川崎を離れ、外から感じたフロサポ論 | 僕が 僕バナ/スタ宙を読んで 蒼黒戦士と 戦うワケ

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ブログの読者が川崎フロンターレとJリーグを応援してほしいために

こんにちは。

今回のこのブログのエントリは、川崎フロンターレ アドベントカレンダー2019の企画の8日目による投稿となります。

 

自己紹介

始めましての方もいると思いますので・・・みっちーといいます。

川崎フロンターレの試合は、現地か映像かで必ず見ております。サポ歴は10年ほどになりました。

今は、試合があるごとに雑感などを書いております。

 

かつて、この企画に投稿したことはあったのですが、その後、ブログを書き続けることを放り出した苦い経験があり、投稿日に書けなかったらどうしようという恐れがあり、近年躊躇してしまっていました。

 

とは言え、自分の思っていることを書くだけなら、早いうちから書けば、何とかなるかなと思い、つらつらと書いております。以下、僕の思っていることを書いているだけですので、正しいとか間違っているとかではないと思って下さい。あくまで一つの考え方です。もちろん、賛同いただけると幸いです。

 

現在の状況

この4月から仕事の都合により、10数年住んだ川崎市を離れ、九州の福岡市に単身赴任しております。川崎に住んでいた時には、当たり前のように等々力に試合観戦に行けていたのですが、ざっと1000km以上離れてしまうと、移動だけでも大変です。

 

おのずと、2019シーズンの等々力での参戦数は減ることになってしまいました。特に、水曜日や金曜日といった平日開催の試合は、これまでのように日中、計画的に仕事してというレベルではどうにもならなかったですね。

 

一方で、嬉しい誤算として、遠くに引っ越したことで行けるアウェイ参戦もありました。今年のJ1に、九州内で鳥栖と大分がありました。川崎からアウェイ参戦するには、どちらも遠くてなかなかハードルが高く、これまで行けていなかったのですが、いずれのアウェイにも参戦することができました。

(アウェイ鳥栖戦、駅前スタジアムにて)

 

特に鳥栖は、福岡からだと博多駅から快速で30分弱、しかも名前のとおりの駅前スタジアムなので、最も行きやすいスタジアムだと思います。来季も残留してくれてよかった。また、遠いだろうと覚悟した大分すらも片道2時間かからなかったかな。思ったほど遠くなかった印象です。川崎からの感覚だと柏へ行くくらいの感覚でした。

 

(アウェイ大分戦の昭和電工ドームにて)

 

また、福岡~川崎間の陸路では、途中に広島、大阪、名古屋などの都市があり、多くのJ1クラブがあったので、行き来する中で多くのアウェイにも参戦することができました。

 

多分、今年が遠くのアウェイ戦に最も多く参戦できたシーズンだと思います。これまで川崎を離れてみて、また福岡という都市から見て、今のフロサポについて思うことを書きます。

 

福岡という都市にて

唐突ですが、福岡市は人口だけで言えば、川崎市より少し多いですが、ほぼ同じ人口です。ただ、九州の中心都市であり、北九州や、久留米、それこそ鳥栖など、周辺の都市も含めた大福岡都市圏で考えると、500万人規模の大都市です。

 

(JR博多駅の様子)

 

この街のスポーツエンターテイメントの主役は、残念ながらJリーグではなく、ソフトバンクホークスです。平成の始まる頃、大阪にあった南海ホークスが、当時はダイエーが親会社となり、福岡に移転しました。それから30年になります。その間、ダイエーからソフトバンクに親会社は変わりましたが、しっかり福岡に根付いています。
 

かつては、テレビ放送を中心に全国区として君臨していた読売巨人を要するセリーグに対し、パリーグであったホークスは、野球空白区となっていた福岡に移転して地域密着を掲げることで、基盤を築いてきました。これは、Jリーグが発足するよりも前の話です。

 

実は、僕は幼少期、福岡の西鉄沿線に住み、物心ついたころに都下の西武沿線に住んでいて、川崎に住むまでは、NPBではライオンズのファンでした。かつては、ライオンズファンが多かった福岡も今や、ホークスが完全に根付き、街を歩けば、ホークスのタペストリーやポスターを見ることが多く、商店ではホークスの応援歌が流れており、意識しない日はないくらいです。

 

福岡に、Jリーグでは、アビスパ福岡があります。フロサポからは、J参入時の「博多の森の悲劇」があったことや2016年の1stシーズンの優勝も阻まれ、印象の強いクラブだととは思いますが、正直、福岡に住んでいてアビスパの存在感は強い方ではないです。それだけ、ソフトバンクホークスの存在感が強すぎるのです。

 

こちらにきて、福岡ヤフードームにホークスの試合も見てきました。ドーム球場なので、雨は降らないし、開閉型なので、勝利すると屋根を開けて花火もあがります。巨大な大型スクリーンもありましたし、選手紹介、応援、そしてコアとなる試合も大きなエンターテイメントとなっています。ビールを飲みながら観戦もでき、気軽に足を運べます。

 

それが試合数として、Jリーグの3倍も開催されているわけです。福岡以外で開催される試合であってもローカル局の地上波で、テレビ中継されることも多々あります。地域における露出が圧倒的に違うことを感じます。現状ではアビスパ福岡の露出は厳しいと言わざるを得ません。

 

(ソフトバンクホークスの本拠地、ヤフオクドーム、来季からペイペイドームになるとか・・・)

 

(福岡市営地下鉄にあったアビスパ福岡のパネル、がんばれ!アビスパ福岡!)

 

 

かつての川崎フロンターレ

この状況を見て、思い出したのが、20年ちょっと前の川崎フロンターレです。かつて、プロ野球では、大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)、ロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)が川崎を本拠地とした時代がありましたが、結果として去っていきました。そして、等々力には、当時、Jリーグナンバーワンの人気を誇ったヴェルディ川崎もありました。

 

そのヴェルディ川崎ものちに東京へ移転しました。当時、川崎はスポーツの根付かない街とされていた中で、川崎フロンターレは等々力に留まってくれました。川崎地域にあっては、近隣に巨人、ヤクルト、ベイスターズ、西武、ロッテとNPBのチームも多くありましたし、他のJクラブもありました。他にもいろんな娯楽は、首都圏ですから多くありました。それはそれは、集客にも苦労していたようです。

 

僕がフロサポになったきっかけ

それから時は流れ、2010年、ワールドカップイヤーとなりました。僕が川崎を応援するようになったきっかけは、子供のサッカー教室でした。当時小学校1年生だった息子が学校から持って帰ってきたプリントがはじまりでした。

 

等々力での試合の前、等々力のピッチに入って、子供と大人でボールを追い回し、遊んだ後にJリーグの試合を見る、そんな企画でした。それが2010年のガンバ戦。負けました。負けたので、まあ悔しくはありましたが、初めて憲剛や稲本を見てその年のワールドカップに出てた選手を直接見られただけで大満足でした。

 

そして、一度、等々力で観戦できたことで、次も行ってみようかなと思えるくらい、観戦のハードルも確実に下がっていました。その試合以降、何度か試合は見に行きましたが、その時は、いわゆるサポーターという意識ではなく、本当にお客さん。気が向いたら試合を見に行く程度でした。

 

ただ、なんとなく継続していた中で、たまたま本屋でこのブログのタイトルにもしている「僕バナ」を手にすることになりました。この本を読むまでは、川崎市に住んではいましたが、川崎市に住んでいるというより首都圏に住んでいる感しかありませんでした。

 

しかし、この本を読んで、川崎フロンターレがこの川崎という地域のことを思い、考えて、行動するクラブだと知り、自らが住む街を川崎市だと意識し、根が張っていく思いもしましたし、一クラブがこれだけ考えて行動してくれているのだから、この川崎に住む僕がこのクラブを応援しないわけにはいかないなという思いになりました。

 

これを機に後援会にも入り、継続的に応援するようになりました。これが2011年のことです。今から思うと、チーム成績をとしては、近年ではどん底の時代です。もちろん、古参のサポはJ2落ちを経験しているでしょうし、もっと苦難の時代もあったと思います。

 

多分、僕は珍しい部類で2010年初観戦から2011年に本格参戦という、ちょうどクラブ成績が落ち始めた時にサポーターをはじめています。ただ、応援する経緯から見ても、川崎が強いから応援するのではなく、川崎フロンターレが川崎地域のためにサッカーを通じて活動してくれているのだから、川崎に住む僕が何かしら川崎フロンターレにも還元し、一方通行の形にしてはならないという思いでした。

 

ここには、いろんな偶然、幸運もありました。子供が通っていた学校こそ、「僕バナ」で登場する、算数ドリル発祥の小学校でしたし、学校内の子供たちの間でも川崎フロンターレが浸透していました。子供も、今日学校でヒロキ(伊藤宏樹)を見たとか言ってました。非常に観戦にも入りやすかったです。

 

また、川崎フロンターレのコアサポーターは、他のクラブと違ってブーイングをしない姿勢でしたから、小さな子供を持つ親としては、怖くなく試合につれて行きやすかったです。

 

僕が応援し始めたシーズンは、今思うと、本当にいろいろ最悪だったと思います。8連敗目も眼前で見ました。神戸戦で、煽りVTRまで作って、連敗阻止を誓い、敗戦。多分、他クラブだったら、ブーイングの嵐だったでしょう。それでも、次のアウェイ山形戦、スカパー観戦でしたが、悠のゴールで勝利したとき、まるで優勝したかのように喜びました。

 

川崎フロンターレというクラブ

先ほど、野球の話をしましたが、それだけでなく、サッカー界にあっても読売と日産に挟まれた中で生まれたクラブであり、発足当時には、J1での常勝を義務付けられていたクラブではなかったはずです。当時からあるのは、いかに川崎フロンターレが末永く長く川崎地域に浸透し、この地域に貢献する存在となるか、しかなかったと思います。もちろん、その一つの手段として、試合に勝つということはありました。

 

他クラブには、試合の勝利こそが目的であり、まず、勝つことを目標に掲げているクラブもあります。そのクラブと川崎フロンターレが決定的に違うのは、目的は地域貢献であり、試合の勝利は目的ではない。勝利は、あくまで地域貢献という目的のための手段であるということ。

 

もちろん、一個人の目的として川崎フロンターレの勝利を見ることを目的に川崎フロンターレを応援するはあってもいいと思います。ただ、クラブ側は、勝利至上主義ではないと考えています。実際、このブログのタイトルのもう一つにある「スタ宙」の第一章は、「勝利は目的ではなく、手段である」とあります。

 

 

さて、今季は残念ながら、リーグ3連覇はできませんでした。ホーム最終戦では、横浜FM相手に散々な結果でした。ただ、僕が応援し始めた頃には、シルバーコレクターと言われていた時代であり、更に成績も落ち始めており、タイトルはまだ獲ったこともなかった。しかし、今季は、2000年代後半、あるいは一昨年、獲れそうで獲れなかったルヴァン杯のタイトルを、ようやく今季獲ることができました。

 

一昨年、昨年と2連覇し、今年はルヴァン杯。かつてでは考えられないほど幸福なシーズンが続いていると思っています。もちろん、これで満足して、もう勝たないでいいなんて思っていません。勝てば勝ってくれるだけ嬉しいです。

 

オヤジの小言

ですが、ここ1~2年のうちに川崎フロンターレサポーターになった方々に今一度問いたいです。果たして、川崎フロンターレは常勝でなければならないのでしょうか。勝たないと存在意義がないクラブなのでしょうか。僕は、そうではないと思っています。

 

今年、等々力には開催試合のうち半分くらいしか参戦できていません。今季は、本当に等々力で勝てない試合が多かったです。引き分けがとにかく多かったです。気持ちのいい勝利が少なかったことで、等々力でも耳障りなヤジと怒号が増えたように思います。

 

別の方の話で聞いたのですが、引き分け、敗戦が続いたこともあり、試合後に等々力に残されたゴミが増えたとも聞きました。等々力にて、ピッチにモノを投げ込む方が出た事件もありました。チケットを買って見にきてくれている以上は、広義のサポーターではあるかもしれませんが、フロサポがそんなことでいいのでしょうか。

 

一方で、僕は、今年、多くの遠方のアウェイの試合に参戦することができました。そこで目にしたフロサポの姿は、思い込みかもしれませんが、これまでの川崎フロンターレのクラブの生い立ちも姿勢も理解している、ガチ中のガチのサポが多かった印象で、あまり不快な思いもしなかったです。

 

卵が先か鶏が先かわかりませんが、夏場、アウェイ広島戦で負けるまで、アウェイで勝ち続けられていたのは、そういった理解あるフロサポの後押しが強かったということもあったのかもしれません。

 

今季、川崎フロンターレを応援しようと等々力に足を運ぶようになってくれた方なので、暴論であることを承知で言いますが、もし、勝つ試合が見たくて、それを見ることが目的で等々力に来ているのであれば、今年、川崎が優勝を果たせなかった以上、優勝したクラブのサポになればいいとさえ思います。

 

でも、本来のサポーターってそうじゃないでしょう。強いクラブのサポが偉いわけでもないです。勝とうが負けようが、強かろうが弱かろうが、自分の信念を持って応援すると決めたクラブを支える。それがサポーターでしょう。J1だけでなく、J2、J3、JFLあるいはもっと下のカテゴリーのクラブのサポーターでも、勝つから応援しているわけではないと思います。

 

強かろうが、弱かろうが、そのクラブに応援したい、支えたい何かがあるから応援するのでしょう。そこに優劣はなく、どのカテゴリーのどのクラブのサポも同じだけ尊いと思います。試合相手のクラブのサポも、試合の途中はともかく、試合が終わればノーサイド。同じJリーグを支える同士なのですから誹謗中傷することなどあってはならないと思います。

 

ホーム最終戦、横浜FMにボロボロに負けましたが、決してサポとしてはこれを卑下する必要はありません。勝った方のサポが偉いわけでもありません。僕らフロサポは、ただ、次に戦ったら勝てるよう、川崎フロンターレを応援し、支えるだけです。

 

逆に卑下し、下手な行動を起こせば、その責めは、川崎フロンターレという応援すべきクラブに及ぶこともあります。例に出して申し訳ないですが、「Japanese Only」の横断幕にて無観客試合を余儀なくされた浦和レッズの事件もありました。サポーターは、クラブから独立していたとしても、クラブに迷惑をかけることもあり得るのです。そのことは胆に銘じておかないといけません。

 

僕の勝手な持論ですが、クラブにしっかりした理念があり、サポーターが良好なクラブは、今現在の予算規模がどうであれ、安定した成績を残していく傾向にあると思います。その意味で、僕は、サポの質が落ちなければ、川崎フロンターレの将来は明るいと思っています。

 

ついでに、ちょっと視点は違うのですが、まだ川崎フロンターレがタイトルを獲る前に僕自身が書いたサポーター論を書いていましたので、併せて読んでもらいたいと思います。

 

 

(昨年のホーム最終戦)

 

これは、昨年の等々力での最終戦ですが、また、この景色を見るために、来季も川崎フロンターレサポーターは、ただ、クラブを支えていくだけだと思います。僕の考え方に共感していただける方、あるいは、必ずしもそうではないという考えの方であっても、川崎フロンターレを想う心が同じであれば、また、来季も共に戦いましょう。

 


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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