┅ ✤BLを含む完全妄想のお話です✤┅






櫻井くんの想いを聞いて、じゃあここで解散っていうのもやっぱり寂しい気がしたから、駅ナカにあるコーヒーショップへと入る事にした




アイスコーヒーを2つ頼んで、向かい合って座るのはちょっと気恥ずかしいから横並びのカウンターを選んだ




距離を詰めてくるから肩から腕にかけて触れ合って



これはこれで恥ずかしく、日焼けの火照りだけじゃない熱を感じた






だって、まさかねぇ……



好意を持たれているとは思っていた



頬へのキスも心配性もヤキモチも



僕だってそこまで鈍感なわけじゃない



だから櫻井くんの気持ちは凄く嬉しかった





でもまさか僕の気持ちが透けていたとは……



そんなに態度に見えてたのかな?



間違っても好きだなんて口にはしてないはずなのに




賢い子はそういうのも分かっちゃうものなの?





15歳の真っ直ぐな告白に胸の中がうずうずとして顔が緩む気がした



やっぱり櫻井くんの方がずっと大人な気がする



僕の立場なんかも気にしてくれていて




卒業したら……




でもまだ2年以上も先の話




何があるかわからない




僕には異動があるし、櫻井くんに別に好きな人が出来る可能性だって




それに将来の事だって……



それだけはしっかり頭の中に入れておかないと





でも隣に座る櫻井くんからは小さく鼻歌が聞こえたり、わざと肩をぶつけてきたり



浮かれてるってのがバレバレだ



僕からはひと言も好きだとは伝えてないのに



今だけなら、いいのかな……




「何考えてるんです?」




僕が分かりやすいのか、彼が敏感なのか
考え込む僕にすぐ気が付かれてしまう




とはいえ、こんなに嬉しそうにしている彼に思っている事は言えないから



『ん、別に……』



そう答えるしかない



「不安な事でもあるんですか?」



心配そうに覗き込む目、綺麗だよね……



つい吸い込まれていきそうになるから



『ううん、大丈夫だよ』



そう言ってあげなきゃいけない気もする
実際は不安しかないのに



「秘密の恋してるみたいでドキドキしますね♪」



そんな事言うくせに笑みが零れていて、色々と心配にもなる



ダダ漏れ



その言葉がピッタリだ





『なんか浮かれ過ぎじゃない?』



「だって……俺、両想いとかなった事ないから…」



『はぁぁあ?!』



「何ですか、その反応は?」



『いや、だって……櫻井くん、凄くイケメンだしモテるだろうから
それに慣れてる気がするんだけど』



「智さんにイケメンって言われると嬉しいですね♡ずっとそう思ってくれてました?」



『まぁ、いや、うん、そうだけど……///』



「ふはっ(笑)照れるな……///
でも慣れてるってのはちょっと……」



今までの言動、周りからは絶対そう見えると思うけどな



『でも恋はしてきたでしょ?好きな人とかいたんじゃない?』



「気にしてくれます?」



気になるというか、ここまで来ると興味、好奇心といった方が正しいかも



「智さん、初恋はいつですか?」



『僕?高校生かな?』



「遅いですね……俺は小学生の時です」



『みんなそれくらいだよね、僕のは特殊なのかも』



「そうですよね、普通ですよね」



『相手は?』




「大学生のお姉さんです!」




『ませてるねぇ(笑)』




「中学受験するのに家庭教師してもらってたんです」



『なるほど、勉強そっちのけで恋しちゃったわけだ』



「ちゃんと受かってますよ!」



『そうだった(笑)ごめん、ごめん』



「でも原動力になったのは確かですけどね(笑)
可愛い人で優しくて……その人に褒めてもらいたくて勉強頑張って」



『うん……』




「合格した時は凄く喜んでくれました!
で、俺、言ったんです、好きだから付き合ってくださいって
ホントませたガキですよね(笑)」




『……相手は何て?』




「翔くんが大人になったらねって

笑って流されちゃいました……
でもそりゃそうですよね、10歳も年下の小学生に言われてもねぇ(笑)
向こうはバイトとして優しく接してくれてただけで、そんな気なんてなくて……俺の告白もきっと本気だとは思ってないと思うんです」




『それはちょっと悲しいね……』



「でも俺もアピール足りなかったのかなとか思って……
次に好きな人できたらガンガンいかなきゃ!って思ってました」



『それが……僕?』



「はい!やっぱり年上を好きになるのは同じでしたけど、今度は最初っから攻めていかなきゃって思ってました!だから大成功です!」




胸を張って堂々と言う彼が眩しくて……



『ふふっ、そっか……///』




そんな彼に寄り添ってみたくなった