武蔵 | ☆出かけよう!気のむくままに…☆

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 最近また吉川英治の『宮本武蔵』を読んでいる。またというのは、前に何度も読んでいるからだ。たぶん4度目か5度目になる。一乗寺下り松の吉岡一門との決戦の後、佐々木小次郎との巌流島の決戦まで長いのが難だが、これは作者の予想を超えた人気に新聞連載をすんなり終わらせなくなったから。たぶん、作者の考えた通りに話を結んでいたら、個人的にはもっといいものになっただろう。と、偉そうに書いてみたものの、今の作品も素晴らしいので何度も読んでいるわけで、これはもう万人が認めている通りです。

 まあ、剣の道を極めるために、ストイックな人生を送っていく武蔵の真似など自分には出来ないけど、逆に自分の弱さ故の行動のために人生を棒に振り、葛藤する本位田又八とか、ドジョウ髭の青木丹左衛門に人間らしさを感じてしまったりする。


 で今は、吉岡道場の次男坊、伝七郎との三十三間堂の決戦を前に、武蔵が京都の野で偶然知り合った本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)、その知り合いの灰屋紹由(はいやしょうゆう)に連れられて遊郭(くるわ)に来たところだ。武蔵はここで遊郭をいったん抜け出し、雪の降る夜の道を三十三間堂に向かう。

 その少し前の光悦宅での場面で、光悦が武者修行の身の武蔵に言った言葉…


「…人間、どんなに小さくともよいが、わが家というものを持たない人は、いかに寂しかろうぞと、わたしは思いやられるのじゃが。…」