・・・✤BLを含む完全妄想のお話です✤・・・
苦しい胸の内を吐き出してスッキリしたのか
(実際にはその2が全部話してくれたわけだけど)
「このチョコレートってやつは、ホントに甘くて美味しいんですよねぇ♪」
翔は清々しい顔をして
【うむ……この黒い液体と一緒に口に含めば……
そうだな、悪くないな】
その2も笑顔を見せて
問題解決みたいな雰囲気出してるけど
俺、いいぞとは一言も言ってねぇからな?
同じ男としては同情するよ
俺だって彼女がいた事はあるし、30にもなれば人並みの経験はあると思う
酒を飲み過ぎてことに及ぼうとして勃たなかったこともあって、アルコールのせいだって思ってみたがやっぱりちょっと凹んだ事もある
それが常にだとしたら
翔にとってはそれが使命みたいなもんなのに
勃たないとなれば大問題だ
そう考えると何とかしてやりたい気がするのは、もはやこれだけ懐かれれば情も移るってやつだとは思うんだけど……
「タツヤ様、チョコレートも甘いですし、ハニーがつくるパンも甘くて美味しいんですけどね?
ハニーはもっと甘いんですよ……///」
頬を染めて何やら前の方をモジモジとさせながらそんな事を言ってんの聞いてしまったら、怖くて仕方ねぇだろ?
そもそもの疑問として
『翔が思い描く人ってのはどんなのなんだ?』
俺だって言われてもピンとこない
素早い動きで俺の正面へと座り直した翔
「このお顔……シュッと整えられた眉と切れ長な目、少しタレ気味ですが可愛くもありお美しい……///
鼻筋もスッと通っていて高い
そしてこのお口、薄い唇は小さめながらツヤツヤとしていて美味しそう……///
私の理想そのものです!」
白くキレイな指で一つ一つ確認するようになぞっていく
男にそんな事言われてもされても嬉しくなんてねぇよと思う所なんだが
耳までどころか、頭が爆発すんじゃねえかくらい沸騰して恥ずかしくて堪んなくて
「あぁ……ホントに可愛らしくてどうしましょう……///」
またしても真っ赤な目でじっと見つめてくるもんだから、それから逃れられなくなって
気付けばすぐ目の前に見えたその赤い光、ゆっくりと瞼が閉じられたと思ったら……
チュッ……
柔らかいものが唇に触れた
それはほんの一瞬の出来事で
でも、とても甘いと感じたのはチョコレートのせいだろうけど
すぐ離れていってしまったから、ちょっとだけ残念だななんて思うのは、きっと赤い目の魔法のせいに違いない
呆気にとられていると
「ほらほら、タツヤ様、見てください!
ハニーが相手ならこんなにも!」
膨らんだズボンの前を嬉しそうに見せる翔と
【おお!まことであったか!
うむ、立派であるな!】
目を細め、その様子を愛おしそうに眺めるその2
ホントにふざけた奴らだ!
怒鳴り散らしてやりたい気持ちはずっとある
でも
……
…………
俺のもやっぱり少し反応しちゃってんのは何でなんだろな?
俺は別に困ってなんかないのに、翔相手に勃ててる自分が一番わかんなくなっていた
翔と一頻り喜びを分かち合ったその2は、魔界へのお土産だとか言ってチョコレートをジャケットのポケットにしまい
【ではハニー、翔をよろしく頼む】
スッと立ち上がって
翔が頭を下げたから、なぜか俺までつられて
次に顔を上げた時には、その姿は全く見えなくなっていた
よろしくって言われてもよ……
これから先、自分の身に起こり得ることを考えたら恐怖と不安しかないのに
「よろしくお願いします、ハニー♡」
三つ指ついてニコニコ笑う翔の顔にやっぱりキュンとしてしまうんだから
その2にでも強力な魔法を掛けられてしまったんだと思うよりほかはなかった