･･･✤BLを含む完全妄想のお話です✤･･･
その後は松兄やその友達なんかも増えて楽しく飲んで
「お疲れさま〜、じゃあねぇ〜♪」
まだ飲み足りないニノと松潤とは店の前で別れ、俺と同じで店舗の2階が自宅の相葉ちゃんと一緒に歩き出した
そんなに飲んだつもりはないけど、冬の空気がポッポと紅潮する体と頬の熱を冷ましてくれて気持ちがいい
「あ～、明日からまた頑張らなきゃなー！」
ニノと松潤んちは5日まで正月休み、俺と相葉ちゃんちは明日から店を開ける
仕事初めの人もいるから、朝ご飯や昼用にって出勤前に寄ってくれる常連さんもいるだろうし
お節料理に飽きたらカレー！っていうように、餅に飽きたらパン！っていう人もいると思うんだよね
「俺んとこは結局餅だけどね(笑)」
和菓子屋だもんな、大福やら団子やら
『でも俺、雅庵の豆大福大好きだよ♪』
「大ちゃんは甘いもの好きだもんね♪」
『んふふ、今度また一緒にケーキ屋行こうよ』
「親父にバレないようにね(笑)」
『アハハ、親父さん、怒ったりしないでしょ(笑)』
笑いながら歩いてるうちに、短い商店街だからあっという間に店の前
「じゃあ、明日、今年一番最初のあんこ持ってくるからね〜♪おやすみ〜」
相葉ちゃんは長い腕をブンブンと振って、走って帰って行った
と言ってもやっぱり短い商店街、そのまま店の前で見てたら雅庵もすぐそこだ(笑)
シャッターの閉まっている正面ではなく、お隣りさんとの隙間から入って厨房の中へ
ここにある機械や道具類は全てじいちゃんが使ってたやつ
松潤のリフォームの話じゃないけど
〔智の好きなようにしていいんじゃからな？〕
継いでくれただけでも嬉しいからというじいちゃんの、その職人としての生き様みたいなもんもしっかり継ぎたくて、そのまま使わせてもらっている
〔パン生地は丁寧に扱うんじゃぞ〕
きっとじいちゃんは道具だって生地と同じようにしてたんだ
修行中から独り立ちしても壊れたなんてことは一度もないんだから
俺が就職した頃ばあちゃんが亡くなって、人を雇う程の儲けはいらないと一人でパン作って売って
確かに混んで忙しいなんてのはめったにないし、常連さんなら俺が厨房で追加のパンを作っててもレジでゆっくりと待っててくれるし
一人でやってやれないこともない
ただ、お嫁さん問題をちょっとだけ思い出して
じいちゃんがばあちゃんと仲良くやっていたのも小さい頃見てきたから……
『俺がパン焼いて、お嫁さんが並べてレジしてね……』
全く影も形も見当たらない人を想像してみたら悪くない気もしたけど
『ふっ、今はパンが恋人だって言ったばかりじゃん(笑)
よしっ、寝ようっ！』
パン屋は朝が早いんだ、余計なこと考えて初日から寝坊してる場合じゃない
翌朝、夕べの酒は1ミリも残らずスッキリと目が覚めた
身支度を済ませ厨房へ
エプロンをつけ帽子を被ればすっかりパン屋さん
最初は照れくさくもあったけど、これが俺の戦闘服だと思えば、自然と気合が入る
まずは全てのパンの素、生地を機械で捏ね上げる
その間、フィリングの準備
新年最初の日だけどまだまだ休みの人も多いから、作る種類や量を考えて
捏ね上がった生地はそれに合わせて切り分けて発酵させて
『今日の生地も良さそうだ♪』
天候、温度や湿度によって微妙に違うからじいちゃんに言われた通りきちんと見極めて
一つ一つを丁寧に仕上げていく
一人黙々とするこの作業が案外好きで、俺には合ってる気もする
そうこうしてる内に時を同じくしてあんこを仕込んでいた相葉ちゃんが出来たものを持ってきてくれる
ガタンガタン！
ほら、外で音が聞こえる
バタン！
そそっかしいとこあるからな、またどこかに躓いてるのかも？
いつものことだ
足が長いのも困ったもんだね(笑)
可笑しくなって、今日のあんこの出来はどうだろう？なんて考えていると……
ドンッ！ガシャーン！
店のシャッターの方で大きな音が聞こえた
相葉ちゃんなら勝手口の方からやって来る
他の業者さんもまた然り
朝っぱら、まだ明るくなり切らないこんな時間
酔っ払いの朝帰りか？
結構大きな音だったし、シャッターが壊されてても困るし……
何だか気になった俺は作業する手を止め外へ出てみることに
ゆっくりと狭い通路から店の前へと向かうと
「あいたたた……」
シャッターの前で背中に手を当て痛がっている男がいた
(｀･3･´)やっと出てきたで
アメンバー申請は今日まで
まだの方、お急ぎください
引き続きアンケートも募集中！
よろしくお願いしますm(_ _)m