2016年夏:竜田・末続 | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 このタイトルで分かる人ほとんどいないと思う。2011年3月11日の東日本大震災による津波と、それに起因する原発事故で分断されたままになっている常磐線。2016年12月10日に相馬-浜吉田間が一部線路を内陸に移して開通したことにより、小高以北が仙台まで(常磐線区は岩沼終点)繋がった。

 しかし、原発事故の帰還困難区域のある竜田-小高は2016年12月現在も依然不通だ。そんな中、今年の8月6日に夏の18切符1回目の旅として南部運転区間の北限・竜田と、帰りに海の近そうな末続に行ってきた。遅くなったが、その簡単なレポ。


 当初は、茨城県北部の常磐線が海岸部を走る最寄駅から海の写真を撮りにいくつもりで出かけたんだが、車窓から海の見えるところはあれど、駅から海の見えるところはなく、そうこうしているうちにいけるところまで行っちゃい的な感じで竜田まで行ったというのが真相。

 夏休み中の水戸14:32発の竜田行5輌編成は空いていたが、泉、いわき辺りは混んでいた。いわきの駅員に訊いたところ、この日はいわきではお祭り、泉では花火大会があるとのことでいつもよりも乗降客が多かったようだ。どうりで浴衣姿の方が目についた訳だ。

 いわきでの停車時間が14分あったので途中下車。東側駅前でお祭りやっていました。アッパーデッキから撮ったので詳しいことは分かりませんが、まだ明るかったのでそれほど盛り上がっている感じではなかった。
18切符16夏①いわき駅祭

 そして、海の近そうな駅を物色しながら常磐線を北上。いわき以北は海岸や道路の工事、土地の区画整理事業が目についた。そして、あちらこちらで目につく野ざらしに並べられている黒いビニール袋。

 現在の終点・竜田16:47着。お客さんは各車輌に数人という感じ。駅で降りる人もいれば、自分のようにホームに出てぶらぶらして折り返しの同じ電車で帰るという感じの人もいる。

 ホームの北側に行きまだ不通の原ノ町方向を撮った写真が下。除染も進み、バラストも線路も、架線も真新しくなっているが、まだ全線開通にはクリアしなければならないことがあるようだ。
18切符16夏①竜田駅北側

 振り返って竜田駅のホームを撮影。3つあるホームのうち使われているのは1本のみ。駅舎には跨線橋を使わず、臨時の線路をまたぐ橋が通り道になっていた。駅舎は無人ぽかったが…。
18切符16夏①竜田駅ホーム

 竜田16:54発の折り返しいわき行で帰路に…。木戸、広野、と過ぎて往路で海が近そうだと目についた3駅目の末続(17:07発)で下車。上りホームの一部からは海も見えた。とりあえず跨線橋を渡って下りホームの無人の駅舎を出る。
18切符16夏①末続駅駅舎

 何もない駅前から海を目指してなんとなく道路を下っていく。線路の下をくぐりぬけると民家も点在。分岐点も下へ下へという感じで歩いていけば、海に流れ出る川に辿り着いた。もとは平凡な小川だったろうが、今は津波・洪水対策か、立派な堤防が作られつつある川が海にそそいでいるのが分かる。
18切符16夏①末続駅近郊河口

 さらに歩いていけば、海に出た。丘と丘に挟まれた小さな平野部の海岸。工事中(この日は土曜で休み)で岸まで出られなかったが、この日は望遠レンズを持っていたので、望遠レンズで海岸の様子を撮影。ここでも黒い袋が目につく。護岸工事はすごい立派なものになっている。やはり今後の大津波対策だろう。
18切符16夏①末続海岸

 なんとか海岸に出られないかと、回り道して他をあたったけど、楽にいけそうなところはなかった。道路沿いには人の住んでなさそうな民家が何軒かあった。震災で地区を去った家族の家のようだ。

 末続駅に戻って電車を待つ間に撮った写真が下。上りホームから竜田側を撮る。いわき側はすぐにトンネルになっている。電車を待つ客は自分一人だけだったので、汗だらけのシャツを小さなホームの待合舎で着替えた。
18切符16夏①末続駅ホーム

 広野発の水戸行18:06発が着いた。土曜日のこの時間ということもあってか車内はガラガラで、一車輌に1人ぐらい。夕暮れの中、帰路についた。泉の花火大会、ちょっと興味があったが、土地勘もなかったし、帰りも遅くなりそうだったので断念。

 福島県内の沿線の様子は震災や原発事故の傷跡が覆われつつあったが、いろいろな工事が却って2011年を思い出させた。いわきの駅前のような賑やかのところはともかく、他はどこも寂れていて、黒いビニール袋の並んだ光景は少し異様だった。地震は仕方ないが、原発事故は決して起こしてはならないと改めて思った。