1985年国鉄時代末期。まだ、青函連絡船で本州と北海道の鉄道が結ばれていた頃、北の玄関口・函館は航空便に押されて北海道の玄関口としての地位を失いつつあった。北海道の鉄道ダイヤは函館起点から札幌起点に組まれるようになり、函館起終点の列車も優等列車(気動車)の減少、札幌以遠への列車の減少となって現れてきた。
そんな、1985年3月のダイヤ改正後の函館駅時刻表を青函連絡船の到着時刻と併せて載せる。函館を起点にしている線区は函館本線と江差線(五稜郭-江差、木古内-江差間現廃線)、松前線(木古内-松前、現廃線)の主な列車(気動車)だ。函館駅は起点なので、今回も下り時刻表だけを載せます。なお、青函連絡船は青森-函館間(113.0キロ)を3時間50~55分で運行している。
◆函館駅下り時刻表
4:(25)40*¹ 45
5:
6:02上T 20T*¹*²
7:05江松⁺ 22公*³ 48上
8:00 10長T*³
9:12上(15)30釧
10:00森*³ 05江松⁺ 45木
11:(20)21七 33上 38網
12:14木 20*¹ 37七
13:40江松⁺ 52小T*¹*²*³
14:(10)16森 30 55*¹
15:13江松⁺ 54七
16:04上(05)34長*²*³ 48江松⁺ 53瀬
17:56森T*²*³
18:03木T 38七(45)
19:00 05上 50江松⁺
20:01長*²*³(50)
21:33上 52森*³
22:48木
23:(45)58T*¹⁺²
*¹倶知安・小樽経由、印なしは東室蘭・千歳経由 *²鹿部経由、印なしは大沼公園経由 *³渡島大野(現新函館北斗)経由、印なしは途中駅のない別線経由 ⁺木古内で分割 ⁺²苗穂行の荷物列車を併結
上は上磯行、江は江差行、松は松前行、公は大沼公園行、長は長万部行、釧は釧路行、森は森行、木は木古内行、七は七飯行、網は網走行、小は小樽行、瀬は瀬棚行、無印は札幌行。
( )は連絡船到着時刻。Tは列車、他は気動車。青字は快速『せたな』、赤字は急行『ニセコ』、太字は特急。函館ー札幌間の特急は室蘭・千歳線経由が『北斗』、倶知安・小樽経由が『北海』で、釧路行は『おおぞら7号』、網走行が『おおとり』、函館ー札幌間の急行は倶知安・小樽の山線経由の『ニセコ』に対して、上表にはないが室蘭・千歳線の海線経由の『すずらん』が季節・臨時運転されている。
『せたな』(もとは急行)は瀬棚線(国縫-瀬棚間48.4キロ現廃線)の瀬棚まで運転。長万部でスイッチバックする。国縫で長万部行と瀬棚行に分割して(国縫でスイッチバック)いた急行時代や、長万部まで『すずらん』と併結、分割後普通になり、スイッチバックして瀬棚に行っていた時代もある。
こうして書き起こしてみると、青函連絡船の定期運航1日8便しかないのに驚く。1970年10月で10便だったので、宇高連絡船の半分以下だ。キャパの違いもあるのかもしれないが、やはり本州-北海道間は鉄道・連絡船需要も宇高連絡船より少ないという事だろう。
函館本線の普通・快速よりも江差・松前線の普通の方が函館発の本数が若干多いのも意外だ。たぶん、長距離の列車は近郊区間の気動車よりも編成が長いと思うので、輸送量という面では逆かもしれない。
それにしても、こうして昔の時刻表を見ているだけで、北海道に行ってみたくなるのは鉄道好きの宿命か。