おはようございます。昨年、圧倒的な強さで優勝したとは言われましたが、ホーム等々力で、内容的にも完敗だったのが、札幌でした。そのリベンジは必要ですし、何より、前の仙台戦で嫌な形でドローとなったので、連続して不甲斐ない試合をするわけにはいけません。真っ向勝負のぶつかり合いの中、我慢の時間は長かったものの、勝負強く勝ち切ることができました。
5/16(日)15:00 J1 第14節 川崎 2 - 0 札幌 等々力陸上競技場
得点:49’三笘(川崎)、90+4’小林(川崎)
川崎フロンターレ 4-3-3
―18三笘―――9L・ダミアン―――41家長―
――――17小塚――――47旗手――――
――――――― 6J・シミッチ―――――――
― 2登里― 5谷口―4ジェジエウ―13山根―
――――――― 1成龍――――――――
46分 17小塚OUT → 25田中IN
72分 2登里OUT → 7車屋ĪN
78分 18三笘OUT → 16長谷川ĪN
87分 47旗手OUT → 22橘田IN
87分 9L・ダミアンOUT → 11小林IN
北海道コンサドーレ札幌 3-4-2-1
―――――――11A・ロペス――――――
――――14駒井―――35小柏――――
― 4菅―――――――――― 9金子―
―――― 6高嶺――― 8深井――――
―― 5福森――10宮澤―― 2田中駿―
――――――― 1菅野―――――――
54分 8深井OUT → 27荒野IN
69分 14駒井OUT → 48ジェイIN
69分 4菅OUT → 28青木IN
88分 9金子OUT → 33D・オリヴェイラIN
この試合、インサイドハーフではじめて和季がスタメンで起用されました。ただ、和季にしてみれば、気合の入った札幌が相手というのは、結果として不幸な状況だったのかもしれません。
札幌は、ルヴァン杯の決勝の時も、昨年のホーム等々力の時も、川崎と対戦する際、他の対戦相手とは異なるやる気スイッチが入るようで、とてつもない強さを発揮します。この試合も好ゲームを見ることができた点は幸いでしたが、強い札幌でした。
昨年も自分たちのサッカーで川崎に完勝できていることもあり、札幌は自信をを持って前線から臆することなくプレスに向かってきます。
川崎としては、ある程度受けてくれる相手の方が、精神的にも時間的にも押し込めるのでやり易いのですが、札幌は、Jの中で最もそれを許してくれないチームだと思います。
前半は、札幌は前線からマンツーマン気味にしっかりマークに付いて、川崎の得意とするパス回しが引っかかり、思うようにリズムが作れず、前に進めない展開でした。
チャンスがなかったわけではないですが、互いに潰し合い、ゴール前まで運べることもあるのですが、決定機を決めきれません。
川崎で言えば、視来のミドルやL・ダミアンのヘディング、薫の突破などでしょうか。札幌で言えば、菅のシュートやA・ロペスのシュートなど。
これらのうちどれかが前半のうちに得点として決まっていればまた展開が変わっていたかもしれません。
前半は、川崎も、札幌も決めきれず、スコアが動かない展開が続きます。札幌としては、得点できていないことを別にすれば、守備としては、してやったりの展開だったのでしょう。
逆に川崎は、パスを回してリズムを作りたくても、いちいち選手にマークがついていて、パスが前線でひっかかるので、焦りも感じていたと思います。
それを見かねたのか後半から鬼さん動きます。この試合に先発起用された和季が下げられ、碧が後半から投入されました。個人的には、和季一人が悪かったとは思いませんが、碧の力強さ、前への推進力に押され気味だった前半の流れを変える役割を与えたのだと思います。
するとこの采配が的中します。49分、交代で入った碧を起点に、中のL・ダミアンを経由し、右前線のアキへ。アキが札幌DFの予想のタイミングを外してクロスを入れると、中央の怜央が後ろ向きで触り、そのボールを拾った薫がシュートを決め、値千金の先制点を取ります。
それでも札幌の守備の強度が落ちたかと言うと、攻防は一進一退で、前半よりはやや重心が前に置けてプレーできただろうというところ。それだけ札幌の守備は厳しかったです。
札幌にしてみれば、先制されはしたものの1点差で、十分逆転の可能性もあり、モチベーションも落ちず、攻守の圧をかけてきます。荒野、ジェイ、青木とより攻撃にシフトすべく交代カードを切ってきます。
それに札幌には、すんごい男、フク(福森)がいます。フクは前半からも再三再四、効果的なパスを後方から供給してきました。
フロサポに成長した姿を見せてくれるのは、嬉しい部分はあるのですが、むしろ他クラブでの対戦でお願いしたいところです。本当に札幌で怖い選手に成長したものです。
そのフクの極めつきの恩返しは、60分のFK。とてつもなくエグイFKを蹴ってきました。壁を越え、落ちながらゴール枠内の左隅に突き刺さろうかというFKでした。ただ、それすらも止めてしまうのかと驚くようなソンリョンの右手一本の素晴らしいセーブがあり、なんとか失点は免れることができました。
その後も札幌に押される時間帯がありながらも、それぞれ今季のベストパフォーマンスではないかと思われるほど、シミッチがボールを狩り、的確な判断で彰悟が攻撃の芽を摘み、ジェジエウがA・ロペスやジェイと相対します。
前半からもそうでしたが、シミッチ、彰悟、ジェジエウの3人とビッグセーブを見せたソンリョンら守備陣の結束で川崎の我慢の時間帯を失点なく凌ぐことができていました。
1点のリードを保ち、時間も残り10分をきった時間帯に入ると、攻め続けるのか、守りきるのか、選手間で判断がブレそうになるところです。
そんな苦しい時間帯、途中交代で入った悠が、これまで出た試合ではゴールを決めてきている相性のいい札幌相手に、札幌キラーらしく、しっかりと得点を決めきってくれました。
前線で裏抜けの駆け引きしていた悠へ、中盤から碧がパスを入れると、悠が見事に抜け出し、GK菅野と1対1。これを冷静に沈めますが、オフサイドフラッグが上がります。
いわゆるオフサイドディレイによるもので、一応のVARの確認を待つけれども、おそらくオフサイドなのだろうなという雰囲気でした。
が、オンリーレビューの結果、得点が認められ、この時間帯で勝利を決定づける2点目が入ります。
VARでしか判断できないほど、悠の精度の高い裏抜けでの得点。こうして、J1、300試合出場という記念すべき試合に、悠が、最後の最後で、止めを刺してくれました。
この試合、誰がMOMなのか、というと非常に難しいと思います。攻守にわたりシミッチが中盤で躍動していましたし、ソンリョンのビッグセーブもありました。時間は短いながらも止めを刺したのは悠です。
ただ、僕としては、後半開始後、ガッと前への攻撃の圧をかける流れの時間を作りだし、1点目の起点となり、2点目のアシストをした碧が出色だったと思い、どうしても1人選べというなら碧を推します。
正直シミッチと迷いましたが、先制点への試合の流れを作ったことは大きかったと思います。
逆に、札幌の攻撃は終始怖かったのですが、最後の精度のところで枠内に行ったものが少なく、救われたところがあります。
もちろん、彰悟、ジェジエウの圧によって自由にさせなかったこともありますが、ここぞというところで決めきる、という紙一重のところで川崎が上回れたため、勝てたのだと思います。
試合内容としては、今季、最も拮抗した試合だったと思います。2-0で勝てはしましたが、分けた3試合よりも1-0で勝った試合よりも一番苦しかった気がします。
DAZNでの観戦でしたが、息つく暇もなく、ボールが切れるたびに呼吸を整えなけれならないくらい、それくらい緊迫したゲームでした。
川崎とシステム的に噛み合うという部分はあるのでしょうが、これほど内容的にほぼ互角な戦いをされた試合はなかったと思います。
だからこそわからないのは、なぜあれだけの戦いができる札幌が13位という下位に位置しているのか。謎でしかありません。同じ戦いを他クラブ相手にしてくれれば、この順位ではないはずなのですが、川崎相手だとスイッチが入る何かがあるのでしょうか。
いずれにしても息が詰まるような接戦を制して勝利し、J1の無敗新記録も作ることもできました。悠も300試合出場の記念の試合に札幌戦連続ゴール記録も打ち立てることができました。
正面からぶつかり合った真っ向勝負の試合で、非常に見ごたえがありました。紙一重の差で勝つことができましたが、ここまで互角にやりあったからこそ、アウェイで戦う時には、その悔しさをぶつけてくると思います。次も臆することないよう、またぶつかって、面白い試合をしてもらいたいものです。
それはそれとして、リーグ戦の次は、横浜FC。現在、最下位には沈んでいますが、今節、初勝利を挙げたことでクラブの雰囲気も変わってくると思います。しっかりと目の前の試合に向き合い、一つ一つ勝ち点を積み上げてもらいましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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