豆を撒くという商店街のイベントがあった




当番制の鬼役、今年は雅庵で親父さんの代わりに鬼に扮した相葉ちゃんがうちに来た時、買い物中の小さな子どもよりも怖がっていたのは翔で





「何ですか、あれは?!ヒェーーー!!!」




いい大人が鬼にビビって誰よりも力強く豆を投げつけ




A「うわぁっーーー!イテテテーーー!」




相葉ちゃんの迫真の演技はリアリティがあり過ぎて、腹を抱える程笑えた









えらく冷え込んだ朝、この辺では珍しく降った雪を見て




「うわぁぁあ……キレイですね……」




その白さに見惚れる翔の顔も負けないくらキレイだった




雪だるまを作ってやると、自分でも作り始めて




「できました♪」




膝下くらいのを2つ並べて




「ハニーと私です♪」




上手く立たせられなかったのか、どうしてもくっつくように傾いてしまう2つを




「仲良しさんですね♡」




と言うからかわいすぎた






でも、一気に上昇した気温で店を閉める頃には溶けて崩れた雪だるまを見て



「………グスン…」




肩を震わせ泣くから胸が苦しくなって





『また降ったら作ろうな……』




来年も再来年も、ずっとずっと先の未来も……



言葉はなかったけど、翔は小さく頷いた







俺たちはそうやって毎日を何気なく過していった