続編を楽しみにして下さってる方
ありがとうございます‼️

皆さんの熱が冷めないうちにスタート!





┅ ✤BLを含む完全妄想のお話です✤┅





S  side


智と付き合い始めて2ヶ月が過ぎた。


今日は月曜日、智とカズくんがいつものようにキッチンカーでオフィス前にやってくる日。


店休日の昨日は前日の夜から一緒にいて、夜に別れたから久しぶりでもなんでもないんだけど


『翔ちゃん、おはよ。今日はキノコとベーコンのミルクスープだよ♪』


なんて、メニューの中から俺が選びそうな物をしっかりと理解してくれているところにキュンとなったり


『こっそり大盛りしといたからね……』


添えてくれた手をギュッとしながら、コソッと教えてくれるところにクスッとなったり


『冷めないうちにお召し上がりください♡』


サービス以上の笑顔を見せてくれる智に、相変わらず俺の心は鷲掴みにされ、顔は崩れそうになるくらいデレている。


俺の顔が好きという智の為に、キープするのに必死。


俺たちにはケンカなんて無縁
俺は智が好きだし、智も俺が好きなんだから当然と言えば当然のこと。
幸せな日々を送っている。


一方でカズくんも


「潤くん、熱いから気をつけるんだよ」


年下の潤にとても面倒見のよい姉さん女房のように接している。


「カズさん、ありがとうございます♡」


潤も満更ではない様子。


智いわく


『そもそもね、潤くんはカズの好みのタイプなんだよ。キッチンカーで見た最初はそう言ってたんだから。

で、顔はもちろん、性格的なところもそうなんだよ。母性本能をくすぐるっていうかさ』


俺も姉さん女房とか言っちゃったけど、君たちネコは自分たちが女性的な立場というものに疑問はないのか?


智の話を聞きながらも、俺はそんな事を考えて不思議そうな顔をしていたのかもしれない。


『翔ちゃん……もしかしてまだカズの事惜しい事をしたとか思ってんじゃねぇの?』


俺がカズくんと潤が上手くいのを面白くないとでも勘違いしたのか、お得意の全く的外れの妄想を始めたようだ。


なんつー可愛いヤキモチを妬くんだよ。


『ばっか💦そんなんじゃねぇよ……///』


顔赤くして否定したって説得力ないって。


そんな感じで仲良くやれている俺たち、不満なんてない!





とは言えないんだよな……


それは何かといえば会える時間が少ないこと


月曜日はキッチンカーで会える、と言ってもほんの僅かな時間だ。
触れ合いだってお手手をギュッとくらいだし。


平日の夜、店に飲みに行くこともある。
だけどキッチンにいる智と話す機会なんてあんまりない。


行けばテーブルまで来てくれるし、少しは話せるけど。
それは他の常連客と何ら変わりないようにも思えるし。


閉店まで居座って智んちに泊めてもらいたい気持ちでいるのに、智はそれをあんまりよく思っていない。


『だって早起きして部屋に戻ってから会社行くなんて、翔ちゃんが大変だよ。』


智と一緒にいられるなら、そんなの厭わないと言っても


『じゃあ俺が同じようにして翔ちゃんちに行くって言ったら?』


遅くまで仕事をしてる智をたくさん移動させて、翌日も昼のキッチンカーの為にそんなに遅い時間まで寝てられるわけじゃないし。


「智の体が心配だから、それはダメだ」


ほら同じじゃんと言われてしまった。


ならば、智の部屋に着替えやら私物を置かせてもらえば直接会社に向かえるのでは?!と提案したけど


『……俺の部屋狭いし……』


事実ではあるけど、ちょっと濁すようにごまかされた。


結局は土曜日の店終わりに合わせて迎えにきて一緒に智の部屋に帰るというパターンが定着した。


その時間から翌日曜日の夜まで、そりゃ濃密な時間を過ごしているとは思う。


ベッドの上でが大半な気もするけど、もちろんご飯を作ってもらったり、デートに出掛けたりもする。


『翔ちゃんに抱かれて寝るの温かくて気持ちいいな♪』


そう言ってくれる智と同じように俺だって智を抱きしめて寝るのは心地いい。


だからこそ、一週間のうちの一日しかないこの時はとても貴重だし、残りが全て同じならいいのにと願うのは、そんなにおかしな事ではないと思うんだ。


その辺を智はどう思っているんだろう。


どんな事にも結構強気でぶつかっていく俺だけど、これに関してはグイグイといけないのは……なんでだろうな。