やっぱりタイトルが思い付かなくて
またしてもオレだのキミだの……
そんなんばっかりだww
そしてこれは何と言われようと
短編だ
┅ ✤BLを含む完全妄想のお話です✤┅
O
『あぁ〜、疲れたぁ〜……』
タッチペンを机に置き両手を組んで天井に向けてググーっと背伸びを一つ。
丸くなっていた背中が伸びてガチガチに固まっていた肩に一気に血が通う感じがするこの瞬間がとっても気持ちいい。
『腹減ったなぁ……今何時だ?』
気が散るからと机の上には時計は置かないようにしている。
スマホも然り。
首をコキコキと鳴らしながら少し離れたカウンターの上に置いてある時計を見ようとして
『……あれ?ちょっと根詰め過ぎちゃったかな?よく見えねぇや……』
ショボショボとする目を擦ってみるも、デジタルの数字がボヤけてよく見えない。
結局は立ち上がって近くまで行って時間は確認はしたものの。その後の作業においても手元や画面があまり良く見えなくて効率が悪かった。
「老眼なんじゃないの?」
まだ20代の俺にこんな失礼な事を言うのは相葉ちゃん。
締め切りに追われると食事、睡眠なんてものが一切気にならなくなってしまう俺の体を心配して、たまにやって来て身の回りの世話をしてくれる幼なじみ。
『ってか同い年じゃん、まだ若いだろ?』
「あのねぇ、老眼なんて何歳からなんて決まりないんだからね?
最近じゃパソコンとかゲームとか、そういうので目が悪くなる人多いんだから。
大ちゃんだってパソコンに向かう仕事でしょ?」
『じゃあむしろ老眼じゃなくて近眼だろ?』
時計だって遠いから見えなかっただけで。
「なんだっていいからメガネでも作っておいでよ。作業ペース落ちたなんて言ったら濃い顔の担当に怒られるよ?」
『またそんな事言ってると相葉ちゃんこそ松潤に怒られんぞ』
フリーのイラストレーターの俺に仕事の依頼をくれる松潤は、やっぱり幼なじみ。
「俺、大野智の作品に惚れ込んでんだよね。ウチの会社に来ればいいのに」
あいにく自由を求める俺にはどこかの会社の所属になるってのは向いていなかったようだ。
まだまだ駆け出しみたいなもんだったけど、3年目にしてフリーの道へと進んだ。
ってそんな事はどうでもよくって……いや、よくないな。
松潤は怒ると怖い、怒らなくたってあの顔は怖い。もとい、意思の強そうな顔でじっと見られると色んなとこがキュッ!と縮こまってしまう。
目が悪くて作業効率が落ちましたなんて言おうものなら
「さっさとメガネ屋いけ」
冷たく言われるに違いない。
俺に惚れ込んでんじゃねぇのかよ、もっと優しくしろ。
「お前にじゃなくて、作品にだ。アホも休み休み言え。ついでに病院も言っとくか?」
俺の幼なじみ達は仕事となると全くもって優しくない。