日本で年明けのカウントダウンを行っている頃、円がドルに対して急騰していた。
一時的に81円台を割り込んで、80円台に突入。
話は前後するが、先月30日の大納会でも日経平均は下落して取引終了。
円高を嫌気して輸出関連銘柄に幅広い売りが出たことが要因のようだ。
この年末師走の円高傾向により、昨年の一年を通じての円相場は史上最高を大幅に更新し、ヒストリカル79円75銭を叩き出した95年の水準よりも大幅な円高となった。
しかし、この円高は異常である。
円高と言うよりも各国の通貨が大幅に安いのだ。
先進各国の“通貨安競争”はどうやら継続している模様である。
それは各国の政府や金融当局の介入によるものではない。
あくまでも自国または欧州地域のネガティブ要因を小出し小出しにすることによる通貨安競争である。
よく考えて欲しいのは、ヒストリカルを付けた95年の日本経済と、昨年の日本経済は状況が違い過ぎるということだ。
特に日本の財政は破綻一歩手前なのである。
いつムーディーズやらスタンダード&プアーズが日本国債の格付けを大幅にダウングレードしてもおかしくない状況なのだ。
国家の債務残高…借金が900兆円以上もある国なんて聞いたことがない。
それもGDPのほぼ倍…。
ハッキリ言うがギリシャやアイルランド、または懸念が拡がっているポルトガルやスペインなんかとは比べ物にならないくらいの時限爆弾を抱えているようなものだ。
この日本の財政問題についての、一部の“楽観論”には賛同できない。
この楽観論の中核を成すのは…
「日本国債の引受け手は、自国民である日本国民であるから問題ない」
というものだろうか。
言い換えれば…
「借り手と貸し手は実質的には同一人物だから問題ない」
みたいなものか?
この理屈を素直に呑み込めることが出来るだろうか?
格付け会社の格付けなんかは所詮…
「競馬新聞の◎○▲と同じモノである」
という理屈は大いに賛同できるので、あまりムーディーズやらS&Pなんかの格付けなんかは引き合いに出したくはない。
ただ件の格付け会社のリリースにより、あっという間に国債の金利が跳ね上がる現象をつい最近も我々は見せ付けられたばかりである。
日本国債の金利が跳ね上がった場合、その金利分は支払わなければならないのだ。
その引受け手の多くが自国民であろうと金利は支払うものである。
こうなったらギリシャ、ポルトガル、スペインなんかとは比べ物にならない打撃を蒙るのだ。
今一度言うが900兆円以上の借金の金利が、ちょっと上昇するだけでどれだけ負担になるのか…?
年初から悲観論を書くのは忍びない…。
まぁ元日の新聞主要各紙は悲観論のオンパレードだったが…。
例えばヒストリカル79円75銭を叩き出したあの95年当時、将来日本の債務残高が900兆円にも積み上がるなんて誰も想像していなかった。
一方で、確かに日本は未だに…
世界最大の債権国
という顔も持つ。
また我が国の経常収支、特に貿易黒字は世界的に見れば高水準だ。
さらに貿易以外に所得収支でも黒字を支える。
しかし世界最大の債権国で所得収支も黒字とは言っても、円の高騰により対外資産は目減りしている。
そこに来て、現在の“バラまき政権”である…。
この円高は最後のチャンスかもしれない。
世界は明日あたりから本格的に経済活動が活発になる。
針はどっちに振れるのか?
どっちの方向に行くにせよ、その振れ幅は一気に大きくなる可能性がある。
明日からはノンビリはしない方が良いように思われる。